藤井寺「アサノ徳商店」近鉄の野球帽を被って藤井寺に呑みにいってみた
藤井寺
関西以外の方は
どこ・・・?
と お思いに
なられてるのではなかろうか
いや
関西人でも
若い人には馴染みのない場所に
なってしまっただろう
かつて藤井寺に
子供から大人までをも
狂喜乱舞させてくれた
建物
が あった事を
知る人も少なくなってきた
大阪阿部野橋
いわゆる
天王寺から
近鉄南大阪線に乗り
準急で二つ目の駅
そこが
藤井寺だ
2006年に
解体されてしまったが
近鉄バファローズの本拠地だった
の 最寄りの駅だ
現在
藤井寺球場があった場所には
学校が建てられ
その面影は皆無に等しい
唯一の証として
存在するのが
学校の脇に建てられている
このシュールな銅像のみ
小学生の頃
初めて藤井寺球場に行った時のことは
今でも覚えている
この球場は狭く
1試合で7・8本のホームランを
見ることができた
野球好きの子供にとったら
もう
お祭りだ
藤井寺のお近くの
大阪芸大に通うようになると
それはもうしょっちゅう
ココに足を運んだ
野茂もイチローも
間近に見ることができていた
電車通勤の
ブライアントを電車内で見た時は
アメリカンマフィアかと思った
同じく
電車通勤の
仰木監督を見た時は
ジャパニーズマフィアかと思った
キリがないので
多くは語らないが
本当に大好きな球場だった・・・
こんな商店街あったっけ・・・?
20数年ぶりに
この街に来てみたが
商店街の記憶はない
まぁ 仕方あるまい
当時は
駅と球場を往復してた
だけだったから
時刻は
朝の10時過ぎ
閑散としている
と 言っていいほど
静かな通りを歩いていると
麻野徳商店
という酒屋さんが見えてきて
そのお隣に・・・
出たっ!!
立呑処 アサノ徳っ!!
僕の一番好きな
暖簾の配色
紺地に白文字明朝体だ
商店街の
静けさから察するに
お客さんは
ほとんどいないだろうな
なんて思いながら暖簾を押すと・・・
うわっ!!
うわわわっ!!
先輩方が
カウンターにギッチリだっ!!
さすがバファローズのお膝元だっただけに
ギュウギュウ
が似合う・・・
これは・・・
いいぞ・・・
これはいいぞ
とは
どういうことかと申しますと・・・
僕は
何かドラマが起こるんじゃないかと
当時の
近鉄バファローズのデザインの
キャップを被って
ココに来ていたのだ
なんなら
同じキャップを被っている
先輩がいるかもしれない
なんて思いもあったが
見回した感じ
いらっしゃらない
でも ココは藤井寺・・・
このデザインには
敏感に反応してくれるだろう・・・
スグに
先輩方に見つかり
僕はイジり倒されるだろう・・・
うん
ギュウギュウで良かった・・・
「すいませんっ 瓶ビール下さいっ」
ママさんに
この距離感やったら ボリュームちょっとちゃうで?
と 思われそうな大きめの声で
注文をした
なぜなら
そう
このキャップを被っていることを
店中にアピールしたかったからだ
「はーい ビールお待たせ~」
ママさんは
まだ気づかないようだ・・・
「いやー ママさん この湯豆腐旨いっすねー」
「ありがとう~」
「めっちゃいい豆腐でしょ これー」
「普通のやで~」
「ホンマですかー ほな ネギと鰹節がええヤツでっしゃろ」
「普通やで~」
「ほんなら スプーンが純銀でー」
「ちゃうで~」
まだ
誰も僕に気づかない・・・
「あー おでんにも惹かれるわー」
「竹輪も厚揚げもええけどなー」
「迷うわー」
「おっ 梅焼きあるやん」
「ママさん 梅焼きちょーだーい」
「いやー 梅焼きは関西しか見いひんもんなあー」
「梅の花の形でカワイイなあー」
「どれどれ 割ってみよかなー」
「おおー 断面が魅力的やなぁー」
「おおー フワッフワやなー」
「あもうて 旨いなあー」
・・・あれ
僕
ずっと一人で喋ってる・・・
誰も気づいてくれへんやーーん!!
先輩方は
各々の仲間さんとの会話で
僕どころではなさそう
ママさんには
変な兄ちゃんやなぁ
と 思われてそうだ
壁にいらっしゃる
賠償姉妹にも
嫌われてしまいそうな
気がしてきた
うん
大人しくしよう・・・
別に気付かれなくたって
いいじゃないか
やはり壁に貼ってある
適正飲酒の10か条
の一つに
人に酒の無理強いをしない
とある
その通りだ
僕の帽子を
楽しく呑まれてる先輩方に
強引にアピールする必要はない
それは
無理強いだ
20数年ぶりの藤井寺で
初めて入ったアサノ徳で
呑めてるってことがドラマじゃないか
うん・・・
静かに呑もう
っと
思った矢先
目に入ってきたのが・・・
「わーーー 近鉄の選手のサインやー!!」
「94年で背番号19ってことは 赤堀かなあー」
「こっちの5番の方は誰や 村上か?」
「いやノリや!! nori って書いてあるわ!!」
「中村紀洋やーー」
「わーーーー!!」
やってしまった・・・
舌の根の乾かぬうちとは
この事だ・・・
しかも
ちょっと興奮したということもあり
さっきより声が大きかった
先輩がお一人
僕の方へ向かってこられた・・・
怒られるのか・・・?
「ノリかぁ 野茂やと思っとったんやー」
「へっ?」
「これ noなんとかって書いてるからやなぁ」
「はい」
「野茂や野茂や言うてたんや」
「はい」
「でも 野茂は背番号11やったやろ」
「はい」
「ちょっと気になっとったんや」
「はい」
「ノリやノリや お兄ちゃんおおきに スッキリしたわ」
まさかの
お礼を頂いた・・・
安堵と嬉しさがこみ上げてくる・・・
極めつけに・・・
「お兄ちゃん ええ帽子被っとんなぁ」
「えっ?」
「懐かしなー って思たわ」
「えっ?」
「おおきにな」
「こちらこそ ありがとうございます」
「入ってきた時から気付いててんけどな」
「・・・」
「まぁ 邪魔したらアカンからナンも言わんかったけど」
「・・・」
「先輩 嬉しすぎます」
「なんじゃそら」
「思い出に写真撮らせてもらえませんか?」
「ワシとか? 撮らんでええわ」
「お願いします」
「撮らんでええって」
「そこをなんとか!! お願いします!!」
「無理強いすんなやっ!!」
こちらもどうぞ
↓
神宮球場でのんきのシロタレ
キンミヤパックを持ち込んで球場呑み企画始動
麻野徳商店(あさのとくしょうてん)
住所: | 大阪府藤井寺市岡2-5-7 |
---|---|
TEL: | 0729-53-3838 |
営業時間: | 10:00~20:30 |
定休日: | 火曜日 |