尼崎「立呑処しもやま」たまにはこんなラブソング
兵庫県
尼崎
どんな街かというと・・・
自販機は
タイガースカラーの
デザインにしてあり
いかにも
タイガースファンが集まりそうな
酒場があったり
おそらく
タイガースのコスプレで
承って下さるお店があったり
商店街には
タイガースを応援する
幕が垂れてたり
服屋さんには
タイガースサンタクロースが
ディスプレイしてあったり
たこ焼き屋さんには
いや
誰やねんっ!!
と言いたくなる
おばちゃんのパネルがあったり
床一面に
タイガースの
人気OBの
手形があったりと
まぁ虎キチだらけの街だ
そんな
アマ
に
味論と一緒にやってきた
目的はモチロン
酒場巡りでだ
「タイガース以外にも ツッコミどころの多い街だっぺよ」
「そうか?」
「服屋の店員さん・・・」
「うん」
「今度こそ本当に閉店しますよーー!!」
「・・・」
「って叫んでたべ・・・」
「・・・多分 ・・・せえへんなぁ」
「平気で何でも持って帰る人がいるズラか?」
「・・・まぁ ・・・大阪のトラックリンゴ事件に比べたら」
「なんだべそれ?」
「行商のリンゴ売りのトラックにやなぁ」
「ふむ」
「試食して結構です って書かかれた垂れ幕掛かってて」
「ふむ」
「それ見た人が」
「ふむ」
「このリンゴ タダでええんやってー って言うて」
「ふむ」
「結果 皆がリンゴ盗み出し 数分でトラックが空になったらしい」
「おぞましい街だっぺ!!」
「いや どう見ても 鰻じゃないほうだっぺよっ!!」
「まぁ・・・ 酒場へ よーいドンしよか・・・」
僕達のお目当ては
朝から呑れる名店との呼び声高し
立呑処しもやま
ゴチャゴチャした商店街からは
ちょいと外れた場所に
佇んでいた
「入る前に 札は靴下の中に隠しておいたほうがいいっぺか?」
「ちっちゃいおっさんに シバかれんぞっ!!」
尼への偏見がひどすぎる味論と
扉を開いた
店内は
平日の午前中だというのに
先輩方がご満悦中
んっ??
むむっ!!
女将さん
お若いのに
和服に割烹着でらっしゃる!!
素敵だ・・・
歩くたびに聞こえる
下駄の音がなんとも心地いい
まだ
なにも呑ってないのに
もう名店だ
女将さんに
ビールをお願いし
喉掃除
街を歩きながら
散々喋った
疲れ気味の喉が喜んでいる
アテは
OHSに入っているの皿を
チョイスしてもヨシ
カウンターに並んでいる
茶色い奴らをお願いしても
ヨシなのだが
この香りを放たれると
無視することはできない
そう
おでんっ!!
この香りに
勝てるものあるかしら・・・?
女の子の髪から香る
シャンプーの香りはどうだ・・・
アレも心揺さぶられる香りだ・・・
女の子の髪から
おでんの香りがしたら
性欲と食欲が同時に高ぶるのだろうか・・・
一日中この店にいる女将さん・・・
心の中で
中尾彬風につぶやいた
うぅん 嗅いでみたいねぇ
豆腐とねぎまを頂戴する
東京ではあまり口にする機会のない
とろろ昆布が
当たり前のようにかかっている関西の豆腐
好きや
そしてなんといっても
おでんの出汁
これを啜る為に
おでんを頼むといってもいいぐらいだ
関西の甘めのおでん出汁が
ツマミなる
具材は
味論に任せ
僕は出汁担当の任務を
遂行させてもらった
出汁欲が止まらない
女将さんに
「この皿に おでんの出汁だけ追加してもらえませんかね・・・?」
と お願いすると
快く承諾して下さった
ならば・・・
コロッも頂いて・・・
ここに
ドボンだっ!!
ちょっとずつ
コロッケを崩しながら
啜っていく
行儀はよろしくないが
味は最強
僕から発される
ジュルジュルという音が
鳴りやまない
味論が
ケダモノを見るような目で
僕を睨みつけやがるが
かまやしない
尼 万歳だ
「あの人・・・ 泣いてるっぺよ・・・」
味論が唐突に
僕の耳元で囁いた
見ると
一人の女声が
ヒックヒックと声を出している
どうしたんだろう・・・?
午前中の呑み屋のカウンターで
立ったまま
すすり泣く女性
あまりお見受けできない光景だ
「ハンカチでも手渡してみるかっぺよ・・・?」
「生まれてこの方 ハンケチ持ったことござーせん」
「オラもだ・・・ あっ ポケットティシュあったかもズラ」
「ええやん 渡してみてや」
「テッシュでええのが・・・?」
「今日の酎ハイは ちょっとしょっぱめですね って言いながら」
「ダさぐねえが?」
「あっ 女将さんに頼んでやなぁ」
「あっ あちらのお客様から やるってのが?」
「この店 セックスオンザビーチあるかな?」
「あるわけねえっぺよ」
などと
味論とヒソヒソやっていると
突然・・・
「すまんっ!! 許してくれっ!!」
一人の男性が入ってこられて
彼女に近寄られた
会話の内容はよく聞こえないが
おそらく
仲直り的なお話をしてるみたいだ
男性は
既にお酒が入っているのだろうか
人目もはばからず
彼女に抱き着いたりしている
僕と味論は
まぁまぁまぁ
という表情の目配せをして
またグラスを口に近づけた
男性と女性は
しばらくするとお会計を済ませ
僕らの横を通り
お店を出て行った
えっ??
えっ!!??
僕と味論は
再び目を合わせた
「あの女性・・・」
「ヒゲ・・・」
「濃かったっぺな・・・」
「いや おっさん同士やないかいっ!!」
たしかに・・・
ツッコミどころ多いなぁ
尼崎「鹿児島屋」アマガサキラプソディー
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下山酒店(しもやまさけてん)
住所: | 兵庫県尼崎市神田南通1-3 |
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TEL: | 06-6411-2362 |
営業時間: | 8:30~20:30 |
定休日: | 月曜日 |