平井「豊田屋」痛風鍋の豊田屋で予約を取る方法
2015年10月某日
「すいません 予約したいんですけど」
「いやー もう11月いっぱい予約でいっぱいですねぇ」
「えっ? じゃあ12月だったらどうですか?」
「12月はまだ予約受け付けてないんですよー」
「12月の予約は いつから取れるんですか?」
「毎月24日目安で受け付けてますねぇ」
「わかりました 電話します」
2015年10月25日
「すいません 12月の予約したいんですけど」
「今年の予約は昨日でいっぱいになりましたねぇ」
「えっ!! たった1日で・・・」
2015年11月24日 17時
「すいません 1月の予約したいんですけど」
「先程 いっぱいになりましたねぇ」
「えーー もうですかーーー」
2015年12月24日 16時
「すいません 2月のよや」
「先程 いっぱいになり」
「あーーーーーーーー!!」
これが去年の年末
豊田屋の予約を取ろうとしていた
僕と大将のやり取りである
冬場の豊田屋は本当に予約が取れない
皆 通称
痛風鍋
を求めるがために
その難しさは天井知らずだ
去年の僕も諦めかけていた
・・・だが
「あーーーーー!!」
と叫んだ僕に
大将が助け舟を出してくれた!!
「じゃあこうしてみればどうですか?」
「えっ!! マジすかっ!! それで大丈夫です!! 有難う御座います!!」
やったーーー!!
なんと大将のご好意で予約を取ることが出来たのだ
大人気なく声を荒げてしまったことに
恥じることもなく
ゴネてよかったー
と 小躍りしてしまった
そして
今年の1月6日17時
酒場ナビメンバーを含む4人で
僕らは豊田屋の前に立っていた
立派な店構えだ
浅草無双の文字が迫力満点
無造作に積まれている
ビールケースやダンボールも
いい味
を出している
あんこう鍋 白子鍋 の文字と
店内から差す灯を確認し
4人は顔を見合わせ
いざっ
っと 暖簾を押した
店内は細長いうなぎの寝床
右側にはカウンター
左側には4人掛けのテーブルが5つぐらいか
一番奥には小上がりもある
カウンターの中にいる
おそらく息子さんだろうと思われる店員さんに
「イカで予約してる4人ですけど」
と 告げると
「はーいー 一番奥のテーブルどうぞー」
嬉しい・・・
よくある名店ならではの威圧感など
ちっとも感じさせない
奥のテーブルに行くと
大将が予約の電話の対応なさっている
電話が終わるのを待って
大将に
「すいません あんこう あん肝 白子の鍋下さい!! あっ!! 牡蠣も入れて下さい」
と 焦って飲み物より前に
鍋を注文してしまった
下町ハイボールを貰い乾杯
ようやくこの日を迎えられた喜びを感じながら
喉を掃除する
鍋を待つ間
煮こごりなんぞを貰ってみる
美味しい
豊田屋でこんな渋いモノをツマんでいる
自分が好きだ
シメ鯖も貰った
旨い
毎朝築地に行って仕入れている
豊田屋の魚に間違いはない
そして4人各々がお酒をおかわりしたタイミングで
とうとう・・・
遂に・・・
待ちに待った・・・
真打が登場した
出たーーー!!
これが
白子 あんこう あん肝 牡蠣
の入った痛風鍋である
三谷幸喜の映画のように
キャスト全員がビックネームだ
足して140歳ぐらいの4人は
アングリ
と 口を開けしばらく眺めていた
そう
童貞の頃
初めて裏ビデオを見た時のそれのように
美しい・・・
見方によってはグロテスクで
気持ち悪いと言ってもいいぐらいのこの写真を
僕はスマホの待ち受けにしている
「イカはん ワイら胃袋が勃起してまいましたわー」
と京都訛りで興奮するカリスマジュンヤと
役者の野瀬正人
「ホンマやな ワイらの白子もトッピングしたろかしら」
と 返し
店内の全員から睨まれるイカと味論
大将がコンロに火を入れてくれ
主役達が
舞台衣装に着替え始める
出来上がるのが待ち遠しい
もうちょっとで食べごろかというタイミングで
大将が
チロチロっと鍋をいじって下さり
「もうちょっとだけお待ち下さい」
と
育てて
下さった
今思えばレンゲと菜箸でちょっと鍋をイジっただけで
誰にでも出来そうな事なのだが
その時は4人とも興奮していたのか
高度なマジックを見たかのように
「おおーーーーーー!!」
と 観声を上げてしまった
そしてついに・・・
「もういいでしょう」
大将のお許しが出た!!
4人は
ゴクリ
と 唾を飲み込むと
我も我もと痛風鍋をがっつき始めた
旨いっ!!
爆発力が凄いっ!!
主役達が全員ハシャギ過ぎているにもかかわらず
まとまりがある
85年のタイガースの打線のようだ
今で言うなら
大谷 山田 柳田 筒香
が同じチームにいると言えば分かりやすいか
味これ秀逸
あっという間に平らげてしまった
まだまだ食えるなぁ
ということで
ネギマ鍋も貰った
これも旨い
先の痛風鍋とはタイプは違うが
コイツもいい仕事をする
あっさりしてるとみせかけ
脂がしっかりのっているマグロに
旨さの飛距離がある
野球選手なら
2003年の今岡誠だと言えば分かりやすいか
4人の顔はただただ幸せに包まれていた
美味しいのは勿論なのだが
豊田屋で痛風鍋を食べれたという
達成感
が笑顔を止めさせてくれなかった・・・
シメのうどんも貰い
大将に
「年末無理やり予約お願いしてすいませんでした」
と 頭を下げた
「お兄さん達本当に旨そうに食ってたね アンコウも喜んでますよ」
やさしいお言葉有難う御座います・・・
ずっとここに居たいが時計の針は18時50分
「次はカモ鍋食べに来ます 有難う御座いました」
こう告げてお店を後にした
興奮冷め止まない4人は小岩に移動し
一力や豚小屋で
豊田屋のおさらいを
終電近くまで続けてしまった
最高の夜だった・・・
因みに
どうやって予約が取れたかというと
簡単な事なのだが
平日の豊田屋は19時からの予約がほとんどだそうで
実はその前は空いているテーブルが時々あるそうだ
だから
「19時までには必ず帰るので」
と 伝えると空いてる日を教えて下さるのである
平日で4人以上で早く始動出来る方々
いらっしゃいましたらオススメ致します
最後に・・・
なぜか豊田屋のトイレには
ドライヤーが備え付けてありました
昔 近くに遊郭があって
精をつけた殿方が出陣する前に
身だしなみを整えていた名残
なんてのは
僕の想像ですが・・・
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豊田屋(とよだや)
住所: | 東京都江戸川区平井6-15-23 |
---|---|
TEL: | 03-3618-1674 |
営業時間: | [月~金] 16:30~23:30 [土] 16:00~23:30 |
定休日: | 日曜日 |