こんなことしてなければ

また来ることはなかっただろう

 

 

 

こんなこと

とは

酒場ナビのことだ

 

 

 

先日

大阪に呑みにいったとき

 

名店を呑み歩くのもいいが

ちょっと趣向を変えてみるか

と思いたち

自分のゆかりのある場所を

巡ってみることにした

 

 

 

 

近鉄南大阪で

訪れたのは

 

 

 

 

喜志駅

 

 

関西人でも

どこやねんっ！！

というであろう知る人ぞ知る駅

 

 

 

 

未だに

ホームに喫煙コーナーがあるのが

なんか微笑ましい

 

 

ここに来るのは

２０年以上ぶりだ

 

 

 

 

相変わらず

駅前が寂しい

 

２０年前と

景色が同じだ

 

 

うん

下り口も

間違ってないだろう

 

 

こっちに歩くとあったはず・・・

 

 

 

 

あった・・・

 

専用のバス停

 

うん

ゲイバス

ってみんな呼んでたな

 

 

このバスに乗ること

２０分

 

たどり着いたのが・・・

 

 

 

 

大阪芸術大学

 

 

僕が

中島らもと古田新太にあこがれて

入学した大学

 

結果中退してはしまったが

何年間かは

学び舎

だった場所

 

 

 

正面の外観も変わらないが

明らかに変わったのが・・・

 

 

 

 

ゲイザカ

と呼ばれていた

学校の入り口の急な坂を

 

 

 

 

バスが登ってくれること

 

 

当時は

坂の下でバスを降ろされ

常に心臓を破られていた

 

この坂が嫌で

学校に来なくなった

友人もいたほどだ

 

 

今の学生さんは幸せだ

 

 

 

 

せっかくなんで

ちょいとキャンパスを散歩してみる

 

 

 

懐かしい・・・

 

 

 

この芝生で

入学した４月に

一目ぼれした同じ学科の女の子に

告白してフラれたことを

思い出した

 

 

あの娘

 

元気かしら

 

 

 

 

懐かしい・・・

 

確かここは

ドレミの広場

と呼ばれていたような

 

ここに座り

噴水を眺めながら

同じ学科の韓国人の女の子に

告白してフラれたことを思い出した

 

 

あれも４月だったな・・・

 

 

あの娘

 

元気かしら

 

 

 

 

キャンパスのメインストリート

 

 

こんな感じだったっけ・・・？

 

 

ここを通って一般教養の授業に通って・・・

 

あれ・・・

 

勉強のほうは・・・

 

あまり思い出せないなぁ

 

 

 

 

うん

 

ここは何か覚えてる

 

 

そうだっ！！

 

たしか

PLの花火

を学校で見ていて・・・

 

女の子をこの建物の屋上に誘って

告白してフラれたんだ

 

 

 

あの娘

 

元気かしら

 

 

 

 

むむっ！！

 

この校舎でなんかあったぞっ！！

 

 

 

ちょいと失礼して・・・

 

 

 

 

そうだ・・・

 

 

この教室だ・・・

 

 

授業中

友達とバカ話で盛り上がっていたら

当時　

教授をなさっていた

フランキー堺さんに

髪の毛白髪になるぐらい

怒られた

 

 

 

アカン

 

 

フラれたことと

怒られたことしか思い出せへんて

 

 

なんかいい思い出ないんか・・・？

 

 

 

食堂・・・

 

いってみよう・・・

 

 

 

 

芸大に食堂は幾つかあるが

僕が一番来ていたのが

第１食堂

 

 

ほぼこれしか注文してないんちゃうか

っていうメニューが

ここにはある

 

 

 

 

入り口で食券を買うスタイルは

当時のまま

 

 

ここで

玉子丼をチョイスする

 

 

２７０円か・・・

 

 

４０円ぐらい値上げしたかな

 

 

 

 

うん

 

ちょっと綺麗になったかしら

 

窓際の席やソファーなんかは

あの頃なかった

 

 

 

 

セルフの

丼のコーナーの列に並ぶ

 

 

この眺めと

空間の匂いが

また懐かしさを煽ってきやがる

 

 

 

 

注文カウンターに

食券と１０円玉を置いて

こうお願いする

 

 

 

「すいません　天かす入れて下さい」

 

 

 

あっ！！

見切り発車でやってしまったが

今でも通用すのか・・・？

 

 

また怒られやしないか・・・？

 

 

 

 

「はーい　天かす入りなぁ」

 

 

 

 

ふぅ・・・

 

 

お姉サマ素敵です

 

 

 

 

これが

学生時代に僕を支えてくれた

天かす玉子丼

 

 

これを食べて

自分を

ごまかして

いた

 

 

 

 

金の無さとは反比例して

すぐに腹はへりやがる

 

沢山食べたいが

贅沢はできない

 

そんな中

１０円を払うことで

玉子丼を変身させ

自分を

 

カツ丼食べた気

 

にさせていた

 

 

 

 

思い出の味を

ワンカップと共に

 

 

学び舎で不謹慎か・・・？

 

 

まぁ

当時は教授やなんか知らない大人たちが

昼から酒盛りしていた学食だ

 

コソコソちょっとだけならいいだろう

 

 

 

 

それにしても・・・

 

 

 

 

寂しい思いでしかないやないかいっ！！

 

 

 

 

グスン

 

 

天かす玉子丼が

しょっぱくなった気がするのは

気のせいだろうか

 

 

 

 

帰りのバスで

PLの塔の不気味さを見せられ

またグスン

 

 

 

 

BGM

赤犬 – ブパップ