大山「丸鶴」東京三大チャーハン その1
チャーハンって好きやー
中学生の頃
漫画 美味しんぼで
主人公の山岡士郎が
鍋から振り上げられた飯が空中で炎の上を通り抜ける
その時 炎に直にあぶられる
それによって 余分な油が飛んで
飯がパラリとなり香ばしくなるんだ
女房の事をお嬢さんと呼ぶ
そんな使用人根性で強力な炎を御せるわけないだろう
と
若い中国人の料理人をボロクソに言いながら
チャーハンを作る模様を見た時から
チャーハンって奥が深いんやなぁ
と 思いチャーハンに興味を持ち始めた
見よう見まねで作ってみては
台所を汚しまくり母親に激怒されていた
高校時代はバイトで稼いだお金で
王将の焼き飯をしょっちゅう食べていた
チャーフレ(チャーハンフレンド)と
神戸の南京町でハシゴチャーハンとかもよくやった
ラーメン屋でバイトしてた時も
賄いで豪華なオリジナルチャーハンを作っては
店長に激怒されていた
初めて入る中華屋では必ずと言っていいほど
チャーハンは注文する
酒場でもメニューにチャーハンがあると
気になってしょうがない
そして
40を超えた今でも
僕にはチャーフレがいるのだが・・・
大山の丸鶴にやってきた
チャーフレが
「丸鶴のチャーハンが旨いらしいでっせ」
との教えてくれたので
一緒に来てみたのだ
このいかにも
THE街中華
な外観
創業50周年という文字とあいまって
がとまらない
ワクワクしながら暖簾を押した
店内も
THE街中華だ
カウンターと
4人掛けのテーブルが3つ
奥には宴会場もある
土曜日のランチの遊び心に
ニヤニヤしてしまう
果汁グミとかやったらイヤやなぁ・・・
まずはママさんに瓶ビールをお願いした
このママさんがめちゃめちゃチャーミングだ
いつかやろうと思ってる企画
チャーミング女将さん選手権
には 必ずエントリーしてもらおうと心に決めた
ビールで喉を掃除したところで
チャーフレを紹介しておきます
この男が僕のチャーハンフレンドの
野瀬正人
役者業のかたわら
週5でチャーハンを食らっている
チャーハンが主食さんだ
いや
チャーハン役者だ
神楽坂の龍朋に初めて行ったのも
野瀬とだった
新高円寺のタカノ
江戸川橋の新雅
荻窪の中華徳大
に初めていったのも野瀬とだった
夢はチャーハンでできた家に住むことらしい
趣味は肉あんかけを自らの頭にかけることらしい
特技はパラパラを踊りながらチャーハンを炒める
パラパラパラパラチャーハン作りらしい
そんな野瀬はチャーシューも好物なので
まずはそれをツマもうということになった
出たっ!!
こんなん旨いに決まってるやんってビジュアル!!
盛り付け担当に
假屋崎省吾でも雇っるんじゃないかという美しさだっ!!
野瀬は
「わー!! 皿に生まれてきたら俺にも盛り付けてもらえたのにー!!」
と 意味不明な言動を放っている
しかも分厚いっ!!
味も絶品っ!!
僕が愛でて愛でてやまない
のチャーシューと同じぐらい
いや それ以上かもしれないぐらい美味しい・・・
チャーハンへの期待値も増すばかりだ・・・
呑み物をレモンサワーに変えて
いよいよチャーハンのメニューを凝視してみる
レタス・・・
美味しいんやろな・・・
海老入り・・・
間違いないやろうな・・・
とび子??
面白そうやな・・・
ここはあえてノーマルのやつか・・・
と 悩んだ挙句
ここはド直球
チャーシューチャーハンにすることにした
出てきたのが・・・
出たっ!!
これでもかってチャーシュー!!
見るからに美味しそうなお米達!!
またまた最高のビジュアルだ
今年のクリスマスには
丸鶴のチャーシューチャーハンの
食品サンプルをお願いします
と書いた紙を入れた靴下をぶら下げて寝よう
二人で1人前の注文だが
取り皿に分けるのではなく
順番に皿を持ち上げ口をつけ
レンゲでかっこんだ
旨いっ!!
チャーシューの美味しさは言わずもがな
米が美味しい
黒胡椒とチャーシューの煮汁の味なのだろうか
ハッキリとした味の硬めの米たちが旨すぎる
そして
噛んでる感が気持ちよすぎる
旨い米と旨いチャーシューが咀嚼の度に
全ての歯たちを喜ばせる
口の中がだんじり祭りだ
食べる嬉しさも感じるが
どんどん量が減っていってることへの
寂しさまで感じてくる・・・
ひと皿を二人で奪い合うように
平らげてしまった
「これはおかわりしよか」
「レタスいったろか」
「ここはノーマルがええんちゃう」
「っていうか 他のメニューも気になってきたなぁ」
などと次の展開を模索している僕らの目の前に
突如ビックリする物体が現れた
わっ!!
凄いチャーシューの塊っ!!
「お兄ちゃん達 旨そうに食うねぇ これがウチのチャーシューだよ」
なんと大将がわざわざ見せに来て下さった
「ウチのチャーシューは毎朝6時から仕込んでんだよ」
「煮込まず 長時間スープに弱火で漬け込むんだよ」
「これ食いに北海道や沖縄からもお客さん来るんだぜ」
「ウチのチャーハンは塩は入れねえんだ 全てチャーシューの旨みで味出してんだぜ」
大将は事細かに作り方の説明をしてくださる
「そんな 企業秘密なこと喋っちゃっていいんですか?」
と聞くと
「かまやしねえよ 真似できるもんならやってみろってんだ 俺は10歳の時から鍋振ってんだよ」
カッコイイ・・・
大将はご実家の3軒隣が中華屋さんだったらしく
10歳からその店を手伝うようになり
二十で丸鶴を立ち上げ
今日に至るまで中華鍋を振られているとのことだ・・・
その歴史の積み重ねからくる
自信がカッコよすぎて仕方がない
「これ覗いてみろよ」
と 大将が仰るので
焼酎の空き瓶を覗いてみると・・・
50年前の大将がそこにいた・・・
50年の
いや 10歳からだとしたら
60年の物語が
一杯のチャーハンに詰め込まれている
その日は結局おかわりはしなかったが
必ず近々
宿題を片付けさせられるんだろうなと思いながら
丸鶴を後にした
丸鶴
東京三大チャーハンのひとつにさせて頂きます
残り2つは近日中に・・・
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丸鶴(まるつる)
住所: | 東京都板橋区大山西町2-2 |
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TEL: | 03-3955-2209 |
営業時間: | [月・火]ランチのみ11:00~15:00 [水~土]ランチ11:00~15:00、ディナー17:00~22:00 |
定休日: | 日・祝日 |