新宿「鳥茂」これが最強の女くどき飯だっ!!
新宿の鳥茂には
1度だけいったことがある
いや
あれをいったことがあると
言い切っていいのかは
いささか不安だ・・・
15年ぐらい前
酒友と二人で
今宵の酒場を探しながら
西口の呑み屋街を
プラプラしていた
どうにも
酒場センサーに反応する店がなく
「試しに 代々木のほういってみるか」
なんて交差点を渡ってすぐ
鳥茂
の 屋号の古びた看板を見つけた
「まぁ とりあえずココでええか」
なんて 軽い気持ちで
扉を開いた
年季は入っているが
清潔感のある店内を眺める
「雰囲気あって ええ店やなぁ」
なんて話していると
衝撃過ぎる情報が飛び込んできた
「串1本・・・ 1000円する・・・」
「嘘つけっ!! 100円の間違いやろっ!!」
「アカン どう見ても1000円って書いてあるわ・・・」
「1串の値段で 隣の吉牛3杯食えるやんけっ!!」
「どうする・・・?? 出るか??」
「値段見て出るて 恥ずかしすぎるやんけ・・・」
「せやな・・・ よっしゃ 比較的安いヤツ1本だけ食うぞ」
「えっ??」
「後は 小芝居でなんとかしよや」
「・・・なるほど」
「すいませーん まずはレバー1本ずつ下さーい」
僕らの前に
レアに仕上げられた
レバーが2本置かれた
「あっ!! これ豚やん!!」
「なんでもええけど旨そうやなぁ」
「なんやこれ!! めちゃめちゃ旨いやん!!」
「ホンマや!! 旨すぎてチビりそうや!!」
「・・・」
「他のも食いたいなぁ・・・」
「・・・」
「アカン!! 俺らにはまだ早いっ!!」
「金も無いしな・・・」
・・・
「あっ!! もしもーし!!」
「なんやねん電話かいな」
「はいっ!! すぐ向かいます!!」
「すいませーん お会計して下さい!!」
「すいません ちょっと緊急事態みたいで」
「今度 ゆっくり来ます!!」
「美味しかったです!! 急ぐぞっ!!」
「ご馳走様でした!! いくぞっ!!」
エアー呼び出し
の 茶番劇を演じ
鳥茂を飛び出した
あれから15年・・・
僕の中でずっと気になっていた・・・
そして先日
鳥茂を堪能するという
宿題を片付けに
豚の貯金箱を
カナヅチで殴った
鳥茂が
移転しているのは知っていた
以前の場所から
目と鼻の先だが
外観は高級感に溢れている
15年も
見て見ぬふりをしていたのは
そのせいもあるだろう
店内も以前より
いい店感
が漂っている
店員さんに
「1人で予約してるイカと申します」
と 告げ
カウンター席に案内して頂いた
よく見ると
1人客は僕だけだ
ちょっと
恥ずかしさが込み上げてきた
なぜなら
カウンター席はほぼほぼ
カップルで埋まっている
熟年夫婦や
おそらく同伴だろう二人など
男性は年配の方が多いが
よく見ると
ハタチそこそこのカップルもいる
「チクショウ・・・ あの男の家の前だけ大雪降れ・・・」
の
妬み嫉みの言葉を押し殺し
喉と心をビールで洗った
少し落ち着き
メニューを眺める
まぁ 知ってはいたが
相変わらず
いい値段
してらっしゃる
でも
15年前のように
動揺はしない
貯金箱を潰したという
自信もある
そして
鳥茂に何回も通っている
知人に聞いて
ちょいと予習もしてきた
知人いわく
この 6500円の
特選コースというのが
質 量 値段的に
ちょうどいいらしい
「特選コース下さいな」
いつも来てる感で
いっちょ前に注文した僕に
店員さんが返す刀で
「1500円プラスで ステーキにウニとキャビア乘せ出来ますけど?」
と 聞いてこられた
「えっ? あっ!! おねっ お願いしましゅっ!!」
そんな情報
知人から聞いてなかった・・・
ギリギリ動揺が
伝わってないと信じたい・・・
ハツと玉ねぎのポン酢和え
の お通しから始まり
串の最初は
ピーマン肉詰め
ピーマンを凌駕せんばかりに
お肉が主張して旨いっ!!
お次は
シロ
このシロが絶品!!
脂の味が
濃く甘く素晴らしい
飲み込むのが
もったいないと感じてしまう
これは
コメカミ
だったかしら
ジューシーかつ
歯ごたえがしっかりして
固い肉好きには堪らない
つくねも美味しい
1串ずつ
時間をかけて出てくるので
ベロがゼロに戻って
いちいち美味しい
そして
レバー
やっぱり旨いっ!!
コイツのせいで
15年も忘れられずにいた逸品・・・
今でも~ 忘れられぬレバー♪
甘くて~ 痺れるようなレバー食たー♪
桑田佳祐さんの曲を
ずっと替え歌にしていた日々だった・・・
ここで
出たっ!!
サーロインステーキの
ウニとキャビア乘せ
少量のご飯の上に
お肉とウニとキャビア
大きさ的に
お寿司感覚で
一口で食べるシロモノだろうが
もったいなくて そんなことする勇気はない
キャビアをちびり
ウニをちびり
これだけで
日本酒一升呑めそうだが
以前 ラズウェル細木さんの漫画で
贅沢な食材ばっかりで
太巻寿司をつくったら
めちゃめちゃ美味しかった
というエピソードを思い出し
ここは
いてまえっ!!
残りを一気に口に放り込む
旨いっ!!
それぞれが主張するが
ケンカすることなく
旨さが倍
さらに倍と広がっていく
ラズウェルさん
有難う御座います
あの漫画を読んでなかったら
一口でいく勇気が出なかったです
そして
なんと ココに来て
上シロ
序盤に
シロは食べたのに?・・・
終盤に来て
類似品をもう一度?・・・
旨いっ!!
シロは
飲み込むのが惜しかったが
上シロは なんなら
インプラント的に歯茎に埋め込み
終始舐めていたいぐらいだ・・・
流石
単品なら
1200円・・・
焼きは終わり
刺し達が
卵黄にまみれて登場
この
コブクロ刺しは
旨さの向こう側にある
エロさの
さらに向こう側にある旨さを
感じさせてくれる・・・
最後は雑炊
これも旨みが止まらない
喫茶店で
女の子と別れ話をしていてタ
「アンタなんてサイテー!!」
と
顔にかけられるのが
コップの水
ではなく
この雑炊だったら
嫌悪感と幸福感が同時にくるので
感情が複雑だ
宿題を片付けた・・・
隣に座っている
30代と思われる男性と
20代の女性の
カップルの会話が聞こえてくる
「アタシもうそろそろ終電だー」
「でも 後3品来るよ」
「明日早いしなー」
「でも 食べたいよね」
「うん 食べたいっ!!」
「じゃあ・・・ 今日ウチ泊まってく?・・・」
「えっ!! 何? 急に・・・」
「メリーに首ったけ のDVDあるよ・・・」
「えーー 買ってくれてたのー?」
「上シロって 歯茎に埋めたいぐらい美味しいらしいよ」
「そんなにー!! どうしようかな・・・ 」
鳥茂は
料理が出てくるのに少々時間がかかる
高崎 宇都宮 水戸
あたりにお住まいの女性の方
今度 ご一緒しませんか?
鳥茂(とりしげ)
住所: | 東京都渋谷区代々木2-6-5 |
---|---|
TEL: | 03-3379-5188 |
営業時間: | 17:00~翌1:00 |
定休日: | 日曜日 |