鹿児島「七輪家 ホルモン大将」 元”赤線地帯”の飲み屋街で絶品かごしま黒豚を喰らうっ!!
「酒場ナビって都内だけの紹介ですか?」
「いえ、全国区です!」
酒場ナビのことを知らない人に説明する時に
ボクは胸を張ってこう答えている。
言ってしまった以上、近場ばかりで呑んでるわけにはいかない。

今回は鹿児島へやってきた。
宮崎で呑んで宮崎駅から「きりしま1号」に乗り込んで、途中霧島で下車なんかもしたが
「鹿児島中央駅」までやってきた。
鹿児島で最も有名な飲み屋街といえば「天文館」があるが
まぁまぁまぁ・・・そこは遅い時間からでも攻めれる。

他にももっとディープな飲み屋街はないだろうか・・・
事前にネットで調べることは可能だが、最近のボクと言えばあえて現地の人に情報を聞くようにしている。
何故か?
シンプルに調べるのが面倒くさいからだっ!!

いつも通り、まずは立ち飲み屋へやってきた。
「その街の酒場情報は立ち飲み屋が全て知っている」
ボクはこれからもずっとこれを言い続けていくつもりだ。

初めて入る地方の酒場、店員さんの距離は決して近くはない。
しかしここは立ち飲み屋さん
店員さんだけじゃなく、常連さんもすぐに仲良くなれる。
”同じ場所で立って呑む”
たったこれだけの条件が揃えば、不思議なことにほぼほぼ仲良く話せる条件は揃っているのだ。

「この辺でディープな飲み屋街ってありますかね?」
「天文館以外でね・・・あ、区役所前のあそこって確か元々赤線地帯だったんだよね?」
「名山堀のこと?あの辺最近若い子たちが頑張ってるよね」

元”赤線地帯”っ!?
その言葉にはめっぽう弱いぞ・・・
大丈夫です
その情報だけあれば充分です。
マスター、よかったら一杯どうぞ!
そしてお会計をお願いします。
早速行ってきます!!

これだから一軒目は必ず立ち飲み屋に行っておきたいのだ。
Googleマップを頼りに急いで「名山堀」という場所へ向かった。

この辺りか・・・
いきなり渋すぎる金物店が出迎えてくれた。
鹿児島市電「市役所前駅」のすぐ近くにある名山堀・・・

幻想の運河 名山堀
名山町と呼ばれるこの界隈にはかつて運河があったそうな・・・

現在は戦後まもなく建てられた軒の低い木造長屋が建ち並び、レトロな風情と温かい人情が残っている

歴史と人情が残る街、それが「名山堀」
看板の説明にバッチリ当てはまってる飲み屋街である。

勿論トイレは共有
どこかが火事を起こしたら、一瞬で終わり
そんな長屋あるある全開な飲み屋街
目の前は市役所なのに、こんな渋い場所があるなんて素敵すぎる。

時刻はまもなく18時・・・
酒場の灯が点き始めたぞ。
さぁ、どこで酒ゴングを鳴らそうか。

写真を撮ってると「小料理たか」のママさんが出てきてご挨拶。
ここは2、3軒目くらいにお邪魔させていただこうかな。

見上げると、2階には洗濯物が干されていた。
この上に住んでるんだ・・・
これが本当に令和の光景か!?
昂る気持ちで向かった先は、隣のホルモン屋さん
「七輪」と「ホルモン」の文字に吸いよされられたって感じかな。

「七輪家 ホルモン大将」
18時ちょうどにライドオンすると
ワンオペのマスターがお出迎え。

見た目はイカついけど、出逢って5秒で分からされた
”絶対に優しい感”
ここでは安心して呑めそうだぞ。

無駄が一才ない店内
マスター独りで回すにはちょっと厳しい感じだけど
そこはマスターの人柄でなんとかなりそうな・・・そんな感じがしたかな。

カウンター席に座らせてもらうと、早速七輪がお出迎え。
待ってましたよ、七輪さん!
使い込まれた七輪にこれから炭が投入されて、網の上でホルモンが焼ける
これがやりたくて、この店に入店したのだ。
自分に子供が出来たら
「七」ちゃんと「輪」ちゃんって名前を付けて
七輪ブラザーズと呼びたいな。
それくらい七輪が好きです。

