無記憶ラーメン

なんて言葉がある

 

朝起きた時点では覚えてないのだが

スマホを見返すと

どうやら昨夜

梯子酒の終着点でラーメン食ってるやん

というあの状況

 

アレ

出来たらやりたくないですよね

 

ほぼほぼ

満腹状態の腹に

酔った勢いでラーメン流し込んで

そのままバタンキュー

 

そら

太るっちゅうねん

 

酔って心がデカくなってるから

トッピング全部乗せ

なんかしちゃたりして

 

そら

金貯まらんっちゅうねん

 

何より

ラーメンの味自体を覚えてないなんて

ラーメンに失礼だ

 

 

新年も迎えた

 

2024年は

無記憶ラーメンはしない

という目標を掲げよう

 

 

 

 

酒場を求めてさまよう

 

今宵は錦糸町

 

駅から両国方面に歩みを進めた

京葉道路沿いの

太田屋

の前で足が止まった

 

 

 

 

飛んで火にいる

冬の呑兵衛

 

煌々と照らされる

赤提灯にゆらゆらゆらりと

 

 

 

 

紺地に白文字屋号で

いい暖簾

 

力強い字だな

 

場所柄

かつて常連だった横綱に書いてもらった

というエピソードが

あながちなくはないぞ

 

 

いざっ！！

 

 

 

 

入って

右側には小上りがズラッと

 

奥行きがあり

団体客もなんのその

 

 

 

 

左側は

L字カウンター

 

一人酒にゃ

テーブルよりもコッチだぜ

 

 

 

 

顔が映りそうなほど

磨かれたカウンター

 

詳しくは

テーブル名鑑を

ご覧下さいませ

 

 

 

 

店員さんは

表に若夫婦

厨房にベテラン夫婦

 

若女将が嫁いできたのか

若旦那が婿養子か

 

 

 

 

冬だというのに

今日も今日とてビールから

 

お通しは大根の煮物

 

温かいのが嬉しい

 

 

 

 

まぐろさしみ　

もやしいため

ピーマン天ぷら　

いかわたボイル焼き

 

魚介からお総菜まで

なんでも来いの

お手本のようなラインナップ

 

初めての酒場で

僕が頼みがちなのが・・・

 

 

 

 

シメサバ

 

 

中華の腕前を確かめるのはチャーハン

寿司屋ならコハダ

なんてよく言うが

大衆酒場ならシメサバだと僕は思う

 

 

 

 

あの酒場シメサバ旨いけど　他のツマミ不味いんよなぁ

 

なんて聞いたことない

 

 

色艶いい美人だし・・・

 

期待大だ

 

 

 

 

旨っ！！

 

 

シメすぎてなく

サバの甘みを

十二分に引き立てる仕上がり

 

うん

 

もう安心

 

シメサバの旨い歴史ありそうな酒場名店説

 

 

 

 

ほんなら

アジフライも間違いおまへんやろ

 

うわぁ

いい眺め

 

餃子とビールは文化ですって

聞いてことあるけど

アジフライとホッピーは本能

でっしゃろ

 

 

 

 

厚みがあり

ふうわりとしたアジ

 

シャクからのハフホフという咀嚼音が

心地よく

耳まで喜ぶアジフライ

 

火傷ギリギリまで口の中で遊ばせ

いよいよになったとこで

ホッピーで鎮火

 

醤油で食した1枚目は

あっちゅう間に無くなった

 

2枚目はソース

 

 

 

待てよ・・・

 

 

想像してみよう・・・

 

 

もしも

アジフライアウェイーー

って叫びながら

奥の小上がりにアジフライを投げつけたら

どうなるだろうか・・・？

 

 

 

うわっ！！

死刑やっ！！

 

 

ソースにしとこう

 

 

 

 

軽く吞やって2軒目へ

のつもりだったが

今日は太田屋に腰を据えよう

 

ヤンチャして

一番高級な鯨の天ぷらを・・・

 

いや

一人鍋ってのもオツじゃないか

 

 

「すいません　豚なべみそ味で下さい」

 

 

 

 

うわっ！！

 

ボリューム満点っ！！

 

 

