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東南アジアの屋台を体験!?練馬「金ちゃん」

 

“世界の屋台シリーズ”なるものがYOUTUBEで観れるのだが、これがなかなか面白い動画なのだ。

主に東南アジア圏の色々な屋台の調理風景を、ただひたすら撮影してるだけなのだが、無駄なナレーションやBGMも無く、調理する音や生活音だけが聞こえ、あたかも屋台で料理を待っているかのような気分にしてくれる。

私は海外アジア旅行には『台湾』のみ行ったことがあるのだが、屋台はもちろん、初めての海外アジアは自分の想像を遥かに超える衝撃であった。

 

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そんなことを思い出したある休日、私はベッドで横になりながらまた例の動画を観ていた。

 

けたたましく鳴り響くクラクションの中、

ステンレスのマグカップに卵をスプーンでカチャカチャ、

平たく丸い鉄板に溶いた卵をジュワリ、

それと野菜をパンで挟み、薄いビニール袋へポイ、

ボロボロ紙幣でお勘定……。

 

接客サービスなんて微塵もない、衛生管理など皆無に近い。

ただただ、この日本では経験のでいない”非日常”の映像に私は恍惚とした。

 

「あー、アジアに旅行行きてーなー」

 

などとつぶやき、その日は野暮用を済ませに『練馬駅』へと向かった。

 

この後、そんな私の思いを東京の練馬で満たしてくれるとは思ってもいなかった……。

 

 

 

・・・

 

 

 

駅に着いて、用事を終えた頃には日が暮れていた。
実は初めて来る練馬の町を少し散歩していると、飲み屋街に一際”渋い暖簾”が目に飛び込んできた。

 

 

 

 

『金ちゃん』

 

暖簾の隙間から店内を覗くと、裸電球のオレンジが店内を照らし、なんとも味わい深い雰囲気。

この感じは、結構な『頑固オヤジ』と『ツンデレ女将』がいるに違いないと推測した私は、ここはひとつ気合を入れて店へ入ることにした。

 

 

 

 

「イラッタマテー」

 

え? 外国人?

 

店構えから気合を入れて入ったものの、渋いコの字カウンターの中にいる4人の女性は全員東南アジア系と思われる外国人。
まあ、こういう年季が入った店でも、たまに外国人の店員を見かけるがまさか”全員”とは驚いた。

 

 

 

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「ココ、スワテー」

 

コの字カウンターの一番厨房に近い席へと案内された。
厨房と言っても小さい作業場みたいなところで、3人の女性店員が野菜を切ったり、洗い物をしたりしている。

 

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残りひとりのボス的な店員がカウンターから酒を出したり、他の従業員に指示を出しながら、おしぼりを目の前に置くと目も合わさずに注文の催促をしてきた。

 

「ナニノム」

「じゃあ……、レモンサワ…」

 

と、言い切る前に、

目の前へ焼酎の入ったグラスをカンッ!

レモン炭酸の瓶をドンッ!

そのまま無言でどこかへ行くボス。

 

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……おっかねぇなぁ。

 

気を取り直してレモンサワーを飲んでいると、ボスがまた近寄って来る。

 

「ナニスル」

 

ああ、料理か……、 あれ?手元にメニューがない。

 

辺りを見回すと壁にメニューが張られているのを見つけた。

 

『もつやき』
『とりにんにく』
『野菜』
『肉だんご』
『さつまあげ 』

 

大雑把っ!!

 

とりあえずこれ以上ボスを待たせると怒られると思い、向かいの席の客が食べていた『煮込み』を真似て頼む。

 

ボスがまたどこか行き、すぐに戻ってくる。

「ニッコミ」

と、言って目の前に『煮込み』をタンッ!

 

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『煮込み』

 

うまいっ!

 

食べてみると、モツのトロけ具合が絶妙で、全体的に薄っすらと紅く、濃い目の味付けの中には独特のコクがありニヤける程うまい。
これは『煮込み狂い』の他の酒場ナビメンバーにもお勧めしたい。

色んな意味でここは”当たり酒場”なのでは?と思った私は、次に1本80円からという安さの串物をボスに注文した。

 

 

 

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ボスや他の外人従業員ばかり目立っていたので気づかなかったが、焼き場にはかなり高齢とみえる日本人の店主がひたすら串を焼いていた。
次々とボスから注文を投げられ、馬車馬の如く焼き続ける無言の背中がなぜだか印象的だった。

 

 

 

暫くすると、ボスが馬車馬の焼き上げた串物を目の前にタターンッ!

 

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『カシラ』と『とりにんにく』

 

どれどれと、まずは『カシラ』を口に入れようとした時、向かいの客のやきとんに目がいった。

なぜなら、やきとんに大量の一味唐辛子をふりかけていたからだ。

 

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ちょっとかけ過ぎじゃないか?と思ったものの、他の何名かの客も大量に一味唐辛子をかけて食べている。
よくみると、どこの席にも一味唐辛子が小瓶ではなく少し大きめの瓶で置かれていた。

なるほど、この店のやきとんはそうやって食べるのが”通”なのか。

 

しかし……、
辛いものが苦手な私には到底マネできるものではない。こんなときに”辛党”のカリスマジュンヤがいれば問題ないのだが、普通に食べてしまっては他の客はおろか、ボスにまで「コイツ、シロウトネ」などと思われかねない。仕方がなく、私の中での限界まで一味唐辛子をふりかけてみることにした。

 

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うっ、辛そう……。

“辛党”からすれば何でもない量だと思うが、とにかく辛いものが苦手な私にはこれが限界。
ひと口かじってみたが、すぐにレモンサワーを飲み干してしまうほど舌が悲鳴を上げた。
一丁前に『とりにんにく』にもかけてしまったものだから、味に関しては辛さで何も言うことが出来ない失態を犯してしまった。

 

 

 

――私は何をしてるんだ。

 

まるで初めて来た外国でよくある、”何か分からないけど食べてみたら失敗した”みたいな感じになった。

 

 

 

そうなのだ。

 

ここは店や店員の雰囲気といい、まるで”東南アジアの屋台”の様な酒場なのだ。

 

 

 

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夜市で並ぶような裸電球の下――、

 

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店員同士、途切れないおしゃべりと笑い声が飛び交い――、

 

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雑多な調理場からはステンレスボウルの氷を砕く音が聞こえ――、

 

手馴れた感じで次々と来る注文をこなす――。

 

 

 

この雰囲気、

 

なんて心地よい酒場なんだ。

まるで昼間に観ていたYOUTUBE動画の景色が目の前にあるようだった。

憧れの”東南アジアの屋台”がこんなところで味わえるとは思いもよらなかった。

 

 

 

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そうそう、
東南アジアの屋台といえば、とんでもなく狭い作業空間なんだよな。

 

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そうそう、
東南アジアの屋台といえば、洗面台の液体石けんのある所が”マヨネーズホルダー”になっててさ……、

 

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そんな屋台ねーよ。

 

 

 

 

 

金ちゃん(金ちゃん)

ジャンル: もつ焼き、居酒屋
最寄り駅: 練馬駅から151m
住所: 東京都練馬区豊玉北5-16-3
TEL: 03-3994-2507
営業時間: 17:00~23:00
定休日: 日曜日

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miron-201710
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