アメリカ村「ニューライト」一番高い3600円のビフテキを頼んでみた
「えっ? ながたくん この店シブ過ぎるやんっ!!」
「イカやん セイロンライス頼んでみ 旨いで」
・・・23年前
僕を
洋食屋ニューライト
に連れていってくれたのは
お笑いの養成所で同期の
ながたくん
だった
2つ年上で
しかもアメ村の古着屋でバイトしており
僕にとっては同期ながら
カッコイイお兄ちゃんみたいな存在だった
「わっ!! なにこれっ!! カレーのおじやに生卵のってるやん!!」
「アメ村の人間はみんなこれ食うてんねん」
「そういや ながたくん無国籍百貨(古着屋のビル)でバイトしてるんやんなぁ」
「せやで」
「ええなぁ 羨ましいなぁ」
程なくして
僕もアメ村のスタークという古着屋で
バイトし始めるのだが
それは
ながたくんの影響をモロに受けていたからだと思う
ちなみにその店では
の タケちゃんも一緒に働いていた
スタークには2年ぐらい居たのだが
その間
週3ぐらいでニューライトに通っていた
ほとんどのメニューは食べたと思う・・・
1つのメニューを除いては・・・
東京駅から新幹線で新大阪へ
新大阪から地下鉄御堂筋線で心斎橋へ
アメ村
にやってきた
目的は そう
ニューライトの
宿題をシバく為だ
三角公園横の甲賀流たこやきが
おかえり
と 言ってくれてる感じで
郷愁を味わう
いかにも大阪っぽい
シャッターを通り過ぎ・・・
出たっ!!
ニューライト!!
この洋食屋とは思えない外観・・・
あの頃よりいい意味で
ヒドく
なっている
入ってみると・・・
お父サマが座ったままお出迎え
お父サマ
ご無沙汰しております・・・
店内はサインが飾られてる以外は
あの頃のまんまだ
現役バリバリの黒電話
黒電話の音って好きやー
とりあえずビールで喉を掃除して・・・
メニューを確認する
チキンライス 他人丼などの文字が
関西らしさを主張する
ちなみにイタリアンというメニューは
東京で言うナポリタンのこと
当時よりちょっと値上がりはしているが
ラーメン370円など
大衆すぎる値段設定だ
その中に一際異彩を放つ・・・
あった!!
ビフテキ3600円!!
僕はこのメニューを食べたこともなければ
食べている人を見たこともない
ずっと気になっていたメニューだ・・・
当時
ニューライトで3000円もするビフテキ誰が頼むねん
と 思っていたが
今は逆に
これを頼むのは僕しかいない
と 熱り立っている
「すいませーん!!」
注文を取りに来たお母さんに・・・
「ビフテキ下さい!!」
ドヤ顔ドヤ声で言い放った!!
お母さん・・・
ビックリして震えてないかい
と 心で呟きながらお母さんのセリフを待つと・・・
「あー ビフテキないねん」
「えっ!!」
「テキの肉の業者が潰れてもうてなぁ 仕入れられへんねん」
「えー 他の業者さんやったらあかんのすか?」
「あかんねん」
「スーパーの肉とかやったらダメなんですか」
「あかんねん ないねん」
無念・・・
どうやら宿題はやっつけられそうにないみたいだ・・・
気になっていて行きたい店が
突然閉店してしまって
後悔してしまう時のように
メニューも気になったらできるだけ早く
やっつけなければダメなんだなと
勉強させられた・・・
こうなったらシフトチェンジだ!!
僕が大好きだったメニューを
頼むことにしよう
「ラーメン焼きめしセット カツのせで下さい」
これが当時
僕が愛でて愛でて止まなかった
ラーメン焼きめしセットカツのせだ!!
ニューライトの焼きめしはシンプル極まりない
なんというか
いつもは料理をしない父親が
休日に
「今日は俺が昼飯作ったるわ」
と言って出来上がったような
いい意味での
雑さ
が嬉しい
黒コショーの風味が食欲をそそる
そこに乗っかるカツもまたいい
極薄の豚肉にラードの香りの強い衣をまとい
懐かしい
と思わせてくれるトンカツだ
僕はこの薄いトンカツが大好きだっ!!
彼女が出来たら
このトンカツで
ビキニの水着を作り
彼女に着せて
浜辺で写真を撮るのが夢だ・・・
ラーメンもまたいい
昔のサービスエリアや
スーパーのフードコーナーで出てくるような
控えめなヤツ
プールに行って
遊び疲れた体に
プールサイドでブチ込めば
最強の力を発揮するヤツといえば
わかりやすいか
ただニューライトのラーメンはそこに
なんだろうか
化学調味料一辺倒の味ではなく
ちょっと
和
を感じさせてくれる
関西独特の昆布だしが入ってるんじゃないかと
僕は見てる
このスープ旨すぎる・・・
仮に雨がこのスープだったら
僕は口を開けながら
ずっと上を向いて歩くだろう
昔は300円ぐらいだったので
味噌汁感覚でこのラーメンを頼んで
たいして味わってもいなかったのだが
この年になって
コイツの魅力に気付かされた
まぁ
味覚は記憶
ってことが大きいのだろうが・・・
お母さんが近くに座られた
いつもお父さんと大声でケンカしていたのが
ニューライトのもう一つの名物だったが
今日はおとなしい・・・
揉め事がないのか
それとも月日の流れか・・・
「お母さん アメ村ずいぶん変わりましたね」
「せやねん」
「古着屋ほとんどなくなりましたね」
「でもな 今はミュージシャンのお客さん多なってん」
「そうなんですか」
「アタシもクラブに招待してもらってよく見に行くねん」
「マジすかっ!! 元気っすねー!!」
「せやろ 老けてるヒマないねん」
あはっ!!
ちょっとお年を召されたかなと思っていたが
めちゃめちゃ元気やないかいっ!!
お母さんの
イケイケ
な感じが妙に嬉しかった・・・
ニューライトには後継もいらっしゃる
味もしっかり受け継いでらっしゃる
この感じだと
あと100年はやってくれそうな気がする・・・
安心してお会計をした・・・
帰り際お母さんが仰った
「お兄ちゃん ショウザンビル(古着屋のビル)はまだやってんでー」
「ホンマですか 見に行ってみますわー」
そう言ってニューライトを後にした・・・
大阪の皆様
ニューライトでビフテキが復活したら
教えて下さいませ
ちなみに・・・
一生アメ村に居続けると思っていた
ながたくんは
なんと今は百貨店で働いている
またシブい店教えてなー
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ニューライト(にゅーらいと)
住所: | 大阪府大阪市中央区西心斎橋2-16-13 宝泉ビル 1F |
---|---|
TEL: | 06-6211-0720 |
営業時間: | 11:00~21:00(ラスト20:30) 11:00~20:00(祝日) |
定休日: | 不定休(日曜休業がよくあり) |