柴又「春」酒よ酒よとささやきながら・・・
はーるの 小川はさらさらいくよ~♪
きーしの すみれやれんげの花に~♪
京成高砂から北総線で二つめ
矢切駅
へやってきた
地名はやきり
だが
駅名はやぎり
と読む
「今日から矢切駅が開業します」
「やったー やきりえきーー!!」
「あっ やきり ではなく やぎりにしようかと・・・」
「なんやとーー!!」
「そのほうが発音しやすいし・・・」
「き が ぎ になるってことか??」
「はい・・・」
「ほな 何かい??」
「え・・・?」
「キティちゃんは ギティちゃん ってことか!?」
「可愛くないな・・・」
「北乃きい は ぎたのぎい ってことか!?」
「何か嫌やな・・・」
「樹木希林 は ぎぎぎりん ってことか!?」
「怖い怖い怖いっ!!」
開業当時は
そんな会話が
繰り広げられたのだろうな
改札を出ると
渡し船が展示されている
気持ちを煽ってくるじゃない・・・
目的地までの道のりが長いのは
望むところ
温かい日差しが
背中を押してくれる
無人の八百屋さんて久々に見た
癒されるな
矢切ねぎ
なんてあったのか
売り切れてなければ
買っていただろうな・・・
うほっ!!
空って
こんなにでっかかったっけ
これが
矢切ねぎかしら・・・?
広大な畑を横切る爽快感よ
駅から歩くこと
30分
ようやく見えてきたぞ・・・
若干の疲労感からの
達成感
土手の上からの眺めが
素晴らしい
河川敷を岸へ進むと
ちょっとしたお店が
近いぞ・・・
出たっ!!
矢切の渡しっ!!
男はつらいよ
野菊の墓
そして
細川たかしの歌で
その存在を知る渡し舟
最初に歌ったのが
ちあきなおみだと知ったのは最近だ
実在・・・
してるんだな・・・
お世辞にも
見た目がいいとは言えない
江戸川沿いに船が到着
手漕ぎではないのですね
イメージ的には
こんな感じの船頭さんが
漕いでくれるのか
と
想像していたが・・・
ジーパン姿のお兄サマが
運転
して下さる模様
うん
とて
風情に問題なし
顔や体をなでる風が
心地いい
ジーパンお兄サマは
独り言のように
口上を述べてらっしゃる
「勝ってくるぞと板橋区 清く貧しく葛飾区」
耳をなでる声もいい
時間にして10分弱か
柴又側の
船着き場に到着
うん
いい200円の
使い方が出来た
男はつらいよのオープニングで
寅さんが
ドタバタ劇を繰り返す河原を
通り過ぎ・・・
帝釈天
参道
柴又駅を
横目にたどり着いたのは・・・
春
以前は
改札から5秒の場所で賑わっていた
春
駅前の工事の影響で
一旦こっちに引っ越ししてるらしい
矢切駅からの
渡し舟からの
春
なんてゴキゲンな
酒日和
すーがたやさしく色美しく~♪
鼻歌交じりに
暖簾を押した
店内は
カウンターとテーブルが一つ
以前同様小さなみ・・・
いや・・・
「いらっしゃーい 奥どうぞー」
ママさんにお声を頂く
奥・・・?
奥には
大きなテーブルが3つもあった
ご時世的に
これはゆったりしてて
嬉しい限りだな
歩いてきたので
ビールが旨い
喉と体が喜んでいるのがわかる
さあ
眺めようか
先ずは
おツマミのメニューではなく・・・
壁に貼ってある
有名人の写真の数々を
南部虎弾率
が高いのも気になるが
何と言っても・・・
この写真に
目が釘付けだ
寅さんカッコいいな
隣の女性キレイだな
お嬢ちゃんカワイイな
この女性とお嬢ちゃんと
今
同じ空間にいれてると思うと
感慨もひとしおだ
視線をメニューのほうに
諸々あるけど・・・
まぁこれですな・・・
ニラオムレツ
渥美清さんも
ココのオムレツが好物だったと
聞いたことがある
何オムレツだったかは忘れたが・・・
形は
洋食屋さんのそれとは異なるが
味は絶品
ちょうどいいしょっぱさで
ビールが進む
隠れマカサラ
もタップリで
長持ち
するヤツだ
打たれたのなら響かねば
「ママさん ブラジャー下さい」
「あんたも好きねぇ」
「あと 赤ウインナーをタコさんで貰ってもいいですか?」
「はるかに言ってみるね」
「はるか・・・さん?」
「厨房にいる娘よ」
「あっ お願いしますっ!!」
はるか
っていうお名前なのか・・・
ブランデーとジンジャーエールで
ブラジャー
横須賀でもよく見かけたし
西船橋の
でも呑んだな
そして
「タコが宇宙人になっちゃったってー」
とママさんが出して頂けたのが
はるかさんが
こさえてくれたという
タコさんウインナー
はるかさん
お手数おかけいたしました
にしても・・・
悪い顔しとんなぁ・・・
ブラジャーでほろ酔いも
自分へ
もうひとご褒美
からいよ
のキャッチコピーでお馴染み
レッド春
も所望した
焼酎に
唐辛子を漬けたヤツの水割りを
ヒーヒー言いながら啜る
微笑みながら
見つめてくれるママさんに
ここぞとばかりに
質問させて頂いた
「春っていう店名は 娘さんからとったんですか?」
「実は違うのよ」
「えっ・・・」
「アタシの旦那がね・・・」
「ってことは はるかさんのお父様」
「そう それがね」
「はい」
「はるき っていうからソコからとったの」
「そうだったんですね」
「あっ あと名前でいうとね・・・」
「はい」
「次女がいるんだけどね」
「妹さんが・・・」
「生まれた時 さくら っていう名前にしようかと思ったの」
「さくらっ!! 寅さんの妹の名をっ!!」
「それを 渥美さんに相談したらね」
「ご本人にですかっ!!」
「妹をさくら?? ダメだよややこしくなっちまう って言われてね」
「はいっ!!」
「ってことで さくらを諦めたの」
「ホンマですかっ!! 因みに妹さんのお名前は?」
「すみれ って名付けたわ」
「ワァオッ!! まさに春の小川ですね」
「あはは」
すみれさんは
今
メルボルンでカフェを経営してるそうな・・・
お会計をして
はるかさんに会釈をして
春を後にした
柴又駅で時計を見ると
まだ16時
もう一軒だけ・・・
立石にでも・・・
酒よ酒よとささやきながら~♪
春(はる)
住所: | 東京都葛飾区柴又4-8-16 |
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営業時間: | [月~金] 16:00~23:00 [土・日・祝] 10:30~23:00 |
定休日: | 不定休 |