【第1回】赤羽「丸健水産」くまモン達と飲んだんだモンッ!
Q.酒場ナビメンバーと飲めるって本当?
A.本当です。※2017年12月30日にて終了
先日、酒場ナビメンバー待望でもあった”読者飲み”の第1回を遂に実現することが出来た。
今回、一緒に飲むことになった読者は熊本県出身の2人。
他のメンバーは知らないが、私は熊本県に行ったことがないどころか、熊本出身者と出会ったことさえ無い。
舞台は都内でも屈指の酒場街『赤羽』。
果たしてどんな人物なんだろうと期待と不安を胸に、その日を迎えた。
「酒場ナビの方ですよね?」
さすがはカリスマジュンヤ。この金髪カリスマイルですぐに見つけてもらうことが出来た。
まずは今回依頼してくれた読者の紹介から。
「タケさん」
今回ご依頼をしてくれた熊本県在住の男性。
休職中の当時、日本中をトランクひとつだけで浪漫飛行中とのこと。
「シロウさん」
熊本県出身の東京都在住。
タケさんと同級生で、現在都内でIT企業のエリート!?
せっかくの第1回。色んな意味で”イッてる人”が来たらどうしようと思っていたが、ちゃんとした大人だったので安心した。
まあ私を抜いたイカとカリスマジュンヤ自体が”イッてる人”なので、逆に向こうが不安だったかもしれないが。
一通りあいさつをしてから、いざ赤羽ハシゴ酒へ出発。1軒目の『立ち飲み いこい』へ向かう。
1軒目『立ち飲み いこい』
席は店先のテーブル。
この日の夜は気温も高めだったので外で男同士、学生気分で語り合うのには丁度よかった。
まずは瓶ビールを酌み交わし、グラスでガチーンと出会いに乾杯。
一瞬で飲み干されたビールに続いて『ゴールデンハイボール』を注文。
酒場ナビ伝統の”クロス飲み”の儀式も終わったところで、まずは軽めの”アテ”を注文する。
適度に空いた小腹を埋めながら、改めてお互いを紹介していると──。
「地震で、自分の家も結構壊れたんですよ」
おもむろに語りだすタケさん。
熊本県といえば今年の2016年、『熊本地震』という災難に見舞われた事が記憶に新しい。
イカの出身地の神戸、私の出身地東北でも過去に大きな地震に遭い、大変だったろうなということは語らずとも伝わる。
結構、デリケートな話だと思っていたのだがタケさんが話を続ける。
「でも国からお金が出て、ひとりで2DKの部屋を”タダ”で借りてるんですよ!」
メンバー一斉に「マジですか!?」と驚き、続けてシロウさんも、
「ウチも地震後、熊本の実家に帰ったら国からお金が出たみたいで、壊れたキッチンがゴージャスになってました(笑)」
と、思わずみんなで笑ってしまった。
日本って意外と必要としてる所に正しい金を使ってるんだな、と初めて思った。
勿論、それが全ての悲しみを消し去るとは思っていないが、こうやって現地の人と話し、時には笑いながら酒を飲めるという事が、どれだけ大きな意味を持つ事か。
2軒目に向かったの店が『八起』だ。
ここも説明不要の赤羽を代表する店で、この時もめちゃめちゃ繁盛していた。
店に着いたころは1階席も2階席も満席だったが、流石は酒場ナビ。諦めて帰ろうとした途端、1階のカウンター席が丁度5席空いて座ることが出来たのだ。
それはいいのだが、席に座ってからは”お姉サマ”に声をかけられて一緒に写真を撮ったり、隣の紳士と話したりとメンバー全員揃ってしまうと、まあ落ち着きがない。
ここは少し変わった料理も食べれるので、そろそろまわりに怒られないうちに注文をする。
『豚王ぽ』と専用つけタレ
ほとんど”骨”なのだが、その骨をしゃぶりながら飲むという”通”な飲み方があるとかないとか。
『チャーメン』
肉の入った”もやし炒め”みたいなもので、そのチープな感じは安い酎ハイにとても合う。
「すんまへん!”豚王ぽ”てなんでこんな名前なんでっか!?」
「先輩!これ何でチャーメン言いはんの!?」
ここで言うイカの”先輩”とは店員のことなのだが、至近距離のイカの大声にもちゃんと答えてくれる優しい”先輩”達。
ある意味、その店のことが本当に知りたいならイカと飲みに行くのが一番いいのかも知れない。
ほどよく、赤羽に馴染んできた5人。
続いて3件目となる『丸健水産』へと向かった。
実はこの日、『丸健水産』へは既にに2回アタックしていたが、あまりにも並んでいたため断念して先に他の店を回っていたのだ。3回目のアタックにしてようやく席を確保できるという繁盛ぶり。
ここまで人気なのだったら”ファストパス”くらい出してもいいのではないだろうか。
カリスマジュンヤ以外の4人は初めて訪れる店で、どうやら飲み方にもそれなりの”ルール”があるようだが……。
待ちに待った名物のおでんと『丸眞正宗』のマルカップを頂く。
どのネタもじっくり煮込まれて、出汁で表面が少し”ふやけた”ネタを、男5人でハフハフしながら食べる。
