浦賀「さかえや」陸の孤島にある歴史ありそうな酒場ほぼ名店説 その2
品川から京急線に乗り
蒲田も川崎も横浜も
日の出町も横須賀中央も通り過ぎ
浦賀
にやってきた
理由は
最近の僕のマイブームになっている
陸の孤島酒場
に 呑りにいくこと
浦賀にも
駅から離れた場所に
古びた陸の孤島酒場が
あると聞いた
おそらく近所の人しか来ない
閉鎖的な
秘密基地
みたいな酒場だろう
それはそれで
望むところです・・・
駅から
バスもあるのだが
歩いて行ってみることにする
初めて訪れる街を歩く
コレも
陸の孤島酒場巡りの
魅力の一つだ
おっ!!
コレが噂の
浦賀ドックか
昨今の廃墟ブームで
見学できるタイミングがある時は
沢山の人が集まるらしい
この角度からでは
見れない全貌が気になる・・・
大きな通りから
住宅街に入っていく
道端に貝殻を並べてる
お家なんかがあったりする
なんとも微笑ましい光景
こんなのを見つけられるのも
陸の孤島酒場巡りの
魅力の一つだ
出たっ!!
さかえや
住宅街にポツンと佇むこの感じ・・・
すがれたコンクリの外壁と
看板の
居酒屋さかえや
の文字の可愛らしさが
アンバランスで素敵だ
駅から30分歩いてきた
ご褒美が目の前にある
うわっ!!
この縄暖簾の
存在感よ・・・
暖簾の域を通り越して
もはや
手延素麺
を作ってるのではないかと思わされる
さあ
開国
お願いしにいくか
店内は
コの字カウンターだけ
崔洋一監督似の
マスターがカウンター内に
座ってらっしゃる
「いらっしゃい 奥どうぞ」
マスターが
中尾彬ばりの美声で
僕をいざなって下さった
皆様
ホッピーを呑られているみたいなので
僕もそれを所望
氷は入っていない
いわゆる三冷
凍ったジョッキ越しの
ホッピーが美しい
「ゆっくり呑んで下さい 氷入ってないから きますよ」
と マスターが
ばりの美声で仰る
マスター・・・
渋いなぁ・・・
メニューを眺めてみる
場所柄
魚魚したラインナップと思いきや
そうではない
ハムエッグ
ポテトフライ
カツ煮
レバニラ
となんでもござれ
選びかねていると
お隣のご常連さんが
「お兄ちゃん 初めてだったら 煮込みいっときな」
と 教えて下さった
はて・・・
閉鎖的なはず・・・
いや 信じてはいけない・・・
よそ者へのキツイ仕打ちが
その煮込みかもしれない・・・
うわっ!!
ニンニクがガッツリ盛ってある
コイツは・・・
やられたぞ・・・
恐る恐る
箸で掴んで一口・・・
わぁ
上品な味付け
それでいて
歯を当てるだけで
ほろほろと崩れる
相当時間をかけて煮込んでるのだろう
コレめちゃくちゃ旨い
コクのある出汁に
ニンニクを溶かして
もう一口・・・
めちゃめちゃ旨い!!
これは・・・
ご馳走だ・・・
お隣を見ると
ご常連は
だろ
という表情をなさっている
むう・・・
開国お願いどころか・・・
なんてフレンドリーなんだ・・・
おそらくこの店・・・
何食べても美味しくて・・・
皆様 人当たりがいいのだろう・・・
ホッピーの次は
何を呑ろうか
むむっ!!
マスターに聞いてみよう
「しそサワーって バイスサワーですか? コダマの?」
「違うよ ホッピーのしそだよ」
「あっ 瓶見たいです」
出たっ!!
しそホッピーの瓶
ホッピーの烏龍茶と並び
あまりお目にかかれないヤツ
ラッキーエビスを見た気分だ
レモンホッピーはよく目にするので
この瓶に
独特色
の液体が入っているのが
違和感があって見とれてしまう
うん
バイスより
色が濃くてハンサムだ
コイツには
揚げ物を合わせるか
まぐろフライ
をチョイスしてみる
コイツも
いい面構えしてやがる
やはり旨い
火を通すと
淡白になりがちなマグロが
しっとりホクホク
としてやがる
量も多い
「うめえだろ ウチは隣で惣菜屋もやってるんだよ」
と マスター
自信満々の顔が
カッコいい
時間がたつに連れ
店が混み始めた
「なんでペリーは東京までいかずに 浦賀来たんですか?」
「船酔いで東京まで もたなかったんだよー」
「わっはっはっはー」
常連さん同士の
会話が盛り上がっている
日本酒を貰って
常連さんの会話に耳を傾ける
盗み聞き
ではない
勝手に入ってくるという
嬉しい悲鳴だ
「こないだ浦賀ドック見に行きましたよ」
「そういや開放してたなぁ」
「見たことありますか?」
「ねえんだよぉ」
「なんか良かったですよ」
「うおー 見た過ぎて心臓ドックドックしてきたぜ」
「上地雄輔って知ってっか?」
「松坂とバッテリー組んでた あの人ですか」
「そうだよ ガキの頃 ここらへんで遊んでたんだよ」
「へえ」
「可愛いヤツだったけど もっと可愛かったのがなぁ」
「はい」
「りょうすけ っていう弟がいたんだよ」
「へえ」
「二人で 野球帽被って走り回ってたなぁ」
「へえ」
「親父は市長だぜ」
「へえ」
コンビーフも
常連さんの会話もツマミになる
「お兄ちゃん」
「はっ はいっ!!」
先輩のお一人が僕に声をかけて下さった
「お兄ちゃん 叶神社の祭り来たことあるかい?」
「あっ ないです」
「すげえぜ 山車や神輿がめちゃめちゃ出てさ」
「そうなんですね」
「浦賀がさ」
「はい」
「ひっくり返るんだぜ」
「凄いすね 来たいです」
「9月にやるからおいでよ」
「はいっ!!」
「顔覚えとくよ その席も空けとくよ」
「ホンマですか!?」
「おう 俺は多分いないと思うけど」
「うそーーん!!」
「ぎゃははははーー!!」
やはりこの説
間違いなさそうだ
この空間にいる
店員さんもベテランも新人も
みんな笑顔だ
後ろ髪を引かれながら
さかえやを後にした
外に出ると
すっかり日が暮れていた
長居してしまってたんだな・・・
追浜あたりに
寄っていこうかと思ってたが
帰るとするか
今宵はさかえやの
余韻に浸っておこう
こちらもどうぞ
↓
さかえや(さかえや)
住所: | 神奈川県横須賀市西浦賀1-14-8 |
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TEL: | 046-841-2533 |
営業時間: | 17:00~21:00 |
定休日: | 日曜日 |