飯塚「池松酒店」最強ディープタウンの危険な角打ちに行ってみたっ!



6年前に
今は無き小倉の
平尾酒店で
先輩方に助言を頂いたことがある
「筑豊ん角打ちは 行かんほうがよかよ」
「なんでですか?」
「炭鉱ん街やけんね」
「炭鉱の男達は皆 気性が荒かっちゃん」
「安全やなかばい」
「身に危険を及ぼすってことですか・・・?」
「そうかもしれんね」
「・・・」

なのに来ちゃったっ!
止められてた福岡筑豊の
飯塚に
しかもユナちゃんと・・・
日本全国の全ての角打ちで呑め
酒訓にのっとると言っても・・・
危険な目にあう
可能性もなくは無い地域に
女の子と・・・
僕はアホか・・・
酒場ナビモデルの
西成を連れまわし呑みした時のことを
思い出した




「あはは 超細いお店あるよ」
「ホンマや」
「あはっ あははっ あはははっ!」
危機感無いなユナちゃん
平尾酒店の先輩方の話はしてない
帰りも
笑っていられればいいが



調べてみると香ばしい飯塚
強制連行 飯塚事件
街並みは寂れ気味
かつて
炭鉱で栄えた面影は見当たらない



2階から下に
呼び込みができそうな建物が並ぶ
ほとんどが
元遊郭じゃないかしら

ぬわっ!
醸し出す空気が一気に
ディープにっ!


ひとっこひとり居ないのに
めっちゃ見られてる気がする
それはまさに
道飛館焼肉のある
おどろおどろしさ

広い道に出ると
おっ
アレじゃないか・・・

ゴミ箱とビールケースと空き缶で
ゴチャゴチャと

てっ テラスがあるのか・・・?

ねっ 猫ちゃん酒場なのか・・・?

出たっ!
池松酒店っ!
筑豊を調べまくって
一番古そうだった角打ちっ!

お見事な佇まい
ずっと見てられる・・・
が
ずっと見てると
「何見てんばい くらすぞコラッ!」
と 店内から
気性の荒いゴロマキが
出て来やしないか・・・

出たっ!
ゴロッ!違うっ!
「いらっしゃ~い」
「女将さんでらっしゃいますか?」
「そうばい」
「女将さん 店の中に・・・」
「なぁに」
「気性の荒い屈強な男性とかが・・・」
「ん」
「居たりしませんかね」
「おらんばい」
「ヨシッ! 身の危険なしっ!」

気性の荒いゴロマキの代わりに
僕らを出迎えてくれたのは
やはり猫ちゃん

むっ!

家族多しっ!
船橋漁港の
ぐらいの大家族だじゃないか
猫ちゃんの写真を撮ってる方
飯塚にもありますよ聖地が


レトロ酒瓶が
所狭しと飾られてる店内
お宝はどこだ・・・

裕次郎と渡哲也がデザインされてる
日本酒セット
こいつぁマニアには堪らんバイ

「女将さん ツマミはカワキモノだけですか?」
「ちょっとしたオカズなら あるばい」
「やたっ お願いしますっ!」

せっかくなんで
テラスで缶ビールを
肌を刺す風が気持ちいい

「おまたしぇしたぁ」
「あっ 女将さんっ!」

「こげんので よかかしら」
「ありがとうございますっ!」

ポテサラと
コッチで言うところの
がめ煮か

「手作りのツマミ嬉しいなぁ」
「いいねココ」
「せやな 怖くもないし」
「怖いっ?」
「あっ まぁまぁまぁ」

ツマミはやっぱり
カワキモノより
ヌレモノがいい
心がこもってる

愛情も味付けも濃いぞ
炭鉱の街じゃ
塩分も人情も多めだろう
知らんけど

どうやら
ユナちゃんの身に危険は無さそうだ
少し尻込みしたが来て良かった

外呑み 旨いツマミ
若干のスリル 猫ちゃん
落ち着いたら見えてきた
素晴らしすぎるじゃないか
池松酒店
どのぐらい素晴らしい・・・?
それこそ船橋漁港の
ぐらい楽しいゾ
笑顔で帰れそうですね
ユナちゃん

「おまたしぇしたぁ」
「あっ 女将さんっ!」
「こげんので よかかしら」
「デジャブッ!」

「玉子焼きにっ!」
「明太子っ!」
「インゲンの天ぷらっ!」
「続くんですね この宴はっ!」

「こげんので よかかしら」
「デジャブ再びっ!」


「キュウリとスジ肉の酢の物にっ!」
「漬物盛り合わせっ!」
「ちょっとしたオカズの概念っ!」
「世界はコレをっ!」
「満願全席と呼ぶんだぜっ!」

モチロン
350の缶ビールじゃ戦えず援護射撃
嬉しい悲鳴フォーーッ!

こんなにもてなして頂けるなんて
エグいぞ女将さんのホスピタリティ
調子に乗って
おにぎり食べたいって言えば
握ってくれそうだゾ
風呂入りたいと言えば
入れてくれそうだゾ
今日宿取ってないと言えば
泊めてくれそうだゾ
裕次郎の日本酒呑みたいと言え・・・
それは怒られそうだな

「アンタら なんでウチに来たと」
「角打ちを巡ってまして」
「じゃあこん本しっとー?」

「あっ バイブルです 2冊持ってます」
「ばり好きなんやね」
「筑豊は初めて来ました」
「昔は華やかやったんばい」

「アソコに見えとーとが ボタ山とね」
「ボタ山・・・?」
「炭鉱ん時にね」
「はい」
「使えん石ば積み上げてできた 人工ん山ばい」
「だいぶ昔のモノなんですね」

「今じゃウチだけ なってしもうたけどしゃ」
「はい」
「当時はここらへん ズラーっと店が並んどってしゃ」
「はい」
「銀座通りって呼ばれとったばい」
「飯塚にも銀座がっ!」

「夜勤ん炭鉱夫がしゃ」
「はい」
「朝6時ぐらいに 山から下りてくるとよ」
「はい」
「やけん 7時から呑めるごと支度しんしゃい」
「7時・・・? 6時じゃなくてですか?」

「今はこげん 草むらになってしもうたけどね」
「はい」
「昔はココに」
「はい」
「炭鉱夫が入るお風呂があったと」
「銭湯のようなっ!」
「6時から風呂入って」
「はい」
「7時から酒盛りばい」
「なるへっ!」
「景気もいいしね」
「はい」
「毎日賑やかやったばい」
「体験してみたかったですっ!」

「炭坑節 は筑豊が発祥なんですよね」
「田川ばい 石碑もあるばい」
「田川も角打ちありますかね」
「あるて思うばい」
「今度行ってみます」
「ウチもまた待っとーばい」
「田川の帰りに必ず寄ります」
「電話しな がめ煮に作っとくけん」
「もてなしエグいす女将さんっ!」

お見送りも
やっぱり猫ちゃん
逃げへんなぁ

見られてる感バキバキで
駅に戻ったとさ
婚前旅行呑みは”酒場ナビ酒訓”にのっとって
シリーズ完結

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