今池「じいやの店」元板前、元作詞家の異経歴を持つ謎の”じいや”に惹き寄せられて・・・
ハシゴ酒をしていると
たまに「え、こんなところにこんな店が!」
と気になりすぎる酒場を見つけてしまう事がある。
それはやはり外観であったり、看板の文字なんかをみて
一瞬で一目惚れしてしまう現象だ。
特にボクなんかは常に〔酒場センサー〕をビンビンに張ってるので
そういった事が人一倍多い。
そんな酒場を見つけてしまったもんなら
これからの予定を変更して、そっちに行ってしまう事なんて日常茶飯事だ。
そして大体そういった店はアタリが多い。
ボクはそういった出会いを”奇跡のマッチング”と呼んでいる。
そんな奇跡のマッチングが
名古屋市今池でも・・・
ボクは渋い酒場が好きだが
それと同じくらい、昭和レトロでディープな場所も大好きだ。
「新今池ビル」
地下鉄東山線「今池駅」の出入口すぐにあって
かなり老朽化が進んでるビルだ。
昔は飲食店や映画館などがあったらしいが
現在は観るからにほとんどの店が撤退いる。(もしかしたらもう営業してる店はないかもしれない)
個室ビデオやピンクな地下劇場があったりなど
全盛期の時の新今池ビルはどんな感じだったのだろうと
モンモンする次第だ。
ほぼほぼ取り壊しが確定してるようなビルだが
壊れる前に入れて良かったと思う。
その後新今池ビルを後にし
目的の酒場へ向かうべく、今池の街をぶらついてると・・・
何やら気になる看板を発見した。
お酒もお得なセットも安い!
しかしそんな事より気になるのが
男性より女性の方が値段が安い事だ。
食べ放題の店やカラオケスナックなんかで
男性より女性の方が安くなるのは分かるが
居酒屋ではあまり見かけない値段設定・・・
今から行く店は決まっている・・・
けれどこの店を行ってからそっちへハシゴする手もある。
しかし今から行く店は人気店で、開店と同時に行かないと入れない可能性だってある・・・
しかしこの看板を〔サカバー〕として無視する事は出来ない。
「1杯だけ呑もう」
5秒ほど悩んだ挙句、ボクは店の扉を開けた。
「もしダメなら1杯だけ呑んで出れば良い」
これはボクがハシゴ酒をする上で大事にしてる信念だ。
もし自分的にイマイチな店に当たってしまった場合でも1杯だけならダメージは少ないし
それもまた勉強になるからだ。
「ここでの失敗は失敗ではなく、成功への近道なんだっ!!!」
なんて
鼻息荒く店へ入るとマスターが何か言っている・・・
「いらっしゃいませ」ではなく
何か不思議な事を言っている。
「店間違えてませんか?ここは居酒屋ですよ」
「はい、そのつもりで来ましたが・・・?」
と思ったが
少しだけニヤけるマスターの表情でその意味が分かった。
どうやら隣接する『エッチなお店』と
入り口間違えてませんか?の確認だったそうだ。
そうではなくこの店で呑みたい事を伝えてると
マスターは笑顔で優しく迎えてくれた。
そういえばこの店の看板を見つけたのも
最初は隣のエッチな店を見てたからだ。
聞くところによると
やはり隣のエッチな店と間違えて、この店に入ってくるお客さんが多いとの事。
店に入ってまず統一性のない椅子やテーブルが
「経費を抑えてる」という企業努力を感じた。
正直に言うと最初は
女性だけ値段を安くするなんて・・・
さてはとんだエロオヤジがやってる店だな?なんて思ってしまったが
そんな事は全くなく、一見の金髪野郎にも優しく接してくれるマスター。
まずは看板に書いてあった
飲み物3杯とおばんざい3品で1320円と言う激安セットをチョイス。
ちびちび呑りながら
グランドメニューも吟味・・・
「そーめん」と「うどん」の
”ん”の文字に少し癖があり、そっちに気が取られてしまう。
