南千住「きぬ川」魔法の言葉
「お前なにガン飛ばしてんだよ!!」
「えっ いや違います 知り合いに似てたもんで」
「なんだと なめてんのかよ」
「いや すいません」
「ちょっと こっち来いよ」
「まぁまぁまぁ ホントすいません」
「逃げようとすんじゃねぇよ」
「まぁまぁまぁまぁまぁーーー」
「もう終電もないし俺ん家おいでや」
「えー 絶対なんかするでしょー」
「なんもせへんて まぁまぁまぁ」
「えーー」
「まぁまぁまぁ チワワおるで」
「えーーー 明日朝早いしー」
「まぁまぁまぁまぁまぁーーー」
皆様もよくお使いだろう
「まぁまぁまぁ」
という言葉
ピンチを回避したり女の子を口説いたりできる
魔法の言葉
だ
意味的には・・・
ここはひとつ
納得しといてくれませんか
ってな感じか
きぬ川
という大衆食堂にやってきた
ご存知の方も多いだろうがここは
漫画
孤独のグルメ
の第一話のモデルになった店だ
朝しかやってないという情報を元に
6時に南千住に到着
一軒寄った後
きぬ川に足を運んだ
やってる!!
ちょっとドキドキしながら暖簾を押した
テーブルが4つの小さな店だ
先客は3人
独特の雰囲気をかもし出した方々だ
ここは
とでも言っておこうか
テーブルは
4つのうち3つは四人掛けなのだが
そのうちのひとつに
おかずのたくさん入ったショーケースが
置いてある
好きやーー!!
ここの中から
好きなモンをいくつでも食べていいのだ
眺めているだけで幸せだ
ポケット詰め込んでこのまま連れ去りたい
その横に
特殊先輩が座り食事中
先輩!!
特等席
ですね
ホールを切り盛りするのは
70代と50代と思われる
お姉サマが二人
厨房には
40代の男性がいる模様
70代の大オネエは
客が入ってきても
お喋りに夢中でほったらかし
かと思えば
いきなり食事中の客の席の下を
掃き掃除するわ
自由すぎる・・・
早速ビールを注文
大オネエがもって来てくれた
ラガーの大瓶だ
喉をビールで掃除して
改めて店内を見渡す
ちょっとしたメニューは
壁に張ってあるのだが
ビールの値段が分からない
まぁいいか・・・
高くても700円ぐらいやろ・・・
さぁ待望の
お刺身 煮魚 焼き魚 ハムエッグ オムレツ
どれも旨そうだ
んっ?
これって??
うなぎ!!
他のお惣菜に紛れて
明らかにうなぎの蒲焼が置いてある
昨今の値段の高騰から考えれば
失礼ながら
この店には不釣合いな高級食材だ
ホンマにうなぎやろか・・・
「すいません これ何ですか?」
「うなぎですよー」
やはりっ!!
お姉サマ疑ってすいません
「うなぎ下さい!!」
チンされた
うなぎが僕の目の前に置かれた
デカイッ!!
例えは悪いが
ぐらいの大きさはあるっ!!
箸で小さくし口に運ぶ
うまいっ!!
牛丼屋で食べる
うなぎなんか比べモンにならない
どっから仕入れているのだろう・・・
濃厚なうなぎを
頬張りビールで流し込む
あっという間にたいらげた
朝7時に山谷でうなぎとビール
至福~~
などと干渉に浸っていたのだが
一抹の不安がよぎった
このうなぎ値段幾らやろう・・
ちょっとしたうなぎ屋だったら
平気で3000円とか
いきそうな味と大きさ・・・
もしかしたら山谷トラップで
メチャメチャ高い金額を
請求されたりするのかも・・・
恐る恐る
「お会計して下さい・・」
大オネエは僕のテーブルを見ながら
「ビールとうなぎね・・
・・・1000円でいいよ」
えーーーー!!
安ーーーー!!
なんでこんな安いんやっ!!
僕はたくさん質問してしまった
「でいいよ って何ですか?」
「えっ ビールが幾らでうなぎが幾らなんですか?」
「内訳教えて下さい!!」
「どっから仕入れてるんですか?」
「そもそも値段って決まってるんですかーーー??」
「もしかしたら うなぎに見せかけたブルーギルですかっ!!」
大オネエは苦笑いをしながら
僕にこう言った
「まぁまぁまぁまぁ・・・」
ここはひとつ
納得しときますか・・・
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↓
【閉店】きぬ川(きぬかわ)
住所: | 東京都台東区日本堤1-40-2 |
---|---|
営業時間: | 6:00~10:30頃 |
定休日: | 不定休 |