盛岡で

ドンフライ高山戦

ぐらいの壮絶な喧嘩をした

僕とユナちゃん

 

こんな結婚辞めたらぁぐらい

ヒートアップしたが

なんとかお互い歩み寄り

婚約破棄は回避

次のステップへ

 

ユナちゃんのご両親への挨拶は

終わっている

 

となると

その後は僕の両親への結婚報告

 

 

品川駅から

二人でのぞみに飛び乗った

 

 

 

 

このミッション

僕はへっちゃらだが

ユナちゃんはちょいと緊張気味

 

僕の実家の兵庫県西宮に行く前に

大阪で1軒寄りたいと

ユナちゃん

 

 

大阪で・・・？

 

 

 

 

新大阪駅から

梅田へ

 

 

 

 

やってきたのは

徳田酒店ホワイティうめだ

 

 

なぜ・・・？

 

 

 

 

うおっ！

 

酒場ナビ関西支部の女性陣っ！

 

 

なるへっ！

 

皆に僕の両親に会う際の

傾向と対策的なモンを聴く腹積もりですな

ユナちゃん

 

 

 

 

「案ずるより産むが易しやぁ～」

 

 

むっ！

 

アミちゃんっ！

 

 

 

 

「なんとかなるって～」

「そうかな」

「ドーンと構えときいや～」

「うんっ！そうするっ！」

 

 

ユナちゃん・・・

 

偉そうにアドバイスしてるけど

その娘たぶん独身・・・

 

 

まぁエエか

 

 

 

 

女性陣と別れを告げ

さぁ我が家へ

 

 

の前に・・・

 

 

「ココ寄ってくで」

「ココは？」

「阪神梅田駅の関所の・・・」

「関所・・・？」

「名物ミックスジュースやっ！」

「噂のっ！」

 

 

 

 

「うわっ！　美味しっ！」

「せやろ」

「シャリシャリと」

「クラッシュの氷とミキサーにかけんねん」

「だからこの食感が」

「大阪の不二家のミックスジュースはな・・・」

「うん」

「濃い目のミックジュース凍らせて・・・」

「うん」

「それと牛乳をミキサーに・・・」

「うん」

「かけるんですか？」

「聞くんかいっ！」

 

 

 

 

そんなこんなで

阪神電車のウチの最寄り駅へ

 

香櫨園こうろえん

 

 

 

 

我が家で僕らを待っていたのは

両親

それと

姉夫婦と姪っ子と甥っ子も

駆けつけていた

 

 

 

 

「ただいまぁ」

「お帰えりぃ」

「オカン　ユナちゃんや」

「ユナはん」

「初めまして　ユナです」

「東京からやろ　遠いところを」

「いえ」

「5日ぐらいかかったんちゃう　歩きやと」

「なんでやねんっ！　歩きちゃうわ」

「・・・競歩？」

「新幹線やっ！」

 

「オトン　ユナちゃん」

「おーん」

「初めまして　ユナです」

「ユナはん・・・」

「・・・はい」

「競歩やと3日ぐらいで着きまんのか？」

「もーえーわっ！　結婚しまっ」

「おめでとうさん」

 

 

 

 

父は

何かの節目のタイミングでは

エロくないほうの詩を吟じます

 

ガキの頃は詩吟ってなんやねん

と目を背けがちだったが

今見ると味あるな

 

 

筏津紀洋の詩吟

 

 

 

 

後はもう酒盛り

 

皆と馴染んでるユナちゃん

 

うん

 

案ずるより産むが易し

 

どっかの独身娘が言ってたな

 

 

 

 

「オカン　ほな行くわ」

「泊まってかへんのかいな」

「ちゃうねん　明日　朝遅いねん」

「そっかそっか・・・」

「・・・」

「って遅いんやったら泊ってかんかいっ！」

「ほんならー」

「ユナはん　よろしゅうに」

「よろしくお願いします」

 

 

 

 

ユナちゃんのご両親への挨拶と比べれば

容易すぎる任務を遂行し

宿のある新開地へ

 

 

 

 

1人だったら

結束バンド鍵ホテル

でも良かったが

ユナちゃんいるんで

違うホテルへチェックイン

 

 

そっから

ミッション達成の打ち上げへ

 

会場は・・・

 

 

 

 

赤ひげ

 

 

 

 

貝つぼ焼大谷

 

 

 

 

丸萬

 

 

でもなく・・・

 

 

 

 

座れて緊張感ゼロ酒場

赤ひげ姉妹店

 

 

 

 

上半身裸で呑んでても

おそらく怒られない酒場

赤ひげ姉妹店

 

 

 

 

「賑やかな家族なんだね」

「せやねん」

「姪っ子さんも甥っ子さんも」

「よう喋っとったな」

 

 

 

 

「昔　家族５人でな」

「お父サマ　お母サマ　お姉サマ・・・」

「と　今日おらんかった兄貴と」

「うん」

「縁側で柿かき食うててん」

「縁側・・・」

「今日の家やなく　昔住んでた」

「うん」

 

 

 

 

「縁側があって庭があって」

「うん」

「その向こうに家を囲む塀があって」

「うん」

「兄貴が急に柿のタネをやぁ」

「うん」

「塀に向かって投げだしてん」

「うん」

「そっから　みんな柿のタネ投げだして」

「うん」

「家族タネ投げ大会みたいになって」

「家族タネ投げ大会」

 

 

 

 

「オカンがな」

「うん」

「子供たち3人にな」

「うん」

「塀へい　超こえてみいっ！　って言うてん」

「ん」

「タネを　塀の向こうまで投げてみろって」

「うん」

「塀へい　超こえてみいっ　って聞いたオトンがや」

「うん」

「プー　って屁こいてん」

「ん」

 

 

 

 

「オカンが　間髪置かずにや」

「うん」

「屁こいてみぃやなく　塀へい　超こえてみいやっ」

「あは」

「って　ジェスチャーまじえてツッコんでん」

「あは」

「子供たち３人　転げるぐらい笑ってや」

「あはは」

 

 

 

 

「今まで　色んな面白いテレビ見たり」

「うん」

「色んな芸人のネタ見たり」

「うん」

「色んなハプニングの現場見てきたけど」

「うん」

「あん時が一番　笑ったんちゃうかな」

「うん」

 

 

 

 

「家族親戚やったり」

「うん」

「身内の安心感ってや」

「うん」

「面白い人たちが努力して作った面白いモノを」

「うん」

「超える力があると僕は思う」

「うん」

 

 

 

 

「まぁ　今後や・・・」

「うん」

「ユナちゃんと・・・」

「うん」

「ウチの家族タネ投げ大会を超える・・・」

「うん」

「笑いを・・・」

「うん」

「作れたらエエな」

「・・・聞かへんのかい」

 

 

 

 

 

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