現物も独特なヤツなんだろうか。
セットの飲み物2杯目は「生グレープフルーツサワー」をチョイスしたのだが・・・
グレープフルーツ半玉を自分で絞るスタイル。
シロップを使わずに
レモンならレモンをパイナップルならパイナップルを生絞りで呑むサワーは本当に美味しい。
こうなってしまったらセットの3杯なんて一瞬で呑み切ってしまうわけで・・・
この時点で最初に行こうとしてた酒場の事はもうほとんどどうでもよくなっていた。
更にメニューが他にもまだまだある事をここで知らされる。
マスター、ワンオペやのに
めちゃくちゃメニュー数あるやん・・・
珍しい一品料理から
鍋、寿司、そしてイタリアンなど・・・
さてはマスター只者ではないな。
「ホルモンどて煮(300円)」
追加で頼んだどて煮を食べて、その予想が確信に変わった。
マスターに聞いてみると
案の定元々板前をやってたらしく、料理には自信があるとの事だった。
「とんぺい焼き(580円)」
肉をケチってない、ボリューム感あるとんぺい焼きは
関西人をも黙らせるくらい美味しかった。
マスターの有難いお話なんかも聞けて
居心地の良さから
「色々気になるメニューが沢山あるし・・・今日はもうこの店で最後まで完結してもいいかな?」
と頭がよぎるくらいだった。
マスターは音楽も好きみたいで
店内には大量のレコードとCDもあった。
「気になるのがあったら、勝手にかけてくれていいですよ」
と言っていただけたので
一際プッシュされてたこちらのCDを手に取った。
「マスター!この方は今池のスターなのですか?」
「そうですね。ちなみに・・・その歌は私が作詞したんです。」
「え・・・?作詞???」
聞くところによると
マスターは20歳の頃、作詞家としても活動されてたみたいで・・・
その夢を断ち切って、板前になったとの事だった。
「マッチの松葉」
ちゃんと聴いておきます
音楽の話になったので
ここでプチ宣伝させていただきたいのですが・・・
ボクが〔キンミヤボーイ〕として活動してるアコー酒ティックユニット
「金宮BOYZ」の
1st single「コイツが噂のキンミヤボーイ」を2020年3月14日より配信限定リリースする事になりました!!!
すでにiTunes、レコチョク 他 、主要サイトにて配信されてますので
是非ともご購入宜しくお願い致します。
詳細はこちらから
話がズレてしまい、申し訳ございません。
話も進み、酔いも周り
追加でツマミを考えてたところ
揚げ物欄に気になる文字が・・・
「冬休み」
と書かれ、メニューが消してあるではないか。
「これって本来何てメニューなんですか?」
と聞くと
マスターは水槽を指差した。
冬休みメニューの正体は「どじょう」だった。
何故どじょうが冬休みかと言うと
「寒いシーズンは値段が高いから冬休みにしてる」との事だった。
「今水槽にあるだけで、1人前は取れるんじゃないですか?」
と聞くと
「ちょっと飼ってるとなんだか可愛く思えて来ちゃってね」
と笑うマスター・・・
食べてみたいと思ってしまった自分が少し恥ずかしかったです。
最後はマスターとダブルカリスマポーズで
『カリスマジュンヤの酒場de2Shot!!!!』をいただいた。
ちなみに本来なら
マスターの人柄からか
女性客も多いとの事だったが、ボクが滞在した時間帯は珍しく一人も来られなかった。
酒場での『奇跡のマッチング』は多くなってきてるが
肝心の女性とのマッチングは・・・
最近めっぽう無くなったなぁ。
じいやの店(じいやのみせ)
住所: | 愛知県名古屋市千種区今池1-13-3 |
---|---|
TEL: | 090-7677-0691 |
営業時間: | 17:00~翌3:00 |
定休日: | 不明 |