高円寺「赤天」東京三大激狭酒場 その1
20年前
関西から上京してきて時は
多少
東京の飲食店に驚かされた
マクドが深夜でも行列ができてるっ!!
24時間やってる酒場があるっ!!
豚まん買ってもカラシくれへんのっ!!
中でも一番
ド肝を抜かれた
のが
牛丼太郎
だった
住み始めた
高円寺(本当は野方だが)
で見つけた牛丼屋さん
並250円
の看板に目を奪われた
当時
関西にある牛丼屋さんは
400円は下らない値段で
並を提供していた
安すぎるやろ・・・
中を覗いてまた驚いた
皆
立って
牛丼をかっ喰らっている
立ち食いの牛丼屋さんなんてあるのか・・・
東京って・・・
エグいな・・・
200円の
納豆丼
なんてのまでありやがる
東京は物価が高い
なんて聞いていたが・・・
家賃以外はそうでもないな・・・
いい意味で裏切られた
牛丼は
僕が関西で食べてきた味より
少し
しょっぱめ
ただ
その安さゆえ
リアルに週5は通っていた
そうなると
もはや主食といっていい
存在になっていた
ただ・・・
高円寺店 野方店 中野店
と次々に閉店
現在は
丼太郎
という業態で茗荷谷に1店舗あるのみ
僕の中で
すっかり遠のいてしまった
牛丼太郎だが
あの時の
カルチャーショックは
今でも覚えている
そんな高円寺に
もう1店舗
ド肝を抜かれた店がある
庚申通り商店街を
北へ北へ進み・・・
早稲田通りに出る
一歩手前にある・・・
赤天
高円寺北に住んでいる
誰しもが
気になってる
であろう餃子屋さんだ
テイクアウトもやっているので
買って帰ったことのある方は
大勢いると思う
しかし・・・
店内で呑みながら
って方は
少数なのではなかろうか・・・
ココに来るのは
15年ぶりぐらいだ
初めて入った時は
勇気がいった
持ち帰りの窓から
店内の様子がわかる
常連さんだろう
笑い声が聞こえまくる
恐恐
扉を開き
たじろいだ
激狭やんっ!!
幅2メートル強の
カウンターのみ
カウンターと壁の距離も
ほとんどなく
新しいお客さんは
先客に体を前に移動させてもらわないと
入店できない程だ
一応椅子は
5脚置いてあるが
4人も座ればもうギュウギュウ
この
閉鎖的でカオスな雰囲気が
店外に漏れているのだから・・・
非常に入りにくいのは
お分かり頂けるだろう
とは言うものの
いざ入店してしまえば
優しいマスターがお出迎えしてくれる
マスター・・・
久々に
お見受けしましたが
相変わらずの菩薩感ですね・・・
コーラの冷蔵庫が懐かしい
ビールをお願いすると・・・
瓶ビールを取り出し
自販機の栓抜きで
ノールックで抜いて下さる
職人芸だ
のビールで喉を掃除しながら
品書きに目をやる
と言っても・・・
メニューは
餃子とビールだけ
ライスも置いてない
この
頑ななスタイル
も変わってないな
すなわち
座った時点で
2人前の餃子が
提供されるってことになる
卓上の
特製味噌を・・・
皿に取り
酢 醤油 ラー油など
お好みで合わせ
餃子ダレをこしらえながら
焼けるのを待つ
出たっ!!
15年ぶりの
赤天の餃子
皮からマスターの手作りの
コイツが旨そうで旨そうで
美人だ・・・
この美しい焦げ目はどうだ・・・
僕は
水餃子より圧倒的に
焼き餃子が好きだ
その理由は間違いなく
この焦げ目
この茶色が
今から感じる
パリパリッ モチモチ ジュンワー
を想像させてくれる
赤天の餃子は少し小さめ
焦げてない方の面を
タレにつけて
かじることなく丸ごと口中へ
まず熱さが口いっぱいに広がり
味噌の風味が
鼻へ通り抜ける
歯を入れると
サクッという心地いい食感に続き
餡の香り旨味が
体中に染み渡る
旨いっ!!
箸が止まらないっ!!
口の中の餃子が
まだ
なくならないうちから
次の餃子をタレにつけてしまっている
永遠に食えるヤツや・・・
しかも王将より安い・・・
最高やな・・・
そして
赤天の魅力は
餃子の味だけではない
マスターの
トーク回し
が絶品なのだ
店の狭さが故に
一つのテーマを
店中皆で話をする感じになる
マスターは
お客さんの話を全て聞いて
それを否定しない返しで
トークを進められる
これは
喋ってるほうは気持ちがいい
人を傷つけることのない
言い回しと言葉選びで
お客さんを
ノセて
らっしゃる
喋ってない人がいれば
違和感なくその人にフッて
退屈なお客さんをつくらない
おそらく
赤天の常連さん達・・・
餃子なくても・・・
ココに通われるだろうな・・・
それにしても・・・
餃子とビールだけで
長年店を経営するって
よく考えたらスゴイことだな・・・
酔いもまわり
僕もマスターに
話しかけさせて頂いた
「マスター このお店は何年ぐらいやられてるんですか・・・?」
「もう40年以上だね」
「40年っ!! お休みって週1ですか?」
「そうだね」
「となると 盆と正月休んでも・・・」
「・・・」
「年300日ぐらいは 餃子作ってらっしゃるんですね」
「そういうことになるよね」
「ってことは・・・ 40✕300で・・・」
「・・・」
「12000日ですねっ!!」
「・・・」
「1日で何個ぐらいつくるんですか?」
「・・・」
「100個でも 今まで12万個作ってきたってことになりますよね」
「・・・」
「100個以上ですか? 150 200いきますかっ??」
「お客さん・・・」
「はいっ!!」
「・・・隣のお客さんが帰ったら 教えてあげるね」
「えっ?」
「この方・・・ 税務署の職員なんだよ・・・」
しっ・・・
失礼致しました・・・
追加した餃子は
ちと焦げ目が強めだった
焦げ目好きの
僕としては
美味しく頂けたのだが
帰り際
「ちょっと黒くてゴメンね これお土産」
高円寺の
呑兵衛の皆様
気になるあの扉・・・
開いてみると楽しいですよ
激狭酒場ご存知でしたら
教えて下さいませ
ご情報
お待ち申し上げております
赤天(あかてん)
住所: | 東京都杉並区高円寺北2-41-16 |
---|---|
TEL: | 03-3338-0053 |
営業時間: | 18:30~21:00 |
定休日: | 水曜日 |