この酒場を紹介していいのか本当に悩みました・・・その3
何気なくGoogleで
酒場を検索していて
度肝を抜かれた
この酒場
イノシシ吊るされてるやんっ!!
クチコミを見ると
入るのに勇気がいる
怖そうな店主
大人の隠れ家
イノシシ肉
真鴨
鹿肉のシチュー
なんてキーワードが
ただ
いかんせん情報が少ない
あ
電話番号の記載はあるんだ・・・
電話して詳細聞いてみようか
イノシシ酒場の怖そうな店主・・・
尻込みしてしまう・・・
いやっ!
酒場に関しては
それこそ猪突猛進っ!
ピポパポピ プルループルルー
「はい」
「おっ お忙しいところすいません」
「・・・」
「おっ お店のこと聞いてもいいでしょうか」
「・・・いいよ」
「じっ ジビエが食べれるのでしょうか?」
「・・・仕入れによってね」
「こっ この日に行けば」
「・・・」
「たっ 多分食べれる」
「・・・」
「そっ そんな日はあるでしょうか?」
「・・・」
「・・・」
「元旦の昼に来てみなよ」
「ぜっ ぜっ 絶対行きますっ!」
きっ きっ きっ 聞く勇気
毎年悩む
1月1日の呑み場所が決まった
2025年一発目の酒場は
陸の孤島
住所は
ギリギリ東京都なんだなココ
あの重機に
イノシシが吊るされてたんだな・・・
ボートとかバイクとか
ガラクタばかりでゴチャゴチャと
便利屋さん
なんでもご相談ください!
ご相談があります・・・
本当にココで呑めるのでしょうか
提灯を見て一安心
訪問の連絡も電話でしている
胸がときめいてきたゼ
おそらく
このプレハブの中が
呑めるスペースなんだろう
緊張するな・・・
手のひらに
猪
と書いて飲み込んで・・・
いざっ!
「こんにちは~」
「いらっしゃい」
むっ
マスターは噂通りの強面
だが
その口調には穏やかさを感じる
「あっ あの」
「電話くれた人」
「あっ はい 亀山です」
「空いてるところ座ってよ」
「しっ 失礼します」
先客はお一人
数杯目だろうチューハイジョッキを
傾けられてご満悦
お正月万歳
因みに
亀山
とは僕の酒場予約ネームです
L字カウンターの_の位置に陣取り
店内をやおら眺める
釣り竿だったり絵画だったり
外同様 中もゴチャっと
むむむっ
アイテムに共通点を発見
初めて見た・・・
狩猟生活なんて雑誌あるんだ
狩猟宣言
狩猟試験事前講習会のポスター
んっ??
このキャップ・・・
ポスターの・・・
「マスター JH ってなんですか?」
「ジャパンハンターズだよ」
「じゃあやっぱりココは・・・」
「うん」
「マスターが仕留めた動物を・・・」
「うん」
「ジビエとして提供する・・・」
「うん」
「秘密基地酒場なんですね」
「合格」
「来れて光栄ですっ!」
「何品か出すね」
「有難き幸せっ!」
こんな酒場に潜入できた
自分に自画自賛
酒場巡りこじらせ真っ最中の僕に
ドンのピシャじゃないか
2025年も
酒場戦線異状なし
メニューもあるみたいだが
ひときわ光る・・・
天然物ジビエ
の文字
ジビエの定義は
狩猟で捕獲した野生鳥獣の料理
50年生きてきて
初めてだぞ僕
マスターが
皿を抱えてご登場
「これからどうぞ」
「わっ 何でございましょう!」
ドキ・・・
ドキ・・・
ドキ・・・
「こっ これはっ?」
「お正月だからね」
「おせちっ!」
「あけましておめでとう」
「おめでとうございます」
昆布巻きとゴマメに
カマボコ
マスター
じらすじゃないですか・・・
食べたことないけど
完全に
ジビエの口
になってましたよ
おせちで
喉掃除始め
をしていると
「ジビエお待たせ」
「待ってましたっ!」
マスターが
深さのあるお皿を
僕の目の前に置いた
ついにっ!
「蝦夷鹿のグリーンカレーだよ」
「エゾジカのグリーンカレーッ!」
大きな鹿肉がドンッ!
バターも添えられ
食欲をそそるビジュアル
お肉の見た目は
じっくり煮込んだ牛肩ロースの
それに近いか
硬いかな・・・?
柔らかいっ!
手間暇かかった
ビーフシチューのごたる
グリーンカレーの風味をまとい
臭みなど無し
鹿って馬鹿ほど馬いんだな
「次はコレいこうか」
「マスターですか この写真」
「何の猟かわかるかい」
「これは・・・合鴨ですか」
「合鴨は養殖 野生の真鴨だよ」
「マガモッ!」
「この日は大猟だったよ」
「風貌たるやマガモ猟の申し子っ!」
鴨汁で提供して頂く
パワーみなぎりそうなジビエには
やはりパワー酒
バリキングソーダ割りで
戦います
わぁ
ダシ旨ぁ
コッテリとして
甘みもあって
尚
独特の深みが
この深みが
野鳥感
でいいのだろうか
肉も旨ぁ
牛カルビ
まではいかないが
牛ハラミぐらいは脂がのってるゾ
マスターが仰る
「昨日はこの鴨汁でさ」
「はい」
「年越し蕎麦をやったんだよ」
「わっ 今年の大晦日 来ていいですか?」
「あはは また電話してきてよ」
時間が経つにつれ
店内は混んできた
マスターの
狩猟仲間の方々みたいだ
こぼれる話が
普段聞いたことのない内容で
オモシロくて仕方がない
旨いしオモロイし・・・
ウマロイなぁ
「最後はイノシシ鍋だよ」
「出たっ!」
「沢山あるから おかわりしなよ」
「頂きますっ!」
味噌と生姜とニンニクと
さらに八丁味噌かなと思わせる
濃い味のダシ
そこに
野性味
という隠し味が加わり
驚異的な力強さ
すすればその効果
レッドブル並み
ネギも里芋も入ってて
嬉しい
肉の味は濃厚
豚肉に
ワイルドかつパワフルなエッセンスを
注入したような
エネルギーミート
硬さはあるが
噛みきれないようなモノでなく
程よい食感
ブヒッ ブヒヒヒッ!
「すいませーん おかわり下さーい」
仕上げに和菓子も頂けて
至れり尽くせり
元旦から
エグい満足度だが
気がかりが一つ・・・
お会計幾らなんだろう・・・?
両国のもゝんじやは
ジビエ猪コースが
6600円とかする・・・
中瓶2本
バリキング5杯
おせち
鹿のグリーンカレー
マガモ汁
イノシシ鍋×2
和菓子
財布には
万券が2枚入ってるが・・・
足りるかな・・・?
足りなかったら・・・
撃たれるかもっ!
「2300円ね」
「ん? 今なんとっ?」
「2300円」
「ん?ん? もう一度っ!」
「2300円だってば」
「ホンマですかマスターッ!」
「ホントだよ」
「安すぎるじゃないですかっ!」
「まぁまぁまぁ」
「ちょっと信じられへんス・・・」
「ウチを見つけてくれてアリガトね」
「なんで僕が お礼言われてるんですかっ!」
もののけに取りつかれて
夢見てたんかなぁ
次行ったら
店無いんちゃうやろか
この酒場
ご興味ある方いらっしゃいましたら
に来て下さいませ
どこかお伝えいたします
僕
日曜日の夕方居がちです
とりま
19日㈰16時からは居ますんで
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