静岡「伽羅」他 静岡で一番古いディープ酒場に引きずり込まれたっ!!
忘れ物を取りに行かなければ・・・
2年前
味論と静岡の青葉横丁へいった
↓
なんの下調べもぜず
ただ ノリ で訪れた静岡
何軒も梯子をし
楽しい酒の旅ではあったのだが
その記事を見てくれた方々から
色々ご意見を頂いたのが
青葉おでん街にはいかなかったの・・・?
2年前は
の直ぐ側に
青葉おでん街という
これまた魅力的な呑み屋小路があることに
気づいていなかった
うん
実際に来てみると
青葉横丁より
綺羅びやかで心躍る空間
ボーッと生きていては・・・
駄目だな
入り口付近で
写真を一枚
僕はさておき
この
明らかに素人離れした
写真を撮ってくれたのが
今回の助っ人
ヨシナガ君
だ
ヨシナガ君は
静岡在住のカメラマン
以前は
東京に住んでおり
僕がバイトしていた
まんが喫茶で出会い
酒友となった
何年か前に
生まれ育った静岡に戻り
今日は久々の再会
旅先に
知り合いがいる安心感
地元の呑り方も
当然知っている
心強いな
道を挟んで
両側に小さな酒場が
軒を並べている
都合20軒ぐらいか
どこに入るか選びかねるが
ゾクっ
とする屋号の暖簾に
目を奪われた
「しんこん・・・ であってるよな」
「ニューおんなうじにち とは読まんでしょう」
「・・・こっからやな」
足して80を超える
独身男二人は
新婚の扉を開いた
L字カウンターだけの
小さなお店
おでん鍋の
ほんわかとした湯気の香りに
鼻を刺激される
カウンターの上には
ちょっとしたお惣菜が並び
きびきびと動かれてる女将さんを含め
眺めがいい
まずは瓶ビール頂き
酒ゴングを鳴らす
そして
なんといっても
このおでん
全てが串に刺さってる様が
可愛らしい
ヨシナガ君がいるので
改めて
食べ方
を 教えてもらおう
「こっちじゃ 欲しいタネを勝手に自分で取るんです」
「わっ!! 勝手にスタイル大好きっ!!」
「そこにですね」
「うん」
「鍋で温めてある 味噌ダレをかけてですね」
「味噌ダレっ!! 顔にもかけてっ!!」
「ダシ粉 青のりをふりかけて完成です」
「ダシコシコシコッ!!」
東京でも味わえるようになった
昨今の静岡おでん
ただ
本場で雰囲気込みで食べると
幸せもまた一際だ
串のおかわりを・・・
なんて物色していると
「アンタ達 餃子食べないかい?」
と 女将さん
第42条
店員さんの勧めを断ることなかれ
「いただきますっ!!」
女将さん手作りの
絶品餃子をツマミながら
ちょいとお話を
「ママさん このお店 なんで新婚っていう屋号なんですか?」
「アタシも知らないんだよ」
「えっ??」
「おでん街は もう50年ぐらい歴史があるんだけどね」
「はい」
「各々の店 代々経営者は変わってもね」
「はい」
「お店の名前は 前のままでやってるところが多くてね」
「そうなんですね」
「アタシは4代目でね」
「はい」
「初代の人が 何故この名前にしたかは知らないのよ」
「そうなんですね」
「おそらく 初代の人が新婚の時 開店したか」
「はい」
「新婚ってお酒を 扱ってたんじゃないかしら」
「どっちかっぽいですね」
「ここの歴史 知りたいんだったらさ」
「はい」
「藤の家さんいってみれば」
「藤の家・・・?」
「この通りの 真ん中ぐらいにあるお店」
「そこは・・・?」
「青葉で一番古株の 女将さんがいるよ」
「ありがとうございますっ!! いってみますっ!!」
新婚を後にして
藤の家へ
青葉おでん街で
最古参の女将さん・・・
相当ご年配ではなかろうか・・・
興味津々で扉を開いた
「いらっしゃ~い」
優しそうな女将さんに
迎え入れて頂けた
思っていたより・・・
お若いな・・・
新婚同様
おでんの鍋が主張している
作り置きのフライなんかも並んでおり
こちらも旨そうだ
こちらでも
ビールを頂戴する
「寒い中ありがとねぇ~」
と お酌して下さる
女将さんの可愛らしさよ
こっちでもおでんを・・・
とも思ったが
黒はんぺんフライが
おいでおいでしていたので
まずはそちらを
ソースと衣と黒はんぺんが合わさり
絶妙な味わい
これ何本でもいけるヤツや・・・
結果
おかわりを繰り返し
藤の家で
おでんを食べることを
忘れてしまった・・・
「ママさん 藤の家さんは このおでん街で一番古いお店なんですか?」
接客の隙間に
お伺いしてみた
「うん・・・」
はて・・・?
