「西成」

 

そこは日本で一番カオスな場所で

常に驚きと恐怖とレベルの高い笑いが交錯した街である。

 

 

 

先日朝から西成をハシゴ酒してた時の話。

 

 

西成では有名な”ゾクゾクの止まらない”名店「きらく」の様子を見に行こうとしたのだが・・・

 

その前にどうしても無視する事の出来ない”路上露店(？)”を見つけてしまったのだ。

 

 

 

最初は

たこ焼き屋さんかな？

西成ならではの誰かの住み家かな？

とも思ったが・・・

 

「焼き鳥」と書かれた赤提灯を見た瞬間、『酒場センサー』に電撃が走ったのだ。

 

恐らく『食べログに載ってない店』であろう。

 

 

 

この佇まいに少し怯えながら、外から店内に向かって

「もうやってますか～？」と聞いてみると

店内から

「11時からやし、もうちょい待ってなぁ～」

と意外にも優しい声で応対してくれる店主さんだったのだ。

 

 

 

「難波屋」などの他の酒場で時間を潰し、11時ちょうどに例の”謎酒場“へやって来た。

 

 

 

 

外装にはマジックで

「入口はこっち」と何個か書いてあるのだが・・・

 

 

 

実際は思ってもみないところが入口なので

訪問の際は最新の注意を払ってください。

※入口じゃないところから強引に空けて入ろうとすると店が潰れてしまう可能性がありますので。

 

 

 

無事入店したのだが、店内は思ってる以上に狭く

3名入れば満席といった感じだ。

（人数によってはたまに立ち飲みスタイルになる事もあるみたいです）

 

 

 

車の荷台を改造した移動式の焼き鳥屋さんかと思えば・・・

聞くところによると車はとしては機能してないみたいだ。

 

 

 

マスター１人で経営されてる渋すぎる焼き鳥屋さんを

午前中から貸し切りなこの状況に・・・

すでに泥酔状態だ。

 

雰囲気で酔うとはまさにこの事であろう。

 

 

あたかも常連さんの如く

「マスター！チューハイを一丁っ！」と

ちょっと粋がって注文してみた。

 

 

 

一見怖そうなマスターではあるが、メニュー表には

［スマイル smile 0円］

と書くくらいのお茶目っぷりだ。

 

 

 

「マクドナルド」の［スマイル0円］システムは

恐らくマクドナルド社長が西成へ遊びに来た時にこの店で吞んで、メニューのスマイル0円をパクったのであろう。

 

 

 

そんな事を考えながら、缶チューハイ氷結で一人酒ゴングを鳴らした。

 

 

 

 

 

 

テキトーに注文した焼き鳥を目の前で焼いてもらい

その様子を正面から見れる最高の特等席で呑むチューハイは格別だ。

 

 

 

 

マスターの後ろにあるこの大きなゴミバケツに入ってる水なのだが・・・

 

 

あえてここでは書きませんが

少しだけ予想外な利用方法をされるので、自身の目で確認してきてください。

 

 

 

 

あっという間に焼かれた

つくね（150円）

 

 

 

続いて

手羽先（130円）、せせり（150円）、鳥皮（130円）

 

 

 

「思ったより美味しかった」

 

店の雰囲気にのまれすぎて、正直焼き鳥にはなんの期待もしてなかったのだが

率直に”案外イケる”と思った。

 

 

 

 

撮影の許可もおりたので

「焼き鳥ジロー」の店主であり、首謀者のジローさんを本邦初公開させていただきます。

 

 

 

ちなみにジローさんはこう見えて

優しく、おしゃべりさんであるので

安心して訪問してください。

 

 

店の名前を聞くと

「特に店名なんてないけど、オレの名前がジローやから、みんな”焼き鳥ジロー”って呼んでるわ」

との事だった。

 

 

 

さらに話を聞くと、なんと近々移転するみたいで・・・

 

理由は車を置いてる場所が隣マンションの敷地内で

立ち退きを言い放たれたらしい。

 

 

そしてすでに移転先も押さえてるとの事だ。

 

 

 

最初から気になってた賃料について

「この場所って賃料いくらくらいなんですか？」と聞いてみると

 

「タダやで」

 

と衝撃の事実だった。

 

 

それ以上は恐ろしくて聞く事が出来ず

恐らく西成ルール、怖い大人の事情が絡んでるのであろう。

 

 

 

 

 

「焼き鳥ジロー」を訪れたのが２ヶ月前の３月３日だったのだが

噂によるともうすでに移転して、営業されてるみたいなので

詳しい近況を知ってらっしゃる方は是非とも情報を教えて下さい。

 

 

 

 

また近々西成へ訪問する

いや、“帰る”理由が出来ました。