川口「やまとや」”19時からしか出さないもつ刺し”って何だ?
「アソコにゃ 19時からしか出さないもつ刺しがあるんだ」
そう僕に教えてくれたのは
通称
川口のうわばみ
と呼ばれている
ミリー女史
「もつ焼きも旨くてさ」
「馬刺しもあってさ」
「川口の陸の孤島でさ」
「それを猟師が鉄砲で打ってさ」
「煮てさ」
「焼いてさ」
「食ってさ」
女史の口からは
心躍る言葉しか出てこない
川口の陸の孤島で
時間限定のもつ刺しがあるなんて
と相通ずるモノがある
絶対名酒場やん・・・
そりゃ
お願いしちゃいますよね
「連れてって下さい」
「いいよ アタシも もつ刺しは食べたことないからね」
平日16:30に
川口駅の
バスロータリーに集合
照らし合わせたかのように
蒲田温泉Tシャツを着こんだ
バカ姉弟
これが僕らの
酒場巡りの制服ダす
お目当ての店の最寄り駅は
南鳩ヶ谷
だそうだが
川口駅から15分ほどバスに揺られたほうが
ストレスがないとのこと
頼りになります
八幡木
という停留所で下車し
そこからは歩き
とても
酒場があるとは思えない
住宅街を進む進む
あの家・・・
怪しいぞ・・・
出たっ!
やまとやっ!
肉の卸が営業してる
もつ焼き屋さん
その情報だけでも
生唾ゴクリの
ウキウキ酒場
馬刺しあります!
の文字が主張してますね
ウキウキ
酒場あるある
開店時間前なのにもう店内で呑んでいる先輩居がち
席あるかな・・・?
うん
本日は女史に予約してもらってるので
安心安全心に余裕
いざっ!
カウンターと
ちっちゃいテーブルと
若い女性が
お一人で呑ってらっしゃる
子供の頃は母親に
「お父さん連れて帰ってきて」
と頼まれ
ココで呑んでいる父親を迎えに来てたのだが
今や自分も呑っちゃってる
客の2代目
じゃないかなんて予想する
僕らは
小上がりへご案内頂く
こんなにゆったり広々贅沢使い
いいんですか
先ずはビールで
酒ゴングからの喉掃除
お互い
本日の1杯目
ではないみたいだが
少し歩いたし・・・
喉の仏さんがシュワシュワ~
もつ焼き以外にも
メニューは豊富
もつ刺しは後程・・・
馬刺しはいっときたいよな・・・
センマイとかトンソクもあるのか・・・
むっ
コイツはオモシロそうだゾ
「すいません 馬刺しとタンの赤ワイン煮下さい」
夕日に照らされた馬刺しの
神々しいことよ
酒はやっぱり
明るいうちから呑まなきゃだな
赤身の部分の馬刺しが
ギッシリ敷き詰められた一皿
おやっ
添えられているのは・・・?
卵黄とニンニクですか
ぬほっ!
赤身と
卵黄ニンニク醤油の
相性グンバツ!
サッパリとコッテリが
口の中で結婚しやがった
飲み込んでからも
幸せな余韻が末永く続くぜ
ぬはっ!
分厚く切った黒トリュフがっ!
否っ!
どうやらこれが
タンの赤ワイン煮
のようだ
タンシチューのようなブツでは
ないんだな
おふぅ
噛めば噛むほど
赤ワインの風味が
ジュンジュワ~
オモシロいゾ
これと赤ワインを合わせてみたい
吞む用の赤ワインは
メニューにないんですね
串は一皿5本・・・
優しそうな
お母サマにご質問
「串って 違う種類で5本でも・・・」
「だいじょうぶよ」
「やたっ!」
レバ カシラ ホルモン ツクネ 長ツクネ
やまとやのお肉たちは
中央卸売市場より
毎日直送される
レバカシラの
豚もつ
の旨いことよ
ツクネは
鶏の正肉のダンゴ
長ツクネは
豚ミンチ
上品な鶏と野性味のある豚
どちらにも
それぞれの魅力がある
ホルモンは
牛シビレだそうな
コテコテの脂身が
舌の上でとろけて
夢見心地
これ1本幾らだ?
160円!!
お値打ちですねぇ
時刻が
18:30になり
このタイミングで
紀州の・・・
もとい
舎人のドンファン
も合流
ピクピクッ
酒場聞き耳王の異名をとる
ドンファンの耳が動いた
「あのお客さん 今 もつ刺し頼んだぞ」
「嘘ん まだ30分前なのに」
「コッチも至急頼まなきゃ」
「品切れになる前に」
「すいません 刺しまだありますか」
「あるよー」
「やたやたっ! お願いします!」
舎人のドンファン・・・
こういう呑兵衛のことを僕は
救世酒
と呼びたい
これが
今日は19時ではなく
18:30のもつ刺し
シロ ガツ タン
刺しというネーミングだが
生肉感はなく
鈴木その子バリの
美白な仕上がり
「何も付けずに このまま食べて」
と女将さん
むぅ・・・
醤油とか
塩ゴマ油とか
付けたくなるけど・・・
ガツを一口・・・
「うわぁあぁぁぁ」
「何コレェェェェ」
「旨ぁぁぁぁぁぁ」
意図せず声が漏れる3人
タンを一口・・・
「いやぁぁぁぁぁぁん」
「バカぁぁぁぁぁぁん」
「ダメよぉ~ダメダメ」
唸る3人
シロを一口・・・
「はぬ~~ん」
「溺れそうぉぉぉ」
「こんなの初めてぇぇぇ」
3人は・・・
吠えた
女将さんの
何も付けずに
の意味が分かった
内側から溢れ出す
絶妙な塩味
表面に味がついてるのではなく
にじみ出てくる
この旨味
この食べ物は
何と表現するのが正しいのだろうか・・・?
的を得てるかはわからないが・・・
もつ刺しの糠漬け
と名付けてみようか
ココでしか食べれない
唯一無二のもつ刺し
特にシロ刺しのやわらかさときたら
もはや魔法
足して150歳ぐらいの3人が
声を合わせ
「もつ刺し おかわり下さい!」
なんて放ってしまった
ドサクサでボイルタンも注文し
食うわ呑むわ
狂喜乱舞の
記憶紛失モードまっしぐら
うっすら覚えているのは
ノーパンしゃぶしゃぶの話で興奮したという
笑いのカケラ
帰り際女将さんに
質問をもう一つ
「なぜ もつ刺しは あの時間じゃないと出ないんですか?」
「あれぐらい シロをやわらかくするにはさ」
「はい」
「仕込みに 時間がかかるんだよ」
「どういう 工程を踏むんですか?」
「・・・」
「・・・」
「また食べにおいでよ」
「必ず来ます!」
工程は無粋だったな
因みに
やまとやには要予約の
スペアリブ
ってメニューもあるみたいです
宿題だな
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やまとや(やまとや)
住所: | 埼玉県川口市八幡木2丁目8-26 |
---|---|
TEL: | 048-284-9869 |
営業時間: | 17:00 - 20:00 |
定休日: | 水・土・日 |