「家谷酒店」VS「吉武酒店」日本ボロ角打ち紀行 創業昭和元年対決
ボロ角打ち
それは決して悪口ではない
歴史的価値のある古い角打ちから
驚くような安い角打ちまでをひっくるめ
愛情を込めて
ボロ角打ち
と呼ぶのである
と
よろしくお送りする今回
渋さの向こう側角打ちを
2軒ほど
先ずは
三河島の
住宅街の路地裏にある・・・
家谷酒店っ!!
雰囲気バキバキの外観だ・・・
入るのはいいが
出て来る時に
頭が蜘蛛の巣だらけになってないだろうか・・・
おっ
おあつらえ向きというか
対面は銭湯だ
その足で飛び込もう
いえたに酒店でいいんだな・・・
いざっ!!
ウホッ!!
アベシッ!!
ヒデブッ!!
タワバッ!!
香ばしいぜっ!!
片づける
という概念は人それぞれだろうが
ハッキリと
散らかっている
と断言していい店内
見とれてしまう・・・
山崎・・・
雑に・・・
痺れるぜ・・・
AXIAのカセットテープ・・・
35年ぐらい前のモノだろう・・・
何が録音されてるのだろうか・・・?
TOM★CATとかかな・・・?
聴きたい
「いらっしゃ~い」
「わっ 出たっ!!」
「出たってなんだよ~」
「あっ マスター 呑めますか?」
「そこのヤツならスグに~」
「ありがとうございます」
いきなりのマスターの出現に
一瞬血の気が引いたが
優しそうな方で安心
缶ビールを頂こう
ツマミは・・・
缶詰か・・・
ポテチか・・・
あっ
さきいか
発見
コイツで決まりだ
噛めば噛むほどの
この旨味
ずっと口に入れときたい
そして
コレを食べる度いつも願う
関西では当たり前だった
するめの天ぷらが
東京でも当たり前になりますようにと
「ウチ結構 本に載ってるんだよ~」
「マタタビ酒場ってことは 猫ちゃんが」
「もういないけどね~」
「3匹もいたんですね」
「3・4年前の写真だけど~」
「うわっ マスターかっこいい」
「海外のプロカメラマンに撮ってもらって~」
「素敵です」
「もっと昔の写真もあるよ~」
「チビちゃんがマスターですか?」
「そうだよ~」
「下のお姉サマの髪型っ!!」
「これ夏休みに 疎開先から戻った時の~」
「疎開っ!! どちらに?」
「石川県にね~」
「お姉サマの髪型っ!!」
「その姉は 東映のニューフェイスになったんだよ~」
「綺麗ッ!! 役者さんにっ!!」
「3期だから 里見浩太朗と同期っつってた~」
「リーガルハイッ!!」
昭和元年創業というから
100年弱
営業してるということになる
マスターは2代目
家業を継ぐのを嫌がる長男に
手をついた頼まれ
酒屋になることを承諾したそうな
マスターのご子息は
おそらく継がれないとのこと
間に合った
2軒目は福岡県
博多のお近く
呉服町に佇む・・・
吉武酒店っ!!
その外観
渋さを通り越して
もはや煌びやかにつき
美しい
褐色の格子に
ホーロー看板の色合いが堪らない
悪い店ない説は
僕の持論
酒は吉武
自信しかない
キャッチコピーだ
薄暗い店内が
している
いざっ!!
ウホッ!!
アベシッ!!
ヒデブッ!!
タワバッ!!
香ばしいぜっ!!
何色と言えばいい
棚や天井は
セピア色を通り越した
黒寄りの茶色
そこに
商品や商品でないモノたちが
雑多雑多と
探せば
西鉄ライオンズの
デットストック野球帽とか
見つかるんじゃないかしら
お若い秋吉久美子様っ!!
ドラマとんぼで長渕剛に
「どうだ 気持ちいだろ」
と囁かれながら
乳を揉みしだかれているシーンでは
お世話になりました
「いらっしゃ~い」
「わっ 出たっ!!」
「出たっちゃなんばい~」
「あっ 女将さん 呑めますか?」
「そこんヤツならスグに~」
「ありがとうございます」
いきなりの女将さんの出現に
一瞬血の気が引いたが
優しそうな方で安心
缶チューハイを頂こう
ツマミは・・・
おやっ??
カワイテナイモノ
もあるぞ
「女将さん この揚げ物貰っていいですか?」
「よかよ~ 皿に移すね」
まさか
この環境でコロッケとメンチカツを
ツマめるとは思いもしなかった
というか
雑多雑多の中からコイツらを
発掘した
自分を褒めてあげたい
いかんっ!!
店内の茶色と
ソースをジャブジャブにかけた
茶色いメンチが同じ色
気を抜いてると
メンチを見失ってしまいそうだ
少し
大袈裟だが
「天井高いですね」
「こん建物 釘ば1本も使うとらんとよ」
「あっ その方が地震とかに強いんですよね」
「通常ん3倍ん木材ば使うとーとばい」
「シャア専用角打ちですね」
「なんやって?」
「独り言です」
「有形文化財とかに 登録されそうですよね」
「お話あったっちゃけど」
「はいっ!!」
「そげん 上品なモノでもなかけんね」
「えっ?」
「断ってしもうた」
「立ちションでけへん って言うた福本豊ですね」
「なんやって?」
「独り言です」
「博多では 一杯のことを いっぴや~ って言うんですね」
「そうやなあ」
「ぱい が ぴや~ ですか?」
「そうやなあ」
「じゃあ オッパイは オッピヤ~ ですね」
「なんやって?」
「チンチロリン ピヤ~のピヤ~のピヤ~」
「なんやって?」
「独り言です」
奇しくも
家谷酒店と同じ
昭和元年創業
女将さんは
やはり2代目でイワ子さんというお名前
「戦後すぐは 明治通りから浜側は焼け野原やったばい」
と シリアスに呟かれたと思えば
「こん間 前川清来たっちゃん」
と キャッキャされてる
女将さんのご子息は
おそらく継がれないとのこと
間に合った
家谷酒店の動画をどうぞ
↓
家谷酒店(いえたにさけてん)
住所: | 東京都荒川区東日暮里3-12-13 |
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TEL: | 03-3891-3183 |
営業時間: | 08:00~02:00 |
定休日: | 無休 |