「イカはん　今何してまんねん　エグい酒場見つけましたでっ！！」

 

 

カリスマジュンヤから

電話がかかってきた

 

その声は明らかに興奮気味だ

 

 

「今は　ペルシャ猫を膝に置きながらピアノ弾いてるけど」

「嘘つきなはんな　エックスビデオでもみてたんでっしゃろ」

「いや　なんで・・　や・　ねん」

「外呑みできる　天国酒場ですわ」

「お　おうん」

「すぐパンツ履いて船橋来なはれっ！！」

 

 

 

酒場ナビ酒訓第５６条

メンバーから招集の連絡が来れば

親の葬式中でも駆けつけろ

 

 

 

 

 

 

三上悠亜に別れを告げ

 

ずり落ちてるパンツを引き上げた

 

 

 

 

京成船橋のお隣

大神宮下へやってきた

 

立石に引っ越したおかげで

ここまで30分

 

千葉酒場が近場酒場になったぜ

 

 

 

 

漁師町なんだな

 

あれは

ハマグリとか取る籠じゃなかったっけ

 

 

 

 

坊ちゃんたち・・・

 

ホンビノスなんか漁あさって

オヤツにするのかい

 

 

それとも

売りさばいて小遣いを稼ぐのかい

 

 

 

 

「イカはん　ここでおまんにゃわ」

 

 

遠くからジュンヤの声が聞こえた

 

 

近寄ってみると・・・

 

 

 

 

ぬおっ！！

 

 

なんだこのバラックは・・・

 

茨城県常陸多賀の

塙山キャバレーのような・・・

 

いや神戸湊町の

ふくや串かつ店のごたるインパクトだ

 

 

 

 

おふううう

 

それでいてすごい解放感・・・

 

これもどこかのような・・・

 

そうだっ！！

 

かつて

京王稲田堤にあった伝説の外呑み酒場

たぬきやを髣髴とさせるぞ・・・

 

 

 

 

トタン板で作られた個室がっ！！

 

しかも

テーブルが2段重ねという離れ技！！

 

西成の移動式屋台焼き鳥屋

焼き鳥ジローばりの

とりあえず感　

 

 

そに痺れる　あこがれるぅ

 

 

 

 

ニャン！！

 

 

 

 

ニャニャン！！

 

 

 

 

ニャンニャンニャンニャン！！

 

それでいて

おびただしい数の猫ちゃん

 

写真を撮ろうとしても逃げやしない

人ニャつっこさ

 

ニャンコ撮影の聖地は

谷中ぎんざより

ココではなかろうか

 

 

 

 

「エゲつないでっしゃろ　イカはん」

「凄まじい酒場やな・・・」

「真面目に呑んだくれてると・・・」

「酒場の神様は・・・」

「こんな天国に・・・」

「いざなって下さるんや・・・」

「神様今宵もありがとうございますっ！！」

 

 

二人の声が大海原に響き渡った

 

 

 

 

「なんだよアンタら　うるさいねぇ」

「あっ　すいません　興奮が抑えられず」

「猫がビックリするじゃないか」

「すいません　あの・・・さゆりさんでらっしゃいますか・・・？」

「そうだよ」

「やっぱり　お姉サマのお名前が屋号なんですね」

「どうすんの　呑んでくのかい？」

「はいっ！！」

 

 

 

 

 

「このテーブル使いな」

「ありがとうございます」

「あっち座るかい？」

「あのVIPルームですか」

「なに言ってんだよ」

 

 

 

 

「さゆりさん　カシラとツクネ塩で下さい」

「あいよ」

「お酒は　缶ビールとか缶チューハイとかですか？」

「生ビールあるよ」

「えっ？？」

 

 

 

 

「ガレージにっ！！」

 

 

 

 

「冷蔵庫やサーバーあるんすか！！」

「チューハイもできるからね」

「頼もしやーー」

 

 

 

 

「はい　焼けたよ」

「いただきますっ！！」

 

 

 

 

この環境で

生ビールが呑めるとは

素敵な裏切り

 

こういうタイプの

海の家

に巡り合えるとは思ってもみなかった

 

 

 

 

えっ？？

 

 

 

 

この串・・・

 

 

 

 

「さゆりさん　めちゃめちゃ美味しいですっ！！」

「ありがとね」

「失礼ながら　この感じなんでビックリです」

「前はこの近くで　お店やってたんだよ」

「ここの前があったんですね」

「40年ぐらい前に　その店出してね」

「そんなに長く」

「17年ぐらい前に　コッチヘ移ったんだよ」

「いい意味の裏切りいくつも　ありがとうございます！！」

 

 

 

 

「さゆりさん・・・するってぇと・・・」

「なんだい」

「このタレ・・・」

「そうだね　40年物のタレだね」

 

 

 

 

「レバー　ねぎま　鶏ももタレジャブジャブで下さいっ！！」

「はいよ」

 

 

 

 

チューハイに変えさせて頂き

40年ダレ焼き鳥と共に

 

 

 

 

年輪を感じる旨味

 

深みのあるタレに纏われて

鶏も葱も喜んでおります

 

 

 

 

豚レバーがまた絶品

 

長年

お客さんを呼び寄せる理由が明確だ

 

 

 

 

「松の湯　昔はテラスで呑めたべ」

「そうだべ　そうだべ」

 

 

VIPルームに

地元の先輩ご両人が入られた

 

 

船橋って・・・

 

方言あるんだ

 

 

 

 

「ここら辺は　言葉が悪くてよ」

「はい」

「女のことは　バカアマ　なんて呼ぶの普通だべ」

「悪っ！！」

「クソアマ　コジ〇アマなんとも呼ぶな」

「怖っ！！」

 

 

 

 

「ここらじゃアオヤギって貝　バカガイっていうからよ」

「はい」

「バカ　バカ取ってこい　なんてバカだらけだべ」

「引っ越してきた人ビビりますね」

 

 

 

 

「ばか面おどり　って知ってっが？」

「わからないです」

「こんな感じだっべ」

「楽しそうですね」

「よっじゃ　教えてやんべ」

「恐縮です」

 

 

僕らが先輩に

ばか面おどりを

レクチャーして頂いてる様子

 

近々YOUTUBEにアップ致します

 

 

 

 

日も暮れはじめ

一人

また一人と

お馴染みさんがいらっしゃる

 

長居も野暮だな

 

 

 

 

おや

猫ちゃん達も

おねむですか

 

 

また来るニャン

 

 

 

 

コチラもどうぞ

↓

 

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