小村井「まあ姉」変な店名の酒場 お客さんも店員さんも変な人説
何気なく
Googleマップなんぞを動かしていると
ちょいと
気になる店名の酒場があった
ネットで調べてみたものの
ほとんど情報が得られない
情報が得られない・・・
実はこれが案外嬉しかったりする
全ては足を運んで感じてみなさい
と
使命を頂けた気がして・・・
東武亀戸線
小村井駅
下車したことあったっけか・・・?
うん
何年か前に
雑誌
散歩の達人
の特集で
小村井でオムライスを食べよう
という企画の記事を見て
ノリで来たことあったような・・・
改札を抜け
荒川のほうへ歩いていく
はなみずき通りを
軽く迷いながら
えっちらおっちら
京成八広駅との
中間に位置するぐらいの場所に
むむっ!!
あれなのか・・・?
ここだ・・・
まあねえ・・・?
まああね・・・?
この
何ともいえない
3文字の屋号に
とても
惹かれて
しまった
何と読むのか・・・?
どのような由来が・・・?
どんな人達が中に・・・?
暖簾をくぐるのが
疑問解決への一番の近道
いざっ!!
扉を開き
すぐ目に入ってくるのが
カウンター
先輩方が
ご機嫌でらっしゃる
左側には
最近は
あまり使われてなさそうな雰囲気の
小上がりがあり
右側には
色とりどりの
短冊メニューが煌々と輝いている
うん
至って普通の
大衆酒場といって
いいのではなかろ
「いらっしゃ~~い」
出たっ!!
あっ・・・
女将さんか・・・
「呑みもんは~?」
「あっ・・・ ビール下さい」
「あいよ~」
ふぅ・・・
女将さんの迫力に
たじろいでしまっ
「さっきまでドームいってたんだよ~」
出たっ!!
あっ・・・
お隣の先輩か・・・
「菅野が打たれちゃってさ~」
「あっ・・・ ソフトバンク戦でしたっけ」
「初回に4点はないよなぁ~」
のっけからの
距離の縮め方が凄い・・・
軽く
萎縮している僕がいる・・・
ビールで
して心を落ち着ける
この店ちょっと変わってるな・・・
と 肌で感じる
おつまみのメニューは
どんなだろう・・・?
揚げ物 焼き魚 お刺身
うん
まぁ
至って普通か・・・
おっ
初ガツオの文字発見っ!!
「すいません カツオ下さい」
うわっ!!
ミョウガの主張が凄いっ!!
カツオのお刺身というより
ミョウガと大葉のサラダ
カツオを敷いて
だ
よく知らないが
本場高知でも
こんなにミョウガは使わないのではないか・・・?
ただ
郷に入れば郷に従え
薬味もろとも
ポン酢にジャブジャブ泳がせ
一口
あっ!!
めちゃめちゃ旨い・・・
そもそもの
カツオが旨い上に
薬味の香り食感が
楽しくて仕方がない
ここ・・・
実は名店なのか・・・?
そう思うと
他のメニューも気になる
改めて
凝視してみると・・・
むむっ!!
ミョウガの文字が多い・・・
女将さん・・・
かつて
ミスみょうがガールグランプリ
とか受賞したことあるのだろうか・・・?
してないにしても
女将さんの
ミョウガに対する気持ちが伝わってくる・・・
「すいませんっ!! ミョウガ玉子焼きと焼酎ハイボール下さいっ!!」
ボールを啜りながら
ミョウガ玉子焼きを待つ・・・
まぁ
みじん切りのミョウガが
玉子焼きの中に入ってるヤツだろうな
なんて想像していると・・・
うおっ!!
想像を超えてきた・・・
薄焼き玉子の上に
縦に半分に切っただけの
ミョウガが敷き詰められている・・・
いやもう
ほぼミョウガそのものやん・・・
ただ・・・
郷に入れば・・・
柳川鍋よろしく
添えてある山椒をかけて
一口
ほぼミョウガそのものやんっ!!
今度
ミョウガの形をしたブロンズ像を作って
女将さんに渡に来よう
こんな
ファンキーなメニューに出会えて
幸せだ
おや
店の奥に
気になる看板がかけてある
女将さんも
オシゴトが一段落されてるようだ
話しかけても
ご迷惑ではないだろう
「お母サマ 店名って まあねえ でいいんですか?」
「そうだよぉ」
「なんで まあねえ っていうんですか?」
「アタシが まさこ って名前でね」
「なるほどですね」
「まあ姉まあ姉って呼ばれてたから 屋号にしちゃったよ」
「あの看板に もつ焼 って書いてますけど」
「昔は もつ焼きやってたんだけどね」
「やっぱり」
「焼き場の人が 亡くなっちゃってね」
「・・・そうなんですか」
「ウチは 生で部位 仕入れてたからね」
「はい」
「アレさばくの 大変でね」
「はい」
「そのタイミングで やめちゃったよ」
「何年前ぐらいですか?」
「15年前ぐらいかなぁ」
「・・・そうなんですね」
「ウチのモツは 旨かったよ~」
「へえ~」
「なんせ まだ温かいうちに届いてたからね」
「温かいって お肉がですか?」
「そうだよ 新鮮だったよ~」
「凄いですねっ!!」
「特にシビレが ほっぺた落ちたね」
「食べたかったです~~」
「ほら そこに焼き台が あったんだよ」
15年前なら
もう東京に住んでいた・・・
あの頃にもっとアンテナを張ってれば
食べれたかもしれない
まあ姉のもつ焼き・・・
いやまぁ
これもタイミングか
もつ焼きをやめたからこそ
ミョウガの魅力に
目覚められたかもだし・・・
ご婦人が1人
入って来られた
ご婦人は
持っていたビニール袋から
シュークリームを取り出し
初対面の僕に
「しーっ」
と言って
手渡して下さった
ご婦人は
僕の隣に座ると
自らもシュークリームを取り出し
堂々と
箸でカスタードだけほじって舐めながら
チューハイを啜り始めた
「しーっ」
に なんの意味があったのだろうか
と思いながら
「有り難うございますっ!! 頂きますっ!!」
と頂戴し
ボールとあわせた
ふと見渡すと
お客さん全員が
口の周りをクリームまみれにして
笑ってらっしゃる
なんて
微笑ましい光景でしょうか・・・
「アンタ帰るって腰上げてから 1時間経ってるじゃないの」
「40分ぐらいだよっ!!」
「変わりゃしないよ」
「じゃあ1時間と40分の違いについて じっくりと腰据えて」
「座んじゃないよ!!」
「ママ ボールもう一杯」
「ママ ゴルフボールぶつけてやって!!」
「ファーーーーーー!!」
「デカイ声出すんじゃないよっ!!」
テンポの良い会話が
心地いい
店を出ると
すっかり日が暮れていた
変な店名の酒場
お客さんも店員さんも変な人説
まあ姉に関しては・・・
変というか
ただただ楽しかったな
今のところは
説立証ならずということで・・・
まあ姉(まあねえ)
住所: | 東京都墨田区八広3-36-4 |
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TEL: | 03-3618-3327 |
営業時間: | 17:00~23:00 |
定休日: | 木曜日 |