山谷「日正カレーVSニューダイカマ」ドヤ街カツカレー対決
「ワイ カレーめっちゃ好きやないですかー」
カリスマジュンヤが
唐突に言ってきた
「えっ・・・? 知らんけど・・・」
「何言うてはりますのんな」
「はぁ・・・」
「京都のカレクックといえば ワイのことですやん」
「ジュンヤ 京都のどこ出身やったっけ・・・?」
「福知山でんがな」
「そこって 京都ちゃうよなぁ・・・」
「京都やっちゅうねんっ!!」
「福知山って韓国やなかったっけ・・・?」
「なんでやねん!! せめて岡山とか鳥取ぐらいにしときなはれ」
「めっちゃ好きなん ラーメンやなかったっけ・・・?」
「ラーメンも好きですわ」
「ジュンヤのインスタ ラーメンばっかりやん・・・」
「カレーも ぎょうさんありまんがな」
「せやったっけ・・・?」
「一番好きなんがカレーですねん」
「はぁ・・・」
「2番目がラーメンですねん」
「はぁ・・・」
「そして3番目が・・・」
「うん」
「ドヤ街でんねん!!」
「なんでやねん!! ジャンル全然ちゃうやんけ!!」
「山谷に 旨いカレー屋が2軒もあるらしいんですわ」
「ほう」
「ハシゴカレーいきましょや」
「・・・ええけど」
「ほんでシメに 神保町のまんてんいきましょや!!」
「・・・」
「南千住いきまっせーーー!!!」
「・・・」
まぁ
ジュンヤが
京都のカレクックかどうかは別として
ドヤ街の
美味しいカレー屋さんと聞けば
心が踊る
しかも
2軒も・・・
味比べしてみるのも
悪い趣味ではないだろう
日比谷線の南千住駅から
山谷名物のジブリハウス
いなりや
を 通り過ぎ
1軒目に訪れたのが・・・
ニューダイカマ
お隣に
焼きそばが魅力的な食堂
大釜本店
があるが
おそらく何らかのご関係があるのだろう
「イカはん いかにも洋食屋って感じでんな」
「うん どういうタイプのカレーなんやろか」
「真っ黄色のトロみのあるカレーちゃいまっか」
「まさかの グリーンカレーかもよ」
「まぁ なんでも ええんですけどね」
「そうなん?」
「カレーだけに ナンでも ええんですけどね」
「・・・」
「あっ すんまへん 言葉のスパイス効かせすぎてまいましたわ」
「・・・」
ゴキゲンな
ジュンヤと暖簾を押した・・・
店内は
L字のカウンターと
小さなテーブルが3つ
THE街洋食
ってムード満点
ご夫婦で
切り盛りなされてるみたいだ
まずは
ビールで喉を掃除する
メニューを見ると
カレー以外は
ミートソースとナポリタンぐらいしかない
カレーの店
と暖簾に書いてある通り
カレーへの自信が伝わってくる
メニューの少なさだ
「じゃあ カレーもらおか?」
と ジュンヤに尋ねると
「すんまへん カツカレー下さーい」
「ほう カツカレーにするんかいな」
「そりゃそうでしょ」
「なんでまた?」
「カツカレーは 男の元気のバロメーターですやん」
「ほう」
「後悔することのない 究極のガッツリ飯ですやん」
「ほうほう」
「欲張りを言うなら」
「なんや?」
「チキンとポークとビーフの3種類のカツが乗ったカツカレー食いたいですわ」
「おおっ!! そんなんあったらオモロイなっ!!」
「って ラズウェル細木先生が言うてましたわ」
「・・・自分の言葉のテンションで ・・・言うんやめてや」
カツカレー登場
ご飯とルーが
別に提供されるタイプのスタイルだ
この
魔法のランプの器が
またいい
「じゃあ 豪快に全部かけるで」
と 僕が器を持ち上げると
ジュンヤが
「待ったらんかーい!! 儀式がまだじゃーい!!」
「いや 何してんねん!!」
「カレクックの儀式やないですか」
「キン肉マンのかいな」
「これやると カレーが もっと旨くなるかもしれへん可能性が 無きにしも非ずっていう噂を 小耳に挟んだり挟まなかっ」
「やめちまえ!!」
豪快かつ繊細に
ルーをかけ
完成させる
茶色に黄色がかかって
なんて美しいのでしょう
カツをカレーに
なお泳がせ
衣にルーをシュませ
ご飯と一緒にスプーンで運び
その三位一体を
口の中で幸せに変え
通っていった喉を
ビールで洗い
ハフーっと息を吐く
上の写真は
