十三「イマナカ酒店」これが大阪の角打ちやっ!!
角打ち
酒屋さんなのだが そこで呑むことも出来る店
何故
角打ち
と呼ぶかは諸説あるらしいが
量り売りされた日本酒を四角い枡の角に口をつけて呑むこと
酒屋の店の隅(角)で呑むこと
などが由来らしい
角打ちの魅力といえば
まず安さ
お酒やカワキモノなんかが
ほぼほぼ
定価
で提供してくれるなんて
嬉しい限りだ
次に
早くから呑める
酒屋さんの開店時間の
午前中から呑める店も少なくない
休日の寝起きから
いきなり
ひっかけ
に行くこともできれば
僕は
朝まで呑んで
〆を開店したての角打ち
なんてことをやったのも
1度や2度ではない
嬉しい限りだ
そして
角打ちは
客と客との距離が近い
自ずと会話も生まれたりする
常連にでもなれば
アソコ行ったら まぁ誰かいるやろ
みたいな感じになってくる
角打ちは一人でいっても寂しくない・・・
なんとかなる・・・
これも魅力だろう
特に関西には
そこに魅了されてる先輩が
多くてですね・・・
大阪の
十三(じゅうそう)
にやってきた
十三が
どんな街かは
後日書きますが
まぁ
香ばしい
街だ
阪急電車十三駅の
東口を出るとスグ
十三駅前通
というアーケードがあり
少し歩くと・・・
出たっ!!
イマナカ酒店
ご覧の通り
外観は普通の酒屋さんだが・・・
この魅力的すぎる
暖簾をくぐると・・・
どーですか
このカオス感!!
テーブルとカウンターに
お客さんが鈴なりだっ!!
若いカップルもいらっしゃる
ココには
何回か来ているが
先輩方以外のお客さんは
ほとんど見たことなかった
角打ちの裾野が
広がっているのだろうか
まずは
お酒お酒と
カウンターに行って
お品書きを眺める
因みにこれは2年ぐらい前の値段表
安い・・・
ビールの大瓶が380円とある
しかも書き直した感じがあるってことは
その前はもっと安かったのか・・・
今はちょっと値上がりしたが
それでも400円
淡麗の大瓶に至っては
310円也
嬉しい限りだ
ビールからいこうかと思わされるが
250円のチューハイをチョイス
この炭酸の瓶が
可愛らしすぎる
能勢酒造の
ノセミネラル
ココでしか見たことない
いや 難波屋にもあるか
トレードマークに
自然
とあるが
こいつ自体に
不自然
なレモンの味がする
愛おしいヤツめ・・・
先日 味論が書いた
中津の
でもそうだが
関西の角打ちのおツマミは
クオリティが高いところが多い
おでんも
しっかり揃えられているし
天ぷらやコロッケなどの
揚げ物もある
いわしの南蛮漬け
どてやき
へしこ
など
目移りしてしまうが・・・
関西の家の冷蔵庫には
必ず入ってると言われる
伊藤ハムの
ポールウインナー
を発見!!
まずはこれやなっ!!
店員のお姉サマが
切り込みを入れて
提供して下さった
ちょっとした優しさが嬉しい
せっかくなんで
紅しょうがの天ぷらも貰った
うーーん
いい眺め
大阪なう で使っていいよ
で ツイッターに上げてみようか
さぁ 関西を味わおう
とポールウインナーウインナーを
咥えかけたところに
後ろから
「あ~ どないしょっかなぁ~」
という
大きなガラガラ声が聞こえてきた
振り返ると
五十代と思しき先輩が
お一人で
「あ~ ホンマかいな~ 聞いてへんでぇ~」
と スマホを見ながら
叫んでらっしゃる
その声の方向が
独り言の範疇を超えて
あきらかに
僕に放っている
これは・・・
明らかに・・・
どうしたん待ち
である・・・
まぁ 気にもなるし・・・
「先輩っ!! どうなされたんですか??」
「おお兄ちゃん 聞いてくれや~」
「如何なされましたか?」
「今から仕事入るかもってメールきてもたんや~」
「なんのオシゴトなんですか?」
「ニンジン振りやがなぁ~」
「ニンジン? 何ですか?」
「道で赤い棒もってるヤツおるやろ~」
「あっ!! 警備の? 交通整理の??」
「かなんわ~~~」
先輩は
結構お酔いになられてる・・・
そりゃ
今からオシゴトとなると
辛すぎるはずだ・・・
見ると先輩は
お一人なのに
ジョッキを二つもってらっしゃる
「あっ!! でも先輩えらいですね!!」
「なにがや~?」
「こんなこともあろうかと 準備なさってますやん」
「なんのこっちゃ~?」
「ちゃんとチェイサー飲んではるやないですか」
「アホかぁ~」
「えっ?」
「これ普通の焼酎の水割りとやなぁ」
「はい・・・」
「焼酎の原液のロックやぁ~」
「そうなんですか?! 水やなくて?!」
「いちいち注文するんメンドいやろ~」
「はぁ・・・」
「コッチ少ななったら ちょっとずつ足していくんやぁ~」
先輩・・・
流石です・・・
「お兄ちゃん なんか呑みぃや~」
「いいんすかっ!!」
「好きなん頼みぃ~」
「ほんなら 住吉お燗して下さい!!」
「ワシも ロックもひとつ持って来といてぇ~」
「先輩 大丈夫ですか? オシゴト」
「かめへ~ん」
「実はワシなぁ プロゴルファー目指しとってん」
「ホンマすかっ?」
「毎日夢中でクラブ振ってたんや」
「凄いっすね!!」
「今は クラブを持ち替えてやなぁ」
「はい・・・」
「こないだ夢中でニンジン振ってたら もうちょっとで大事故なるとこやったわ」
「危ないですやん!!」
「ワシ 実は大衆演劇やってんねん」
「そうなんですか?」
「上手なんやでぇ」
「観てみたいですわぁ」
「褒められるんやでぇ」
「はい」
「桐谷美玲みたいやゆーて」
「先輩・・・ それ・・・ もしかしたら・・・」
こんな会話が
続くこと小一時間・・・
一人の初老の方が
店に入って来られた
先輩は
「おーい 先生 ここここー」
と 初老の方と話始めた
「すまんねぇ」
「まぁ 一杯いこやぁ」
「すまんねぇ」
お二人は
親しげにお話をしてらっしゃる
うん・・・
もう一軒いきたいとこもあるし・・・
そろそろ・・・
「あっ!! 先輩ご馳走様でした!!」
「お兄ちゃん おおきになぁ」
「こちらこそです あまり呑み過ぎないように」
「へー?」
「これからオシゴトですよね」
「ワシそんなん言うてたかいのぉ」
「へ?」
あ・・・
先輩・・・
僕を待ち人来らずの
暇つぶしに使いましたね・・・
ご馳走様でした
イマナカ酒店(いまなかさけてん)
住所: | 大阪府大阪市淀川区十三東2-6-11 |
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TEL: | 06-6301-3361 |
営業時間: | [月~土] 9:00~22:00 [日] 10:00~20:00 [祝] 9:00~21:00 |
定休日: | 不定休 |