さっきまで
流暢にお話して下さってた
女将さんの歯切れが悪い
すると・・・
「ママさんは 自分のこと聞かれるの 好きじゃないんだよ」
お隣で呑られていた
先輩に
そう話しかけられた
先輩は
相当酔っ払ってらっしゃる
ご様子だ
「そうなんですね」
「ママさんは リアカーでおでん売ってたんだぜー」
「リアカー・・・?」
「昔は ここらへんはリアカー屋台が ウジャウジャいてよー」
「はい」
「屋台が禁止になってしまってよー」
「はい」
「それで おでん街が造られたってことよー」
「そうなんですね」
「リアカー経験してんだぜ ママさん凄いだろー」
「凄いっす!!」
「・・・」
「・・・」
「アンタら時間あるかいっ!!?」
「えっ?」
「俺が もっと古い店連れてってやるよ」
「えっ? えっ?」
「静岡で一番古い店だっ!!」
「えっ? えっ? えっ?」
「ママお勘定!!」
「えっ? えっ? えっ? えっ?」
なんという展開だ・・・
ついさっきお会いした
ほとんど話もしてない先輩からのお誘い・・・
人柄もわからない・・・
怖い人の可能性だってある・・・
ぼったくりバーの客引きかもしれない・・・
「来るの来ないのどっちっ!!??」
と先輩
ヨシナガ君を見ると
任せる・・・
という目をしてる
もう一度先輩を凝視して・・・
よしっ!!
「お供させて頂きますっ!!」
襟付きのシャツ着てるし・・・
大丈夫やろう・・・
先輩の後をついていくと
ひょうたん横丁
という呑み屋街にたどり着いた
細い道を進んでいくと・・・
伽羅(きゃら)
というスナックに入っていかれた
後から続くと・・・
渋いっ!!
いきなり目に入ってくる
中世ヨーロッパ感
「いらっしゃ~い」
声の方を見ると・・・
渋いママさんっ!!
これは・・・
先輩の言ってる
静岡最古の店
ってのもうなずける
「ハイボールでいいなっ!!」
カウンターに座り
先輩のボトルを頂戴する
ハイボールを舐めていると・・・
なんと・・・
ママさんは
次次どんどんと
食べ物をカウンターに置かれていく
「えっ? えっ?」
と 動揺する僕たちに
ママさんが
「ウチはボトル入ってたら 3千円でいいからね」
と
「えっ どれだけ食べてもですかっ?」
「もちろん たくさん食べなさい」
しかも明朗会計・・・
素晴らしい酒場だ・・・
ヨシナガ君曰く
静岡であまり知られていないという
ちくわパンをツマミながら
先輩のお言葉を頂戴する
「ママは元芸者さんで この街の重鎮なんだよ」
「雰囲気バキバキに感じます」
「写真家のアラーキーっているだろ」
「存じ上げております」
「あれだけ美人ばっかり撮ってきたアラーキーにさ」
「はいっ!!」
「世の中で一番綺麗な女性だ と言わせた過去があるんだぞ」
「あっ 僕も今同じこと言おうとしてました」
「調子いいこといってんじゃねえよっ!!」
ママさんのお話を
もっと聞きたかったが
新幹線の時間が近づいてきた
伽羅
絶対また来よう
先輩
本当に有難う御座いました
「ヨシナガ君・・・ そろそろ・・・」
「・・・」
「・・・ヨシナガ君?」
「ボク・・・ もうちょっと呑っていきまっ!!」
後日聞いたところ
この後ヨシナガ君は先輩と
2軒ハシゴしたそうな
因みに
ヨシナガ君に
写真を撮ってもらいたい方いらっしゃいましたら
こちらから連絡してやって下さいませ
静岡はモチロン
出張もしてくれるみたいです
新婚(しんこん)
住所: | 静岡県静岡市葵区常磐町2-3-6 |
---|---|
TEL: | 054-252-3933 |