篠崎「大林」東京三大癒し酒場 その1
先日松本さんからLINEが入った
「仕事で東京行くから どっかええ店連れてってーや」
松本さんというのは
以前の記事
で書かせて頂いた
僕の酒場巡りの師匠のことだ
どっかええ店つれてってーや
短い文だがなかなか重い内容だ・・・
今は大阪在住の松本さんだが
以前は東京にも住まれていたことがある
当然東京の酒場には詳しい
僕に連れていけと頼まなくても
馴染みの店は沢山あるだろう
それなのに
あえてこの言い回し・・・
言い換えると・・・
おい 何や調子乗って酒場ナビなんて風呂敷広げてるみたいやなー
ほんなら俺を満足させてくれる居心地のいい店連れてってもらおうやないかい
当然 俺の知らん店で
という意味なのである
悩む・・・
観光地化してるような
置きにいった店
なんかいったら鼻で笑われてしまう
どうしようか・・・
そうやっ!!
あそこならっ!!
都営新宿線の瑞江駅を出たところで
松本さんと待ち合わせ
そっからバスで揺られること20分
大林(おおばやし)
に やってきた
ここは僕が
酒場ナビのプロフィールにも載せているくらい
オススメの酒場である
松本さんは
「店先に自転車が沢山ある店は 地元の人らに愛されてる証拠やな」
と 楽しみや感を出してくれている
僕は もうこの時点で
今日の酒場ナビの成功を確信し
「松本さん どうぞ」
と あたかも新築の自宅に招くかのように
暖簾を押した
店内は
コの字カウンターのみ
そこに
地元の常連さんがうじゃうじゃだ
「あっ ちょっと詰めるからー ここ二人座れるよー」
こう言って下さったのは
お客さんの先輩だ
嬉しい・・・
常連ばっかりの名店にありがちな
よそ者来やがった感など
ここには無い
入店5秒で居心地がいい・・・
短冊のメニューの数と
安さにゾクゾクする
あなごの天ぷら 350円
トマトフライ 300円
かつとじ煮 450円
いわしつみれじる 350円
嗚呼・・・
全種類頼みたい・・・
カツカレー 400円
ぞうに 300円
ソーメン 350円
なべやきそば 400円
などもそそられて仕方がない
この店の為だけに
この街に引っ越してやろうか
なんて考えがよぎる
まずは瓶ビールを貰い
久々の再会に乾杯
松本さんは
「この名前の付けようのないお通しも旨いなぁ」
と トローンとした顔で囁いてらっしゃる
師匠・・・
もう大林にメロベロですか・・・
イワシの刺身と煮込みを頼んだ
チョイスしたのは松本さん
この写真でおわかり頂けるだろうか
350円で凄い量だ
大きめのイワシを2匹分捌いてくれてるみたいだ
「これ めっちゃ旨いし量ありますねー」
と 僕が松本さんに言うと
「大衆酒場のイワシとチャンスの時の福留は裏切らへんからなー」
と 店内に響き渡るぐらいの声で
オモロイこと言ってまっせ感で仰った・・・
師匠・・・
ここ東京です・・・
煮込みは酒がススむしょっぱい味付けだ
松本さんは
「ほう・・ この味は後半役立つなぁ・・」
と 意味不明のことを呟いてらっしゃる・・・
ここで呑みモノをハイボールにチェンジ
大林の焼酎ハイボールは
白と赤の2種類
上の写真は赤なのだが
頼むと
ジョッキと炭酸の瓶と
ご覧の色の焼酎がカウンターに置かれる
白はこれが透明の焼酎って塩梅だ
ここで松本さんが
赤の原液に異常なまでの興味を持ち始めた
「お母はん その原液ちょっと見してくれまへんかー」
師匠・・・
ここ東京です・・・
忙しいお母サマにそんなガサツなお願い・・・
お母サマは・・・
「はーいー ちょっとまってねー こんなんですけどー」
お母サマ・・・
優しすぎます・・・
メロベロです・・・
「天羽の梅は知ってるけどカンダハイボールって初めて見たわー」
確かに僕もこれを見るのは初めてだ
「お母さん これ原液やんなー」
「はいー」
「なんでアルコール入ってんのー?」
どうやら松本さんは
瓶から直接コップに注がれた赤に
アルコールが入ってることが解せないらしい・・・
お母サマは・・・
「濃い目の焼酎と混ぜて また瓶に戻してるんですよー」
と 包み隠さず教えれ下さった・・・
お母サマ・・・
優しすぎます・・・
好きです・・・
あなごの天ぷらとトマトフライも貰った
天ぷらは大根おろしと醤油で
フライは中濃ソースで食べている僕を
あざ笑うかのように
松本さんが見ている・・・
はてっ??
と 思った次の瞬間
松本さんは
両方の揚げ物を
先程のしょっぱめの煮込みの汁に浸けて
食べ始めた
「俺 ダシ使いやからなぁ・・・」
師匠・・・
アンタいちいちカッコイイですね・・・
そこに
小学校2年生ぐらいの男の子が
店内に入ってきた
大衆酒場に小学生の男の子が一人で・・・
何故・・・
その違和感を解消してくれる言葉が
店内中に飛び交った
「おかえりーー」
「おかえり坊ちゃん」
「よっ!! 三代目」
どうやら
男の子は先のお母サマのお孫さんらしい
先輩方の声が止まらない
「三代目頼むよー この店継いでくれよー」
「何言ってんだよ 三代目が継ぐ頃オメエさん生きてねえじゃねかよ」
「ウルセー 意地でも生きてやるよー」
「三代目 あの世に煮込み届けてやってよー」
「いいねー ここの煮込みは冷めても旨えからな ってバカヤロー」
嗚呼・・・
ずっと居れるわー
大林の勘定の計算は
お母サマがチョークを使い分け
チェックなさってる・・・
この計算方法も
何代目になっても変らないでいてほしいものだ・・・
「ごめんなさいねー 騒がしい店で また来てくださいね」
お母サマのその言葉に松本さんは
「店出た瞬間また入ってくるんで この席予約してもらってていいでっか?」
ご満悦な師匠と大林を後にした・・・
帰りのバスの中で
師匠に聞いてみた
「大林どうでした・・・?」
「カレーのルーだけ頼むって出来るかなぁ イワシフライと絡めてみたいわぁ・・・」
篠崎 大林
東京三大癒し酒場の一つにさせて頂きます
残り二つは近日中に
大林(おおばやし)
住所: | 東京都江戸川区下篠崎町10-10 |
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TEL: | 03-3676-4983 |
営業時間: | 17:00~23:00 |
定休日: | 木曜 |