立石で朝呑みするなら

9時からやってる

与作　えびすや食堂

 

駅からちょいと足をのばして

１０時からやってる

倉井ストアー

 

 

えっ！？

 

２０分歩くと

頑張ったご褒美として

素敵な朝酒場にたどり着けるですって？？

 

こちとら

呑兵衛立石住民

 

そんなこと聞かされたら

じっとなんかしてられねぇゼ

 

 

 

 

駅から

倉井ストアーを

通り過ぎ・・・

 

 

 

 

水戸街道を超えて

曳舟川親水公園通りを

えっちらおっちら

 

アレに見えるは・・・

 

 

 

 

出たっ！

 

伊勢芳っ！

 

 

10時半から営業している

’’伊勢’’系大衆酒場

 

’’伊勢’’から始まる屋号の酒場名店説

は僕の持論

 

説立証に参りましたよ

 

 

 

 

この

威風堂々とした暖簾の存在感よ

 

屋号の由来は・・・

 

大体予想がついている

 

 

現在11時

 

お客さんの入りは緩やかかな・・・？

 

 

いざっ！

 

 

 

 

ギャンッ！

 

黒帯先輩大集合っ！

 

速い時間から

ツッカケ履きでご満悦

 

 

パチ屋のモーニングのように

開店前から並んで

らっしゃるのかしら

 

 

 

 

なんとか

1席を確保

 

先輩方の会話が聞こえる

 

 

「昨日駅前で　若いお姉ちゃんたちがよ」

「おう」

「募金活動なんかやってんだよ」

「おう」

「アフリカに学校を建てよう　みたいな」

「おう」

「姉ちゃん達　本気でそう思ってるならよ」

「おう」

「全員風俗で働いて　その金送れよな」

「風俗行きてぇ」

「そのほうが募金より　金溜まんだろ」

「風俗行きてぇ」

 

 

午前中から

舌好調ですね先輩

 

 

 

 

短冊の品書き圧巻の量

 

伝わってくるのは

魚料理への自信

 

ならばまずは刺身から

 

 

「すいません　上まぐろさしみ下さい」

 

 

 

 

イヤンッ！

 

上まぐろ色っぺぇ

 

 

 

 

中トロの部位だろうか・・・？

 

なんて艶っぽい色してやがるんだ

 

表現するのが難しすぎて

もう

上まぐろくぱぁ

 

 

 

 

キスするかのように

口を近づけてペロリ

 

ぬわぉぉ

 

脂が

じわーんと溶けて

溢れそうだ

 

口ン中

サウジアラビアの油田やーー

 

 

うん

 

絶対何頼んでも旨いぞ

伊勢芳

 

ココは

深追いするべき酒場だ

 

 

 

 

続いては

シメサバを所望

 

うっほほーい

 

ピッカピカのツヤッツヤだーい

 

 

 

 

おふぅぅ

 

サバも絶妙な脂具合

 

コッテリしてるがしつこくない

 

天下一品のキャッチコピーのような

仕上がり

 

 

さぁ

もっともっと

 

 

 

 

ボールがあるなら

お世話になります

 

コイツには

揚げ物を合わせてみようか

 

 

 

 

アジの天ぷらにしてみた

 

ウヒョヒョ

 

大き目の半身が4枚もある

 

こいつぁ

揚がって上がるぜぇ

 

 

 

 

おろし天つゆに泳がせ

ハムーン

 

サクッというよりは

フゥワリ

とした食感

 

アジも肉厚で食べ応え十分

 

衣もシッカリしてるので

かけうどんのトッピングとして

少しふやかして食べても

最高だろうな

 

 

アカン

 

止まらない

 

もっと揚げ物食べたいゾ

 

 

 

 

「タン焼きレバ焼き　ハーフで」

「ヒカリモノだけで刺し盛り作ってよ」

「なんか　ちっちゃい鍋できない？」

 

 

常連さん達は

自分好みメニューを

頼まれたりしている

 

常連でない僕がワガママ言ったら

怒られるかな

 

言って怒られそうだったら

間髪入れずに

「嘘です嘘です嘘です」

と　連呼しよう

 

 

 

 

「マスター　すいません」

「はい」

「メニューには無いんですが」

「・・・」

「魚介類でけで」

「・・・」

「ミックスフライ作れませんかね」

「・・・」

「・・・」

「聞いてみるよ」

 

 

 

聞いてみる・・・？

 

伊勢芳は

マスターと女将さんと

息子さんの3人で

切り盛りなさっている

 

揚げ物は

息子さんの担当だろうか

 

 

 

 

待つこと10分

 

15分

 

どっちだ・・・？

 

僕のワガママは

通らなかったのか・・・？

 

 

 

20分

 

おそらくダメだったのだろう

 

ミックスフライは諦めて

出直すか

 

 

腰を上げかけたその時

店内がザワザワし始めた

 

 

ザワザワのほうに目をやると

マスターが何かを持って

コッチに向かってらっしゃる

 

 

 

 

「こんなのでいい？」

「うおーー！ありがとうございますっ！」

 

 

 

通った！

 

言ってみるもんだっ！

 

言う勇気っ！

 

 

 

 

想像を

はるかに超えてきた・・・

 

揚げ物チョモランマ・・・

 

店の渋さと相反する

キッチンダイブのような発想

 

嬉しい悲鳴とはこのことです

 

 

 

 

アナゴフライ

 

 

 

 

イカフライ

 

 

 

 

キスフライ

 

 

 

 

アジフライは2枚

 

 

 

 

そして

王者エビフライ

 

 

 

 

信頼と実績の伊勢芳

 

旨いのは言わずもがな

 

バックバク

いけちゃう

 

そういや

グッチ裕三が

揚げ物は手で食べたほうが旨い

って力説してたな

 

しないけど

 

 

頭の中に

孤独のグルメの

ラストスパートのテーマが流れてきた

 

 

「すいませーん　ボールお代わり下さーい」

 

 

 

 

揚げ物祭りで

体がホッカホカ

 

外から吹き抜ける

風が心地いい

 

 

ふう

 

 

またまた説立証だ

 

 

 

 

帰り際

女将さんに聞いてみた

 

 

「女将さん　すいません」

「ん　なぁに」

「もしかしたら　マスターは」

「ん？？」

「伊勢元で　働かれてませんでしたか」

「そうよ　よくわかるわね」

「お名前に　芳　が付きませんか」

「そう　よしお　よ」

 

 

伊勢元出身の

芳お

さん

 

船堀伊勢周の

伊勢元出身の周平さんと

同じ方程式

 

やっぱりだ

 

 

 

 

因みに伊勢芳は

立石駅よりお花茶屋駅のほうが

近いです

 

 

 

 

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