折尾「宮原酒店」北九州初上陸!! この酒場も後世に残したい
三年ぐらい前か
マツコ&有吉の怒り新党
の
新3大 調査会のコーナーで
後世に残したい3大角打ち
というのをやっていた
全国の角打ちを
長年取材してきた
ライターの人見和生さんが
選んだ3軒が
東京神田 藤田酒店
神奈川尻手 新川屋酒店
そして
北九州折尾の高橋酒店
関東の2軒はいったことがあるが
高橋酒店は未訪問だ
聖地北九州・・・
嗚呼・・・
酒場ムラムラが抑えられない・・・
10年ぶりに
飛行機に乗った
福岡空港から博多駅へ
そこから
特急ソニックに乗り換え
到着したのは
折尾駅
おそらく最近
改装されたのだろう
イメージしていたより
綺麗なホームだ
改札付近で
かしわ飯の
立ち売りをなさってる男性の
美声が心地いい
駅から少し歩くと
ゾクゾクする呑み屋小路
川っぺりに
この看板の並び・・・
に加えよう
超常現象
折尾ステーション
なる
気になる店を横目に
橋を通り過ぎ
しばし
高橋酒店の跡地・・・
やはり
開いてはない・・・
閉店したのは実は知っていた・・・
でも
実際いってみたら
情報がデタラメで
営業してるんじゃないか・・?
奇跡的にその日だけ
1日復活イベント
とかやってるんじゃないか・・・?
なんて淡い期待を
抱いていたが
あるはずもない夢
縁がなかった
という言葉では片付けられない
悔しさが襲いかかってくる
橋を渡り
住宅街を歩く
無造作に
瓶のケースが置いてある
お家の並びに
出たっ!!
宮原酒店
高橋はなくとも
宮原がある
だから
折尾に来たのだ
本当に届くのか?
手紙を入れるのが不安になるほど
渋いポストがお出迎え
ゾクッ・・・
僕の人生での
初北九州角打ち・・・
いざっ!!
うわぁぁぁ
コンクリの床
すがれたカウンター
ビールケースのテーブル
色あせたお酒のポスター
そこに
馴染みすぎている先輩方
時刻は15時過ぎ・・・
美しい・・・
アカン・・・
もう酔っ払ってきた・・・
お店を切り盛りされているのは
お母サマお一人みたいだ
「一杯いいですか・・・?」
「一杯でも百杯でも~」
北九州で初めて発した言葉を
否定されなくてよかった
冷蔵庫にいざなわれ
ココから好きなのをチョイスする
横に座っている
いや
生えてる
んじゃなかろうかという
どっしりなさってる
折尾の主
のような先輩に
気を使う使う
ラガーの瓶で
グラスがサントリーモルツという
他人グラス現象も
ココでは画になる
なにかツマミも・・・
缶詰 魚肉ソーセージ
サラミにカップ麺
なんかが置いてあり
冷奴やゆで玉子なんて
メニューも書いてある
おやっ!!
メニューの下に
カセットコンロに乗った
卵焼き器を発見っ!!
せっかくなんで
手作りのモノが嬉しい
だし巻き玉子とロースハムを
お願いした
ハムも玉子も
お母サマがビニールを剥いて
皿に置いて
出して下さった
既製品だとしても
旨いことには変わらない
宮原酒店の雰囲気なら
塩でもあれば事足りる
勝手に手作りのだし巻きが
出てくると決めつけていた
自分を恥じながら
ご馳走に舌鼓を打った
一息ついて
酒場ナビの掟
自撮りなんかしていると
「お兄ちゃん!!」
後ろから先輩の声がする・・・
その声は
先輩同士でお話されてるトーンではなく
明らかに
僕の背中に突き刺さっている
やってしまった・・・
パシャパシャ写真を撮ってる僕に
苛立ちを感じられたのだろう・・・
「お兄ちゃん!!」
「はいっ!! すいませんっ!!」
僕は八幡製鉄所で
燃やされてしまうのだろうか・・・
「そん帽子 西鉄ライオンズやなかと?」
北九州呑みに備えて
僕は
かつて福岡を本拠地としていた
西武ライオンズの前身
西鉄ライオンズの野球帽を購入していた
「はっ はいっ!!」
「西鉄好いとーと?」
「あっ あの リアルタイムでは知らないのですが」
「そうばいね」
「稲尾 仰木 豊田 中西太とかがいて 伝説チームだったんですよね」
「お兄ちゃん よかね 一緒に呑もうや」
生き延びれた・・・
野武士軍団ありがとう・・・・
奥の席に招かれ
輪に入れて頂く
「お兄ちゃん どっから来たんやい?」
「東京です」
「東京から来たと?」
「はいっ!!」
「きついやろう 歩いてきたんやったら」
「そうなんですよ~ 20日前に出発してやっと って歩きちゃいますよっ!!」
「ガハハハハ~」
おっ!!
いいスタートが切れている・・・
「先輩 何時から呑られてるんですか?」
「11時ばい」
「もう 4時間以上呑んでるやないすかっ!!」
「今日は1時間遅刻したんばい」
「そうなんですか」
「やけん いつもより 1時間延長して呑まなつまらんばい」
「そんなルールあるんですかっ?!」
「毎日 来られてるんですか?」
「開いとったら無欠席や」
「凄いですね」
「いつも 早い時間から呑られてるんですか?」
「今は 空いとーばってん」
「はい」
「もうちょっとしたら 客でギュウギュウになるっちゃん」
「はい」
「そん時 一番酔うとかな 負けた気分なるやろ」
「いや わかんないです その感情」
「勝ちたかっちゃん」
「自分を追い込みますね」
「鎧ば着たまま 呑みよーちゅう環境が ずっと続いてきたんばい」
「進次郎氏のような」
「呑んどらん時だけが 鎧ば脱いでよかばいばい」
「呑むん やめなはれ」
「ガハハハハーー!!」
「あっ 僕 なんかお酒取ってきます」
「よかよ これ飲みんしゃい」
つい何時間前は
東京に居たのに
今は北九州で
初対面の先輩のボトルを
頂戴している
皆様
こぼれんばかりに
人情味にあふれすぎている
なんて幸せなんだ・・・
宮原酒店
後世に残したい
「お兄ちゃん 今からどこいくと?」
「追い出されるまで ココにいたいんですけど」
「おっ」
「小倉いこか思てまして」
「どげんね」
「どっか いい酒場ご存知じゃないですか?」
「小倉やったら 平尾酒店がよかよ」
「井出商店に決まっとーばい」
「加来酒店も気に入っとーよ」
「アサヒ屋酒店の料理はうまかよ」
出るわ出るわ・・・
頼もしすぎる・・・
また
それらが全て角打ちってのが
ならではで嬉しい
「あっ よかもんあった これ持って行きんしゃい」
お母サマが
一冊のタウン誌を
僕に下さった
北九州文化
角打ちのすすめ
中には
北九州を中心に
下関 広島 関西 関東の
ざっと50軒の角打ちが掲載されていた
すごいアイテムを手に入れた・・・
ドラクエで言えば
奇跡の剣だ
「お母さん ありがとうございますっ!! 宝物ですっ!!」
次の日
この本がキッカケで
酒場が物凄く盛り上がるとは
この時は知る由もなかった
宮原酒店(みやはらさけてん)
住所: | 福岡県北九州市八幡西区東筑1-11-3 |
---|---|
TEL: | 093-691-0043 |
営業時間: | [月~土]10:00~21:00 [日曜、祝日]16:00~20:00 |
定休日: | お盆、年始 |