浦安??「やきとんかづさや」陸の孤島にある歴史ありそうな酒場ほぼ名店説 その3
地下鉄東西線
浦安駅
千葉県なのか・・・
浦安・・・
鉄筋家族ぐらいしか
ピンとこない
僕には馴染みのない駅
なぜ浦安に・・・?
そう
陸の孤島酒場
を目指すためだ
駅から
お目当ての店に向かい
歩みを進める
妨げるのは
ギンラギンラの太陽
たどり着いた時に
少々の疲労感があるぐらいが
ちょうどいい
夏 かかってこい
陸橋を上がると
旧江戸川を見下ろせる
船を見ると
なんだか癒やされる
こんなのも
陸の孤島酒場巡りの
魅力の一つだ
陸橋を降りると・・・
そこは住宅街
住所的には
東京都江戸川区東葛西
橋を渡って
東京に戻ってたのか
汗を拭いながら
おそらくこの辺という
場所についた
が・・・
それらしき店は見つからない
今来た道を戻り
キョロキョロしたりする
むむっ!!
こ れ か・・・?
これなのか・・・?
店というより
空き家ではなかろうか
という建物がポツンと・・・
正直
今にも潰れてしまいそうな
雰囲気だ
えっ?
道路より
低い場所に立ててある
大雨の時は
スグに床下浸水してしまわないか?
というかそもそも・・・
開いてないよな・・・
雨戸がガッツリ引かれている
おやっ!!
若干の隙間があり
そこを覗かせて頂くと・・・
炭がっ!!
これは・・・
少し待ってみるか・・・
10分
15分
待てど暮らせど
外観に変化はない
なるへ・・・
時折
こういう試練を与えて下さるのか・・・
望むところです
道程が長いほうが
ご褒美が素敵に見えるのは
知っている
そして
待つこと20分
時は来た
お店の女将さんであろう御婦人が
提灯を吊るし
雨戸を外し始めた
炭のところには
大将らしき男性の姿も見える
いざっ!!
「うわぁぁぁぁぁぁ~」
店内に入り
口からこぼれてしまった
なぜなら・・・
この感じに
魅せられてしまったからだ
江戸東京たてもの園の
のごたる雰囲気
いや
何かに例えるのが
失礼な気さえする
これを見て
うわぁ
と 声をこぼすな
というほうが難しい
東京に
まだこんな空間が残っていたのか・・・
素晴らしきかな・・・
時代遅れ・・・
黒光りしている
丸い木の椅子
何年選手なのだろう
ヒビ割れている様が
いじらしい
縁が丸くなったカウンター
軽くなでてみる・・・
文字通り
角が丸くなって優しい触り心地
スベスベだ・・・
こんな感触の乳房があったら・・・
いや
それはまた別の話か
うわっ!!
奥に猫ちゃんまでいらっしゃるっ!!
次から次へと
息つく暇もない・・・
の
真弓バース掛布岡田佐野だ・・・
お酒を貰って
一息つかなければ
もたない
お母サマに
ホッピーをお願いする
お母サマは
冷蔵庫から
焼酎の入った瓶を取り出し
コップになみなみと酌み
尚それをホッピーの入れたジョッキに注ぎ
カウンターに置いて下さった
中身とカウンターの色が
ほぼ同じでなんかいい
そして
僕の中でもう一つ
酎ハイやホッピーに氷の入ってない店名店説
というのもある
ここも同様で嬉しい
ゴックゴク
いって
火照った体と
興奮している心を和らげた
おつまみを
選ぶ余裕も出てきた
屋号の通り
もつ焼きのメニューが並んでいる
むむっ!!
見慣れない
ナンナンなる品を発見
どの部位かはわからないが
是非とも頂こう
お母サマに
注文をお願いしようとしたら
紙に書いてとのこと
まずは
ナンナンを含む
これぐらいで様子を見た
煮込みは白味噌仕立て
シロだけではなく
色んなモツがゴロゴロしている
旨いっ!!
