足利「ホクシンケン食堂」わた~らせ♪ば~しで♪見る夕日を~♪
去年の暮れ
中学時代の同窓会
があり参加したのだが
その際
旧友が懐かしいことを
話してくれた
「お前と一緒に 森高千里のコンサートいったよなぁ」
確かに行った・・・
中3の時だったか・・・?
包茎のガキ二人が
いっちょ前にチケットを購入し
大阪のどこかのホールに
森高千里を観に行った・・・
コンサートの内容は
全く覚えてないが
僕の中学時代は・・・
ファンクラブに入ろうかと
悩んでいたぐらい
森高千里に
魅せられていた事を
思い出した・・・
東武鉄道でえっちらおっちら
栃木県は足利市へやってきた
おっ
音鉄さんだろうか
長い棒につけられてある
録音機にたいなのを
スピーカーにあててらっしゃる
なるへ・・・
あしかがし駅の
電車の接近メロディは
渡良瀬橋なのか
駅から少し歩くと・・・
コイツがそうなのか
勝手なイメージで
千葉佐原の
みたいなのを思い浮かべていたが
予想に反して
とっても大きな橋だ
橋を通り過ぎると
あれか・・・?
お目当ての店が見えてきた
出たっ!!
ホクシンケン食堂
素晴らしい店構えだ・・・
ヒビの入った壁
煙突
スーパーカブ
そして
なんといっても
この看板
青地に
黄文字と白文字で
おいしい
ハンバーグ
ショウガ焼肉
色合いが
可愛くて仕方がない・・・
店名もまたいい
一文字足したら
北斗神拳
やないかいっ!!
と思わない人はいないだろう・・・
ケンシロウみたいなクールなマスターが
いらっしゃるのかしら・・・?
ラオウみたいな
強面の人やったら嫌やな・・・
緑色の
暖簾を押した
中に入ると
福耳の男の子が
正座でお出迎え
あっ!!
福助の人形か・・・
久々に見たな・・・
「いらっしゃ~い 好きなところ座って下さい」
ラオウどころか
リンが大人になったかのような
可愛らしいお姉サマが
むかえて下さった
好きなところ・・・
店内中央に
テーブルが2つ置いてあるのだが
右側を見てみると・・・
うわっ!!
激渋な椅子・・・
見たことはないが
大正時代の電車の座席って
こんなんじゃなかろうかってほどの
レトロ感・・・
ココが
僕の好きなところのようだ・・・
お酒あるよな・・・
うん
「すいません ビール下さい」
家から
3時間弱のちょい遠出
ココに来れたという
達成感も相まって
ビールが旨いっ!!
卓上の
メニューを眺めてみる
むむっ!!
うまく より安く みんなのお勝手番
なるキャッチコピーを発見!!
うーん
声に出して言いたい日本語だ
アイドルの自己紹介風に
うまく~ より安く~ みんなのお勝手番!!
ショウガ焼きはお任せっ
ホクシンケンでーーす!!
などと小声で言ってみる
「えっ? なんですか?」
と お姉サマ
「あっ あの ショウガ焼き単品で下さい!!」
「はーい」
ふう・・・
勢いで
生姜焼きになってしまったが
狂人が来た
と お姉サマに思われることは
なんとか回避で出来ただろうから
良しとしよう
「おまたせしましたー」
お姉サマが
ショウガ焼きを持ってきて下さった
わぁ
綺麗
なんとなく
漢の生姜焼き
みたいなワイルドなヤツが
出てくると想像していただけに
いい意味で裏切られた
バラ肉の薄切りタイプ
一口サイズにして頂けているので
ツマムのに丁度いい
おおっ!!
味付けしてある
タレが美味しい
ちょっとニンニクが
入ってるのだろう
甘じょっぱさに野性味があって
堪らない
このタレ・・・
一滴も残して成るものか・・・
井之頭五郎式
タレ染み込ませキャベセン
を こさえる
コイツも
旨いおツマミだ
野菜も多くて
あっというまに瓶が空に・・・
「すいませーん ビールもう一本下さい」
せっかくなんで
もう一品・・・
看板に書いてたハンバーグか・・・?
地のモノのソースカツ丼か・・・?
ココのチャーハン気になるなぁ・・・
いや・・・
アレが食べたい・・・
「すいません ラーメン下さい」
やっぱり・・・
これこれ・・・
サカペディア的に
と呼んでいるこんな感じのヤツ・・・
これが食べたかった・・・
醤油ベースのスープ
ナルト 海苔 メンマ ネギ チャーシュー
黄色いちぢれ麺
理想形だ・・・
麺を多めに持ち上げ
ズボズボッ
っと啜り上げる
佐藤栞里のごたる
麺を切ることなく
全て口中に収め
丼を持ち上げスープを啜る
レンゲを使わず飲むスープのほうが
絶対旨いっ!!
意図せず
流れ込んでくる
ネギが嬉しい
口の中の麺が
なくなりかけたところに
ビールで追っかける
このルーティーン・・・
令和になろうが
昭和のラーメンに
なんらブレること無し
これこれ・・・
「シューマイお土産でちょーだ~い」
ご近所さんだろう
お母様がお一人入ってこられた
「はいはいー」
「テレビ見たわよ~」
「やめてよー」
お姉サマとご近所さんの会話が
耳に入ってくる
どうやら
お姉サマがテレビに出たみたいだ
「お兄ちゃん 見た??」
お母様が僕に聞いてこられた
「えっ!! 見てないです!!」
「残念ねぇ」
「このお店がテレビに出たんですか?」
「この店というか 森高さんの特集でね」
「森高千里の・・・」
「歌碑行った?」
「かひ・・・? 行ってないです」
「橋のふもとに 渡良瀬橋が流れる石碑があるんだけどね」
「曲が流れるんですか?」
「そう ボタン押すとね」
「そんなんあるんですね」
「この人が押したところがテレビに映ったのよ」
「店員さんがですか?」
「・・・アタシその日ね」
「はい」
「お洒落して化粧もバッチリしてたのにね・・・」
「はい」
「放送見たらね・・・」
「はい」
「ボタン押す指しか映ってなかったの・・・」
「・・・無念ですね」
「あっ お姉サマ なんでホクシンケンって屋号なんですか?」
「この店の初代が東京でラーメンの屋台引いてたの」
「東京で?」
「その時 お客さんにつけてもらった名前なんだって」
「今は何代目でらっしゃるんですか?」
「アタシ達で3代目 大正8年からだって」
「凄いですね」
「お客さん遠くから来たの?」
「はい 東京から」
「森高さんのファンなの?」
「はい」
「一番好きな曲は何?」
「モチロン渡良瀬橋ですっ!!」
「近くに散髪屋の前の電話ボックスもあるわよ」
「あっ 歌詞に出てきてたっ!!」
「行ってみれば」
「ありがとうございます!! 行ってみます!!」
ホクシンケン食堂を
後にした
街を一通り回ってみて
渡良瀬橋に戻る
冷たい北風に吹かれながら
ずっと川の流れを見てみる・・・
なんとなく
橋の上から
今思ってることを
叫びたくなってくる・・・
人影もない・・・
やってみるか・・・
店員のお姉サマーー!!
ホントは
1番好きな曲は渡良瀬橋じゃなく
ですーーー!!
もっといえば
曲ではなく
あの衣装ですーーー!!
ホクシンケン食堂(ほくしんけんしょくどう)
住所: | 栃木県足利市通4-3505 |
---|---|
TEL: | 0284-21-2864 |
営業時間: | 11:30~20:00 |
定休日: | 水曜日 |