大衆酒場や

特に大衆食堂でよく見かける

 

おかずの入ったショーケース

 

 

あれ好きやーー！！

 

 

好きすぎて

僕ら酒場ナビは

頭文字を取って

OHS（オーエイチエス）

なんて呼び名で

愛でている

 

 

煮物　揚げ物　焼き魚　炒めもの　お刺身

 

小鉢　小皿などに取り分けられた

おかず達

が　視界いっぱいに広がり

眺めているだけで幸せだ

 

OHSがある店は

ほぼ例外なく安い

 

好きなモノを好きなだけ取っていいという

王様感

に　浸ることができる

 

焼き魚と

ほうれん草の胡麻和えと

納豆

なんて

バランスを考えてもいいし

 

チキンカツと

唐揚げと

アジフライ

なんて

わがままな三品

をチョイスしても

誰にも怒られることはない

 

サラダの上にハムエッグをのっけたらどうだ

卵焼きの上にレバニラをぶっかけたら旨いんじゃないか

ちょいとアレンジしてみようかなんて

想像力も湧いてくる

 

 

 

OHS・・・

 

 

 

胸をトキメかせやがる・・・

 

 

 

 

先日

大阪の酒友と電話で話していた

 

 

「大阪でOHSのある酒場知らへん？」

「せやなぁ　一つパッと思いついたところあるけど・・・」

「教えて教えて」

「そこ　朝から昼ぐらいまでしか　やってへんねん・・・」

「かめへんよ　朝行くがな」

「でもなぁ・・・」

「もったいぶんなや　教えてーや」

「朝からアソコいったら　その一日終わってまうで・・・」

「どういうことやねん？」

「まぁ　いったらわかると思うけど・・・」

「教えて教えて」

「・・・胃袋は　・・・計画的にな」

「・・・？」

 

 

 

 

後日

灼熱の太陽の日

 

大阪に唯一走るチンチン電車

阪堺電車に乗って

寺地町

にやってきた

 

 

住所的には

堺市

 

大阪に６年住んでいた僕だが

この駅で降りるのは初めてだ

 

 

 

 

お目当ての店は

この駅から

歩いてスグだと聞いている

 

おそらく

あっちだろうな

と　歩みを進めると・・・

 

 

 

 

出たっ！！

 

ゲコ亭

 

トタンの壁に

これでもかとでっかく書かれた屋号

 

美しい・・・

 

蝶蝶を追いかけるかのように

店前に引き寄せられると

違和感

 

えっ・・・？

 

潰れてる・・・？

 

店内は物置のように散らかっている・・・

 

おじいさんの全身パネルなんかが置いてある・・・

 

営業している気配はない・・・

 

意気消沈していると

自転車から降りたお兄さんが

隣の建物に入っていくのが見えた

 

 

目をやると・・・

 

 

 

 

おおっ！！

ひらがなゲコ亭！！

 

営業してそうだ・・・

 

以前はあっちでやっていて

移転したのだろうか・・・？

 

まぁ　

一度は諦めかけた

ゲコ亭に入れると思うと

そんな疑問はスグに通り過ぎる

 

 

スキップしながら

暖簾を押した

 

 

 

 

店内は

テーブル席が沢山有り

奥にはオープンな調理場が広がり

思ってた以上の広い空間だ

 

 

早速

お目当ての

OHSを探すと・・・

 

 

 

 

あった

 

横長扉有り冷蔵タイプだ

 

 

 

 

ビールもココで冷やしてある

 

勝手に取って

後で店員さんがテーブルを見て

会計をしてくれるってな寸法だろう

 

 

 

 

冷奴に

じゃこおろし

 

 

 

 

お刺身に

ハモまでいらっしゃる

 

うーん

ハモって・・・

さすが関西・・・

などと感嘆するのだが

 

 

実は

入店してスグに

目に入ってきた光景が

気になりすぎていた・・・

 

 

 

 

キッチン前の

テーブルに・・・

 

 

 

 

うわっ！！

 

 

 

 

うわっ　うわっ！！

 

 

 

 

おかず祭りじゃーー！！

 

 

テーブルの上に

夢がモリモリ

 

ずっと見てられる・・・

 

そうか・・・

 

こういう陳列の仕方も

おかず達各々の個性が浮き出て

素晴らしい・・・

 

おかずの並んだテーブル・・・

 

ONT(オーエヌティー)

 

と　名付けよう

 

 

 

 