そこまで想像させられる
1枚だ
井之頭五郎さんなら
こんなのがいいんだよ
と 放たれるだろう
いい意味での普通のカレー
カツが独特のやわらかさで
食感が面白い
うん
ニューダイカマのカツカレー
美味しい
幸せになる・・・
このカツカレーを
お手洗
と書かれた扉が開き
そこから出てきた人が
カウンターに置いてくれたのも
ちょっとビックリして
いい思い出になった
ニューダイカマを
後にして
向かった2軒目は
すぐお近くの・・・
日正カレー
以前お隣りに
日正タクシー
が あった時は
なんと
24時間営業をしていたという
すんごいカレー屋さんだ
「イカはん 金髪拒否酒場って知ってまっか?」
「金髪拒否酒場?」
「確実に営業中やのにですね」
「うん」
「入店してきた人間がですね」
「うん」
「金髪やったらですね」
「うん」
「今日はもう閉店だよー って その客断る店ありまんねん」
「そうなん・・・」
「ワイ 今まで何回も経験してまんねん」
「ホンマかいな・・・」
「実は 日正カレーでも 1回経験してまんねん」
「マジか・・・」
「今日はリベンジマッチですねん!!」
「気合入っとんな!!」
「・・・イカはん ・・・先入ってもらえまっか」
「・・・」
テーブルが
3つの味のある店内
特に
壁のメニューの
すがれ具合が素晴らしい
先客はおらず
恰幅のいい店主さんと
スグに目が合う
「すいません・・・ いけますか・・・?」
「いらっしゃい どうぞ~」
「ヒャッホーーイ!!」
リベンジを達成した
ジュンヤが雄叫びを上げている
ビールをお願いすると
これは嬉しい
枝豆も一緒に出して頂けた
「すんなり入れたやん」
「あん時は 店主さん悪魔に見えましたけど」
「悪魔て・・・」
「今は 大黒天様に見えますわ」
「七福神の・・・ ちょっと似てるしなぁ・・・」
「すんませーん カツカレー下さいっ!!」
カツがご飯の上に乗って
カレーをかけてあるタイプの
カツカレー
やはり
ビールと撮すと
口の中が幸せにならんばかりに
写真が映える
福神漬けの赤と
皿の日正の文字も
それを煽る
「ほんなら いただきマース」
「イカはん 何か忘れてまへんか?」
「えっ?」
「カレーを もっと旨くなせなあきませんでっしゃろ」
「えっ? えっ?」
「これで ええんか・・・」
「あっ 店主さん 申し訳ありません!!」
「えっ?」
「この人 出所したてでカツカレーの食べ方 忘れてしもたみたいなんです」
「えっ? えっ?」
「・・・イカはん あんま食べモンで遊んだらあきまへんで」
「・・・」
カレーは
ダイカマよりサラッとしたタイプ
スパイシーで深みのある
ニクいヤツ
具の豚肉も
ゴロゴロで嬉しい限り
そして
肉厚のカツが
めちゃめちゃ旨い!!
固めに仕上げられた衣の食感と
噛みごたえのある豚肉が
トンカツ食ってるわー
という満足感を
ビンビンに感じさせてくれる
これは
普通のカツだが
メニューには
上カツ
なんてのもありやがる
嗚呼・・・
宿題できてもうたなぁ・・・
帰り際
ジュンヤが店主さんに聞いた
「店主さん 僕 前にもココ来たことあるんですよ」
「ありがとうございます」
「そん時ね まだ15時ぐらいやったのに 閉店やー言われたんですけど」
「すいませんね ウチ材料がなくなったら 終わりにさせてもらってるんですよ」
「・・・」
「一人でやってるんで なかなか融通きかなくて・・・」
「・・・」
「すいませんでしたね・・・」
「こちらこそ 変なこと聞いてすいませんでしたーーー!!」
「また来てくださいませ・・・」
「はい!! 必ず!!」
笑顔で
日正カレーを後にした
ドヤ街カツカレー対決
日正カレーに軍配を上げたいと思います
カレーの味は好みだが
ニューダイカマより
日正カレーのほうが
呑み屋寄り
な 雰囲気なんですよね
日正カレー(にっしょうカレー)
住所: | 東京都台東区清川2-9-12 |
---|---|
TEL: | 03-3873-5810 |
営業時間: | 11:00~16:00 ワンオペのため完売にて早じまい |
定休日: | 日曜 |