前略

がりぱん様

 

みんなの行って欲しい酒場に

ご情報頂き

ありがとうございます

 

 

 

 

金町からも

八潮からも

北綾瀬からも遠い陸の孤島

葛飾区水元

 

生まれて初めて来ましたが

ファンキーなお肉屋さんがあるんですね

 

 

 

 

あなた様が

気になっていたという酒場

ユーチャン

 

目の前まで来て

入ることに

躊躇しております

 

 

 

 

プランナーの木々に元気はなく

2階の窓ガラスは

戦時中仕様

 

 

入ることに

おじけついております

 

 

 

 

看板の

チ

の部分は剥がれております

 

通信養育の

ユーキャンの

本部と間違えられてないか

心配です

 

 

 

 

置き看板は

可愛らしいんですね

 

もつ焼きに生ビール

 

ゴクリです

 

 

 

 

暖簾をくぐるのに

たじろいでしまいますが

ソレを乗り越える

おまじない

があるのをご存じですか？

 

手の平に

ユーチャン

と書いて飲み込むんです

 

スラスラ

 

ゴックン

 

足の震えが止まりました

 

 

 

 

「あら　何もないけどいい？」

 

開口一番

僕にそう仰ったのは女将さん

 

「はい　一杯だけいけますか？」

「いらっしゃい」

 

 

店内カオスです

 

 

 

 

雑多雑多ざったざったと・・・

 

吉武酒店というよりは

家谷酒店に

さも似たりです

 

猫ちゃん居ても

おかしくなさそうな雰・・

 

 

 

 

いました

 

グレーなお色の

美人ちゃんです

 

 

 

 

「ママさん　猫ちゃんお名前なんと？」

「たから　っていうの」

「タカラちゃん」

「人見知りしないのよ」

 

 

 

 

「うわっ　ホンマや」

 

 

がりぱん様

 

猫ちゃんお好きなら幸いです

 

 

 

 

「ビールありますか？」

「生無くてね　瓶でいい？」

「ありがたき幸せであります」

 

 

 

 

「もつ焼きは・・・？」

「もう　やめちゃったのよ」

「そうなんですね」

「玉子茹でてるから」

「ありがとうございます」

 

 

 

 

「お姉サマ　もうココは　どのくらいですか？」

「55年ぐらいね」

「長いですね」

「近々　この建物取り壊しだけどね」

「えっ？」

 

 

 

 

がりぱん様

事件です

 

おそらく

今月いっぱいぐらいで

この空間は無くなる模様です

 

 

お伺い予定ございましたら

お早目のほうがよろしいかと

 

 

 

 

「閉店しちゃうんですか？」

「細々とだけどね　まだやるよ」

「場所決まってるんですか？」

「・・・うん」

「どこなんですか？」

「・・・もう　看板も出さないでね」

「えっ」

「お友達だけ呼んで　ひっそりとやるのよ」

「そうなんですね」

「・・・」

「・・・」

 

 

 

 

「ママ　電話番号交換しません？」

「いいよ」

「ありがとうございます」

「あはは　イカちゃんね」

「ご迷惑でなければ　新店舗行かせて下さい」

「あはは　電話して」

 

 

 

 

「ニャーニャー　グゥーー」

「たから　ココで寝るか？」

「ニャーー」

 

 

 

 

間に合いました

 

 

 

 

こちらのカオス酒場もどうぞ

↓

「家谷酒店」VS「吉武酒店」日本ボロ角打ち紀行　創業昭和元年対決