ファーストドリンク・・・
鹿児島っぽく黒糖焼酎でいきたいところですが
まぁまずはビールで喉を掃除するとしますか。

ツィーーー!!
冷えたビール、ウマッシュっ!!
そういえば聞くの忘れてた・・・
「マスター!ここって元々赤線地帯だったんですよね?」
「そうです。そのあと飲み屋街になって・・・私はここの常連客だったんです」

「え、元々お客さんだった!?」
「ここの前のホルモン屋さんに通っていて、すると大将が店を辞めるって言うから自分が引き継ぎますよって流れで・・・」
福岡出身のマスターが脱サラをしてこの店を始めることになったという。
こういう話を聞くたびに思うこと
「勢いって本当に大事だなぁ〜」って・・・

ホルモン以外の日替わりメニューも気になるところだが、まぁ初手なんでホルモンをコール。
「チェッカーズの藤井兄弟も来たことあるんですよ」
待ってる間もマスターは色々と歴史を教えてくれる。
接客業が好きなんだろうな
楽しそうに仕事してる感が印象的だった。

炭が投下され、七輪と共にボク自身もヒートアップしてきた。
「おまかせ3種盛り」

これがかごしま黒豚のホルモンか・・・
いつの間にか「昇龍」に切り替え、準備万端で迎えれた。
じゅ、ジュルリ・・・

一人ホルモン焼きの良いところ
自分のペースで自分が食べたいものからチビチビと慎重に焼けて
ホルモンに集中出来るところ。
これが口説いてる女の子と行くと
話すのに集中したり、焼いたり焼かれたりの気遣いにちょいと面倒なことになってしまう。
今、とても良い時間が過ごせてるぞ。
本当は可愛い女の子と来たかった自分に強くそう言い聞かせた。
「えのきホイル焼き」

こちらも同時進行で七輪で”育てる”ことに。
中が見えないからちゃんと監視しておかないとな。
さて待望のホルモンが仕上がったみたいだぞっ!!

”塩ホルモン”
タレのイメージが強い「ホルモン」をあえて塩で
ボクはこの塩ホルモンがめちゃくちゃ好きで味が選べるなら、絶対に塩で食べるのだ。
かごしま黒豚塩ホルモン・・・
ウマッシュっ!!!!
「もうえのき行けると思いますよ」
ホルモンに集中しまくってたボクにマスターが教えてくれた。

バターで蒸し焼きにされたえのきに醤油をたらり
こんなもん旨いに決まってやがる。

「脱サラしてこんな素敵な場所で自分の店やるって最高ですよね」
「やればいいじゃん!隣の物件空いてるよ」
そう言って外に出て、隣の空き物件情報を教えてくれた。

「まぁ賃貸じゃなくて、売り物件なんだけど」
「この辺の物件は大体5坪で値段も安いよ」
「2階は見ての通り、頑張ったら住めるね」

興味ある方、鹿児島まで行って調査してきてください。
第二の人生は自分で切り開くべし!!
定年まで待つルールなんてないんだぜ。
地方に行って旨い飯を喰うだけもよし
自分探しの旅に出るもよし
どっちにしても遠く知らない土地へ行くことって大事なことですよね。

七輪家ホルモン大将(しちりんやほるもんたいしょう)
| 住所: | 鹿児島県鹿児島市名山町4-27 |
|---|---|
| TEL: | 090-7460-0224 |
| 営業時間: | 18:00 - 23:00 |
| 定休日: | 不定休 |