煮魚　エビフライ　肉じゃが

わー　選びかねますー

 

おでんもあって迷いに迷う

 

 

 

 

ワォ！！

 

お姉タマ

そんな目の前で

玉子焼かれたら

もらわんわけには

いきませんやん

 

 

嗚呼・・・

 

夢見心地です・・・

 

 

 

 

玉子焼と

焼き鮭を貰う

 

前のお客さんが

はなまるうどん形式に

トレイにおかずをのっけ

奥に進まれる

 

僕も

流れに続いてみると

店員さんに

 

「ごはんと味噌汁どないしますー？」

 

と　尋ねられた

 

 

 

 

えっ？

おひつ・・？

 

「お兄さん　ご飯と味噌汁どないしますー？」

 

間　を作ってしまった僕に

店員さんがもう一度聞いてこられる

 

「あっ　ビールもらうんで　とりあえずは・・・」

 

 

 

 

なるへ・・・

 

 

そういうことか・・・

 

 

 

 

玉子焼と鮭と

テーブルに運び

OHSからビールを持ってきて

一息

 

玉子焼が旨い

熟練された技術を味に感じる

 

鮭もいい

分厚い食べごたえのあるコイツが

いい塩加減で

 

 

 

いい塩加減で・・・

 

 

 

ご飯が欲しくなる・・・

 

 

 

周りを見渡すと

老いも若きも

ご飯をバクバクかっ食らってらっしゃる

 

女性の方でも大盛りでいってらっしゃる

 

 

銀シャリ屋

なんて屋号を見た時から

大体予想はついていた

 

 

ここ・・・

 

 

ご飯めっちゃうまい店なんやろなぁ・・・

 

 

事実

隣のお父様は

奥さんと思しき女性に

 

「ココは飯炊き仙人っ呼ばれてる人が　飯炊いててん」

 

などと

ご飯欲をマックスまで上昇させる

セリフを放ってらっしゃる

 

 

 

 

時刻は朝の９時

 

今日は７．８軒はハシゴするつもりだ

 

梯子酒に一番の大敵は

満腹感・・・

 

僕はお腹がいっぱいになると

お酒も欲さなくなる

 

そして外は４０度たるやの暑さ

 

 

どうしようか・・・

 

 

 

まぁ・・・

 

 

 

少しだけなら・・・

 

 

 

 

ご飯の小を貰ってみた

 

写真じゃわかりづらいが

一粒一粒が立っていて

旨そうだ

 

 

 

 

ご飯だけ一口いってみる・・・

 

美味しい

 

甘みがあって程よい硬さ

ご飯の温度もちょうどいい

 

アツアツの炊きたてより

ちょっと冷めたぐらいの

ご飯が好きな僕にはドンピシャだ

 

 

 

 

おかずをのっけて

バクバクいってみる

 

鮭とご飯を咀嚼してるところに

味噌汁で追っかける

 

鮭のしょっぱさで

ご飯の甘味が引き立つようだ

 

ご飯の量は小

 

あっという間に

平らげた・・・

 

 

 

 

ふと見ると

おにぎり

なんてヤツを見つけてしまう

 

先も述べたが

僕は冷めたご飯が好きでして・・・

 

 

あのご飯でのおにぎり・・・

 

 

 

 

我慢出来なかった・・・

 

 

喉が詰まりそうなぐらい

大きめにかじり

ムッシャムシャいき

半ば強引に流し込み

ビールで道を広げる

 

 

あー　

気持いいー

 

 

 

これは・・・

 

 

ご馳走だ・・・

 

 

 

 

ふう

食った

 

 

ちょっと苦しいが

一日が終わるぐらいの

満腹などではない

 

今日の

ハシゴ酒になんの支障もなし

 

お会計をしに

レジへ向かうと

店員のお姉サマが

 

 

「お兄ちゃん　美味しそうに食べてくれてたなぁ　はいプレゼント」

 

 

 

 

 

おにぎりを頂いた

 

 

忘れてた・・・

 

 

関西人の優しさを・・・

 

 

そういうことか・・・

 

 

うーん

食べたいけど・・・

 

 

夜

カリスマジュンヤと

合流する予定があるので

ヤツに譲るか・・・

 

 

 

 

食べたいけど・・・

 

 

 

 

 

 

店員のお姉サマ

有難う御座いました

 

 

 

 

皆様

 

魅力的なOHSの店

ご存知でしたら

教えて下さいませ