至福としか言い様がない。
そして、『丸健水産』の代名詞とも言える『おでん出汁割り』を求めに店頭へ。
5人でマルカップを半分までグイっと飲み、そこへアツアツのおでん出汁を注ぎ、七味をふりかけると、丸健水産名物『おでん出汁割』の完成である。
もう一度乾杯をして、一口飲むと5人一斉に「うまいッ!」と揃った。
ブルッと冷え始めた外の空気とは裏腹に、温かい『出汁割り』は男たちのトークをさらに温め、ヒートアップさせていく。
「お父はん!一緒に飲みはりはりまへんかえ!?」
ここにきて”カリスマジュンヤ節”が炸裂する。
隣のテーブルに一人で飲んでいた”先輩客”にカリスマジュンヤが京都弁ではんなりと声を掛け、何故か同席しようということになった。
勿論、タケさんやシロウさんも”強制”だ。
その先輩も「おおそうかい?」と何の躊躇もなく受け入れてくれたのだ。
「オレはここに20年も通ってるんだ、ワッシャッシャ!」
「それより、前歯どうしたの?」
また私の”思わず口にする癖”が出てしまった。すかさず横にいたイカから無言でパンチが飛んでくる。
いや、きっと私も酔っていたし暗かったから”前歯が無いように見えた”だけだろう。
日本酒が入ってすっかり気持ちがよくなってしまった私は、この美味しい『おでん出汁割』がもう一杯飲みたくなったので店頭へ頼みに行く。
「ウチは酒1杯までだよ」
なるほど、これが例の”ルール”ってやつか。
「缶チューハイも駄目!?」と聞いてみたもののやはり駄目。どうしようかと考えていると、横でおでんを買っていた男女のカップルが声をかけてきた。
……しかしまあよく声をかけたり、かけられたりする集団だな。
「”おでん出汁割”すぐに飲みたいから、お兄さんマルカップ半分飲んでよ」
「いいんですか!?頂きます!」
と、張り切って3分の2を一気に飲んでお返しした。
そのカップルは「ジャガー横田」と「木下先生」夫妻に似ていて、少し話したが本人夫婦と同様、とても仲が良く微笑ましい2人だった。
ジャガー姉さん、マルカップありがとうございました。
撮影:ジャガー姉さん
これまでずいぶん飲んだと思っていたのだが、タケさんとシロウさんは全く酔っている様には見えなかった。
月並の表現ではあるが、さすが九州男児、さすが”火の国”の漢(おとこ)。
しかし、ここで帰してしまうのは酒場人情の義理を欠く。
イカが叫ぶ。
「十条の三忠食堂やッ!」
なるほど。私の地元を含め、地方では『食堂飲み』をやるイメージがあまりない。
『食堂飲み』の良さはなんといってもあの独特の雰囲気だ。
酒場にはない、あの家庭的な空間と豊富なメニュー。ラジオから流れるニュースを耳にしながら『週刊つりニュース』見てチビグラスに瓶ビールを注ぎ、ハムエッグなんかを食べる──。
是非ともこの雰囲気を2人に体験してもらうため、となり駅の十条へと急いだ。
4件目『三忠食堂』
ここは以前、イカと2人で来た事のある店だ。
鮮やかな青の品名、ゾッとするほどの深紅で値段を書いたメニュー札が壁一面に張られているのが特徴的。
家庭的な料理の小鉢が入ったショーケースと薄暗い照明。
一歩、店へ足を踏み入れれば誰もが皆、この店に魅せられるのだ。
魅せられたのはタケさんやシロウさんも例外ではない。
その証拠に、こちらの2人を見ていただきたい。
まるで『三忠食道』の専属モデルのような撮られっぷりである。
仮に”くまモン”が同じように撮ったとしても……いや、残念ながら”くまモン”に軍配があがるのだろう。
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長いようで短かった時間。
初対面でも男同士が4軒も飲み食いを共にすれば壁なんか無くなる。そこが”酒場”であればなおさらだ。
お互いの身内や地元の話、自分の持っている”ネタ話”など何でもありだ。
そうそう、この時も話してくれたのだが、イカの『姉の反抗期』と『男だけで料理した日』というタイトルの”家族ネタ話”は何度聞いても笑えるので、イカと飲むことがあれば是非聞いてみてほしい。
(今夜はこの店で”お披楽喜”であろう)という思いに、男達は焦らしながら酒を飲み干し、店を後にした。
『読者飲み』第1回。
ここでは書けない話も沢山あったものの、”大成功”のうちに幕を閉じた、 と言わせてもらう。
そして『タケさん』と『シロウさん』
本当にありがとうございました。
次は熊本で会いましょう。
丸健水産(まるけんすいさん)
住所: | 東京都北区赤羽1-22-8 |
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TEL: | 03-3901-6676 |
営業時間: | 10:00~21:00 |
定休日: | 第3水曜日 |