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月島「岸田屋」初めての東京三大煮込みをあの人に教えてもらった

 

『東京三大煮込み』をご存知だろうか?

北千住の『大はし』、森下の『山利喜』、そして月島の『岸田屋』である。
酒場ナビメンバーのイカが崇拝する『太田和彦』さんが著書で書き記したのをきっかけに広まってたらしいのだが、私はいずれの酒場にも行ったことがなかった。

そんな事をイカと電話で話していたところ、

 

『この大馬鹿野郎!!それで酒場ナビのメンバーが務まるわけないやろがい!!』

 

と、電話の向こうで親にでさえ受けたことのない程の怒号を浴びせられたのだ。

 

『すぐさま用意して月島に集合や!ワテが教えたる!』

 

急遽、その東京三大煮込みのひとつである月島の『岸田屋』へと向かったのだ。

 

 

 

 

 

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『月島』

 

“もんじゃ焼き”で有名なこの町も、それこそ過去にもんじゃ焼きを食べに来たことはあったが殆ど知らない町である。

駅から数分歩き、もんじゃ焼き商店街の一角にその店はあった。

 

 

 

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『岸田屋』

 

うわ!?すげー並んでる!!

開店の30分以上も前だっていうのに、およそ十数名が既に並んでいる。さすがは『東京三大煮込み』と謳うだけある。

 

 

 

……あれ?

 

いない!?

 

イカがいない!!

 

スマホを見ると、”遅れるわ!先待っといてや!”とLINEが届いていた。

しかたがない、ひとり最後尾に並んだ。まぁ、もう十数人も並んでいるし、これ以上あまり並ばないだろう。

 

それからイカが来ないまま10分が経ち、20分が経った――。

 

 

 

 

 

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めちゃめちゃ人が増えてる!

まずい!このペースでは一緒に入店できるどころか、イカだけ1ターン目で入店出来ないかもしれない……。
周りには、いかにも常連であろう”先輩“だらけで「今日は1時間前から並んだ」「俺は開店に合わせて仕事を終わらせてきた」などと、並々ならぬ想いでここへ来た屈強な”サカバー“たちの会話で溢れ返っている。

 

……おいおい待ってくれ、私はイカという『岸田屋先輩』が一緒にいるから、安心してこんな超有名店に来たんだぞ?急に”一人で入る”となると、若干の心配が過る。

なんとなく、小学生の頃に近所のデパートで開催していたミニ四駆の『ジャパンカップ』予選大会で、運悪く強豪グループに混じってしまい惨敗したことを思い出した。

そんな不安に駆られていると、汗だくでゼイゼイと咳き込みながら最後尾に付く男がいた。

 

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イカである。

 

なんとか間に合った……!!
しかしさすがのイカも、ド平日でここまで並んでいるとは思わなかったのか唖然とした表情である。

 

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“ワテが入れんくても先に一人で入ってや!”

 

最後尾との距離が離れているため、LINEでやりとりをする。

 

“やっぱ煮込みは頼んだらいいの?”

“あたりまえやろがい!!”

“ラーメン二郎みたいに特殊な感じで注文するのだったら困るなー”

“大丈夫や。まぁなるべく近くに座るようにするわ”

 

うーむ、これだけ離れているとなると、少なくとも席が離れることは確実。

そうこうしていると、近くの校舎から17時の鐘が鳴り響き開店の時間となった。

 

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皆、”やっとだな”といった表情で順番に店の中へと入っていく。

 

 

 

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狭渋いっ!!

 

店内はかなり渋いとは聞いていたが、まさに大衆酒場の渋さを存分に醸し出している造りだった。

 

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イカはというと、辛うじて私から数人の客をはさ着席しているのが見えた。

 

並び客全員が座り、しばらくすると細長いコの字カウンターに店員女性が入ってきた。何やら順番に注文を取っているようだ。

 

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「ウルメイワシをこうしてー……」

「じゃあ、いつものあの酒にさー……」

 

常連先輩達による慣れた注文が飛び交い、それを慣れた感じで受ける女性店員。『ラーメン二郎』ほどではないが、やはり独特の雰囲気、……緊張する。

 

 

 

(次……、自分の番だ!)

 

いよいよ私が注文を言う直前、そういえば普通に”煮込みをください”というだけでいいのか?と疑問に思い、イカの方を向いてみた。

 

 

 

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気づいていない。

 

「何しますか?」

 

店員女性が来てしまった。
しかたがない、普通に注文をするか。

 

「あ、あの、チューハイと、に、煮込みくださいっ!」

「煮込みにネギ入れます?」

 

えっ!?

ネギ!?

