立石の

呑んべ横丁

赤線地帯

裏赤線地帯

が　8月いっぱいで

その歴史に幕を下ろすと

日本がざわざわしているが

 

実は他にも

閉鎖される地下飲み屋街が

あるのをご存じでしょうか

 

 

奇しくもタイミングは

重なるもので

呑んべ横丁と

一月違いなんて・・・

 

 

 

 

神戸の

阪神元町駅は

地下にある

 

 

 

 

改札を出て

地上に上がることなく・・・

 

 

 

 

地下通路を

怪しそうな方へ

歩みを進めてみる

 

 

すると・・・

 

 

 

 

出たっ！！

 

有楽名店街っ！！

 

 

高校生ガキの頃

お近くのモトコーには

店舗マップが作れるぐらい通ったが

ココは何回か通り過ぎったっけ？

ぐらいの印象

 

事実

駅の西口改札と東口改札を繋ぐだけの

そこまで必要性のない地下道なので

こんなの

が好きでなければ

神戸っ子でも

知らない人が多い呑屋街だろう

 

 

 

 

そんな

有楽名店街だが

歴史は古い

 

 

 

 

電子看板が

50年もの歴史

と教えてくれるが

実際はそんなもんじゃなく

 

昭和22年に

阪神メトロ街の名で開業したのが始まり

というからなんと76年の年輪

 

呑んべ横丁が

立石デパート商会の名で産声を上げたのは

昭和29年だから

呑んべより7つも先輩

 

地元と言っていい

西宮出身として

ココと関わってこなかった人生なのが

恥ずかしい

 

 

 

 

49店舗営業

とも教えてくれてるが

今現在

これはちと疑わしい

 

 

いざ潜入っ！！

 

 

 

 

渋いし

不気味だし

シブキミだ

 

営業してるかしてないか

判断できない扉が

ズラーーっと・・・

 

１００メートルぐらいは

続いてそうだな

 

 

 

 

居酒屋とBarかしら・・・

 

 

浅草地下商店街

と同じく

印象的な散髪屋さんがあったが

今日はお休みのようだ

 

 

 

 

スナックが似合う通りですね

 

姫にぺぺ・・・

 

ベタな屋号も雰囲気を煽る

 

 

 

 

「浅丘ルリ子おるー？って　ちゃうか」

 

って言いながら

入ってくるお客さん

当時ワンサカいたやろな

スナックリリー

 

 

 

 

むむっ！！

 

歌声が聴こえるぞ・・・

 

あの店からか・・・

 

 

 

 

光HIKARI

 

外観は有楽名店街で

一番煌きらびやかだ

 

女性の笑い声も聴こえる・・・

 

 

 

 

暖簾には

一期一会の文字・・・

 

入ってみるか・・・

 

足がすくむな・・・

 

200那由多なゆた飛んで3万円

請求されたらどうしよう・・・

 

いやっ

 

酒場武勇伝は

こっちから掴みにいかねばならぬ・・・

 

 

「おじゃましまんにゃ〜わ」

 

 

 

 

「いらっしゃいまっほー」

「わっ！！出たっ！！」

「出たて　なんやねんっ！！」

「めっちゃテンション高いすねっ！！」

「ボッヨヨーーン」

「ピンクのヒョウ柄の胸に　ヒョウの顔てっ！！」

「インガスンガスンッ」

「どこで買うんですか　そんなシャツ」

「東山商店街や」

「売ってそうやけどっ！！」

「ほな　そろそろお会計しよ」

「何の代金やねんっ！！」

 

 

のっけから・・・

 

カマしてくるやないすか・・・

 

 

 

 

「改めまして　響子ですー」

「あっ　ママさんご出身は・・・？」

「中国の北京アルヨ」

「ズルいすね　そのカタコト　何でもオモロく聞こえて」

「こんばんHAー」

 

 

 

 

「うわっ！！スケベなカウンターすねっ！！」

「イヤンバカン」

「浮世絵の春画ですよね？　これ」

「前は中華屋さんやった」

「テーブル名鑑に載せときますね」

「ほよっ？？」

 

 

 

 

「ママさんは　有楽名店街で何年ぐらいやられてるんすか？」

「まぁ昔からこの辺には　おるわな」

「昔は今より営業してる店　多かったんですか」

「ほとんど全部　埋まってたんちゃうか」

「その頃　来てないのが悔しいです」

 

 

 

 

「つい　こないだまで　そうやったけどな」

「こないだて」

「十三じゅうそうの火事あったやろ」

「しょんべん横丁の」

「あれキッカケで　阪神がココ閉鎖や言うて」

「10年ぐらい前ですよね」

「そっから　少ななってったな」

 

 

 

 

「歴史あるんすよね」

「戦争の時　防空壕ぼうくうごうやったみたいやで」

「そうなんすね」

「そっから　闇市みたいになって」

「ヤミイチ・・・」

「地下の楽園って呼ばれるぐらい　大盛況やったとか」

「エグいすね」

 

 

 

 

「いつ　完全閉鎖なんですっけ・・・？」

「9月末までや」

「移転とかの予定あるんすか」

「今んとこ　無いんやけどな」

「残念です」

「家　2階建てなんやけど」

「お住いの」

「１階改装して　やったろかとも思てる」

「行きたいですっ！！」

 

 

 

 

「でもな　介護の勉強もしてんねん」

「すばらっ！！」

「そっちの仕事　頑張ってもエエかなと」

「昼は介護で　夜はスナック我が家で」

「アタシが介護されるわっ！！」

 

 

 

 

「常連さんの為にも　スナック我が家は是非」

「ホンマやな・・・」

「ほな今度こそ　お会計してください」

「アレ代とアレ代と　全部で・・・」

「・・・」

「３０００円や」

「ボケまへんのかいっ！！」

「アカン　しんみりして　気ぃ抜いてた」

「ってか　安くてよかったです」

 

 

 

 

「アンタまた来てくれるんか？」

「東京住んでるんで　ココは今回で・・」

「そうか・・・」

「すいやせん・・・」

 

 

 

 

「新しい店出したら　来てくれるか？」

「絶対行きます！！」

「ホンマやろな」

「はい」

「ホンマにホンマやろな」

「は　はい」

「ホンマにホンマ」

「しつこいなっ！！」

 

 

 

 

「絶対に絶対やろなーー」

「わー　追っかけんといてー」

「約束したからなー」

「わー　わー　電話しまーす」

 

 

 

 

 

 

響子ママから逃げて

二宮まで走り・・・

 

 

 

 

二宮温泉で

体を整え・・・

 

 

 

 

銭湯隣接の酒場で

喉も整え・・・

 

 

 

 

みかん水舐めて

心も落ち着かせたとさ

 

 

 

10月になったら

電話してみるか

 

 

 

 

 

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