2.3人でつつく用じゃないですか・・・

 

一人で戦える完食できるかしら・・・？

 

 

周りの先輩方から

アイツ一人で鍋かよ

みたいな眼差しが向けられる

 

ちと恥ずかしや

 

 

 

 

具は

豚に豆腐に春菊にネギ

シラタキにエノキに白菜

 

グツグツしてきたら

味噌を溶くんですね

 

 

 

 

育ってきた育ってきた

 

湯気が運ぶ味噌の香りが鼻を刺激し

鼻腔ズアイラビュー

 

それが店内に広がり

他のお客様

クンクンキョロキョロ

 

ついに後ろの小上がりに座る先輩方が

「こっちにも　豚なべちょうだい」

と放った

 

ツマミ泥棒

させた優越感よ

 

 

 

 

よしっ！！

 

もう完成でいいだろう

 

先ずは出汁ダシを・・・

 

 

 

 

旨旨っ！！

 

 

ひとくちに味噌味と片付けられない

味の深み

 

赤味噌と白味噌を混ぜて

煮切りした酒とみりんで溶いて・・・

 

それだけじゃない甘味・・・

 

テンメンジャンと・・・

何か動物系の・・・

 

牛肉ダシダが入ってるに違いない

 

知らんけど

 

 

 

 

ウホッ！！

 

その出汁と絡んだ

豚肉が

ムホーッ！！

 

 

ご馳走だぜコイツぁ

 

 

 

 

豆腐は絹ごしか

 

産まれて間もない赤ちゃんを

抱きかかえるよう

 

優しく・・・

 

ゆっくり持ち上げて・・・

 

フホッ！！

 

ハホハホハホハホ

ホッピーで鎮火♪

 

 

 

 

ネギも白菜も

クタクタなのが好きだ

 

いや

白菜の上の方の

やらかい部分は

あんまり火を通さない方が好きか

 

 

あっ

 

イカンっ！！

 

 

 

 

肉と豆腐に必死になりすぎて

春菊とエノキを

煮過ぎてしまったか・・・

 

 

ムハッ！！

これはこれで旨いやん！！

 

 

太田屋の味噌出汁の

なせる業わざだ

 

 

 

 

戦えるか？完食できるか？などという

当初の不安はどこへやら

 

一人鍋は佳境を迎えた

 

 

 

 

8割方平らげたところで考える

 

酔いもお腹の具合もいい感じ

 

残りを全部食べてお暇するか

 

ただ・・・

 

そうすると・・・

 

なんとなく

帰りに王将とか

寄ってしまいそうなんだよな・・・

 

散々吞んだくせに

にんにく激増し餃子と生ビールなんか

頼んじまって・・・

 

からの

ジャストサイズの唐揚げと肉と玉子のいりつけなんか

頼んじまって・・・

 

最後に

王将ラーメン・・・

 

欲望を抑えきれず

だらしないよなぁ・・・

 

どうする・・・

 

 

 

せやっ！！

 

 

「すいません　熱燗と〆のうどんお願いしますっ！！」

 

 

 

 

これは名案

 

太田屋でしっかり〆シメて

寄り道せずに帰ればいいんだ

 

王将いくより

摂取カロリーも低いし

安上り

 

しかも

めっちゃ旨そうやし

 

 

 

 

生卵も頂けるんですね

 

うどんすきみたいに

絡めてもいいが・・・

 

 

 

 

雑炊よろしく

卵とじにしちゃえ

 

 

ヌワオッ！！

 

これでシマらんかったら

何でシマんねんっ！！

 

 

 

 

熟成された絶品味噌出汁をシュンだ

うどんを

ザバザバザーー！！

 

 

 

 

幸せいっぱいの口に

熱燗を

ツイーーーッ！！

 

 

 

至福満腹・・・

 

 

素晴らしい選択ができた自分を

褒めてやりたい

 

 

 

 

嘘んっ！！

 

よかろうもん寄ってるやんっ！！

 

替え玉してるやんっ！！

 

 

 

 

・・・

 

 

 

ライスは我慢した自分を褒めて・・・

 

 

 

 

アホかっ！！

学習せいっ！！