 

『ラーメン二郎』でいう”ニンニクいれますか?”ならぬ、”ネギいれますか?”だって……?
普通の煮込みは黙っててもネギを入れる。それをあえて聞いてくるってことは何か大きな理由があるに違いない。

私は、すかさず救助を求めてイカの方を向いた。

 

 

 

なぜか天井を見ていた。

 

「ネギどうします?」

「あ……、入れてください」

 

まったく役に立たないイカを横目に、初めての岸田屋の注文はこうして終わった。

 

 

 

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チューハイはすぐに届いたのだが、初心者の私は待っている間も遠慮をしながらチューハイを啜る。

 

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イカを見てみると、さすがは『岸田屋先輩』だけあり慣れた感じで注文をしていた。

 

そして真打ちの登場である……!!

 

 

 

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『牛モツ煮込み』

 

出たっ!

これが噂の『東京三大煮込み』である。

一見、何食わぬ顔のこの煮込みに、果たしてどんな仕掛けがあるのだろうか……。
たかが煮込みを食べるだけなのに、何故かドキドキしながら牛モツを口へ運んだ。

 

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んまいっ!!

 

分かっていた……、分かっていたのだがこれは確かにうまい。
注文時に迷ったネギは、まるで牛モツに花を咲かせたように美しい。そしてなんといっても牛モツの”柔らかさ”に尽きる。咀嚼ゼロで口の中で溶けた牛モツは、限界まで吸収した”うま汁”を一気に放出しながら嚥下し、喉、胃を通過するのが分かるほどだ。

これは凄い煮込みだ……。

 

 

 

(おい……、おいっ)

 

え?

 

煮込みのうまさに浸っていると、小声で誰かに呼ばれた。

 

 

 

イカである。

 

(お前だけ食べるんやない、ワテにもよこさんかい)

 

そう言って間にいる客の背後から手を伸ばし、私の煮込みを奪って食べ始めた。

 

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「うわっ!やっぱこの煮込みうまいわぁ!」

 

小さい店内に大きな声が響く。

そしてそのまま私の煮込みを持っていってしまった……。

まぁしかたがない、同じメンバーといえども『岸田屋先輩』には逆らうことはできまい。

 

 

 

暫くすると、また私を小声で呼ぶ声が聞こえた。

 

(おい味論、これみてみ)

 

 

 

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『ポテトサラダ』

イカがいつの間にか注文していたポテトサラダを見せてきた。典型的なドヤ顔にもみえるが初心者の私には、なんだかポテトサラダの持ち方に『岸田屋先輩』としての貫禄さえ感じていた。

 

(さっきの煮込みと一緒に分けたる)

 

そう言ってまた間にいる客の背後から、そっと私に皿を渡すイカ。

 

さすがは『岸田屋先輩』である。しっかりと初心者の私に心遣いを……、

 

なんか汚ったねーな!!

 

だがこのポテトサラダもとてつもなくうまい。もちろん手作りだと思うのだが、荒く潰したゆで卵の”白身”がゴロゴロと入っており、ジャガイモとマヨネーズとのバランスも完璧。

さり気なくこれをチョイスする感じも、さすが『岸田屋先輩』のイ……、

 

「めっちゃうまっ!はじめて食べたわ!」

 

ポテトサラダは『岸田屋童貞』だった。

 

 

 

……待てよこの男。

あんなに怒鳴りつけておいて、さっきから全然『岸田屋』の魅力を教えてくれてないではないか……?

『岸田屋先輩』だと思っていたイカに、一抹の疑念を抱き始めた頃、急にイカが動き出した。

 

 

 

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「すんまへん!日本酒ください!」

 

突然、イカが普段頼まない日本酒を頼んだのだ。

確かにこの店の雰囲気に日本酒は合う。そういえば日本酒を飲んでいる客も多い……。

 

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これはきっと、このタイミングで日本酒を飲むことに何か意味があるのだと、もう一度イカを信じて私も冷酒を頼んだ。

 

 

 

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『粋人 生』

冷酒のキリッとした飲み応えが抜群の一献。冷えてて飲みやすいのでグイグイ飲んでしまう。

 

そしてイカを見ると……、

 

 

 

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さっきまでとは違い、どことなく落ち着いた表情で日本酒を飲んでいる。まるで『太田和彦』さんの飲み方を思わせるゆったりとした飲みっぷりだ。

 

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周りの客も、ぼんやりと優しい店の灯りに包まれ、小さいコの字カウンターに身を寄せ合いながら座り、それぞれの楽しみ方をしている。

この独特の雰囲気の中で飲む日本酒……、なんとウットリとするのだろうか。

 

そうか、こうやって客ひとりひとりがこの『岸田屋』で飲み楽しむことが『岸田屋』としての魅力を高めるのだとイカが私に教え…、

 

(おい、味論)

 

(うん……!伝わってるよイカさん!)

 

(……ベロベロや)

 

ただ酔っ払ってただけであった。

 

 

 

 

 

次は一人でくるわいっ!!

 

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岸田屋(きしだや)

ジャンル: 居酒屋
最寄り駅: 月島
住所: 東京都中央区月島3-15-12
TEL: 03-3531-1974
営業時間: 17:00~21:30
定休日: 日曜・祝日

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miron-201710
【出身地】
秋田県秋田市
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