濃厚かつ繊細な味付け
出汁をすすってホッピーもすする
ルーティーンがとまらない
モツの
多種多様な食感が楽しい
これは・・・
焼きモノも
きっとやってくれるぞ・・・
うわっ!!
一串一串が
デカイっ!!
特にこのシロ・・・
見た瞬間に僕は
「吸い込まれるーーー!!」
と 叫んでしまった
もつ焼きではなく
ラピュタの龍の巣と
見間違えてしまったからだ
今まで食べてきたシロを繋ぎ合わせたら
消防車のホースの長さぐらいにはなるだろう
というぐらい
シロを食べてきたが
明らか人生で一番のビッグサイズだ
大きなお口で
バクッと咥える
おおう
臭みなどなく旨みしかない
サイズ的に口から
なかなかなくならず
ガムじゃねえよ ミノだよ
状態になると思いきや
すぐ噛み切れる
素晴らしいシロだ
これがナンナン
部位的には
のどちんことのこと
コリコリに脂がのってて
これまた絶品
そして
何と言っても
このレバーが最高
大ぶりの若焼きが堪らない
四の五の語らないが
レバー好きの方には
是非とも食して頂きたい逸品だ
かづさや
旨い
ファンシーサワーなる
場違いな
ネーミングのお酒が気になり所望する
やはりお母サマは
冷蔵庫から焼酎の瓶を取り出し
謎の白濁した液体と混ぜて提供して下さった
ゆっくりとした時間が流れる
少しお母サマに話しかけてみた
「かづさや っていう屋号はどういう意味なんですか お名前とか?」
お母サマはその質問には答えず
「アンタ 浦安の人じゃないでしょ」
と 逆に僕に聞いてこられた
「はい 違います」
「アンタも 二度と来ないかもしれないねぇ」
僕は
このすごい角度からの切り返しに
どう反応していいか分からず
「えっ えっ?」
と 動揺するしかなかった
「よく来るんだよ ウチの何が珍しいのか 見物人みたいにな人が」
お母サマは続けた
「そういう人はさ 全然食べずにさ ずっと店内みてるだけなんだよ」
「・・・はい」
「二度と来ないね そういう人は」
「・・・はい」
「あら アンタはよく食べてるねぇ」
「あっ!! レバーとカシラ タレで下さいっ!!」
「あはは 調子いねぇ」
「お母サマ 美味しいです!!」
「おべんちゃらはいいよ」
「ホントに美味しいです」
「いいよ こっちは明日にでも店閉めようかと思ってんだよ」
「そんな 続けてほしいです」
「どうせ来ないだろ」
「絶対来ますよ」
「アンタが決めることじゃないだろ ほっといてくれよ」
お母サマの辛口は続く
店が混み出してきた
小学生であろうお子様を連れた
ご家族もいらっしゃる
お母サマは
「久しぶりー 何のジュース飲むんだい」
と 満面の笑みで接してらっしゃる
これは・・・
店閉める気は
なさそうだな
長っ尻も野暮だ
お母サマにお会計をお願いした
お釣りをもらうタイミングで
お母サマが
「先代が 千葉の上総出身だからなんだよ」
と 僕に言ってこられた
「えっ えっ?」
「アンタが聞いたんだろ なんで かづさや かって」
「あっ ありがとうございます」
「こちらこそね」
「あっ あの また来ます」
「待ってますね」
もう・・・
次は
ツンデレマニアの
味論と一緒に来るか
因みに
ファンシーサワーは
レモン味でした
浦賀「さかえや」陸の孤島にある歴史ありそうな酒場ほぼ名店説 その2
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かづさや(かづさや)
住所: | 東京都江戸川区東葛西4-56-6 |
---|---|
TEL: | 03-3686-1609 |
営業時間: | 17:30~20:30 |
定休日: | 日曜日・祝日 |