パリッコさんは

以前渋谷にあった酒場

細雪

のことを

見える人にしか見えないお店

と綴ってらっしゃったが

仰る通り

 

いざ

立石に住み始めてみると

今まで見えてなかった

モノ酒場

がだんだんと浮き上がってきた

 

ただ

得てしてそういう酒場は

入りづらい

という共通点がございまして・・・

 

 

仲見世のそんな酒場を3軒ほど

 

 

 

 

暮れなずむ立石

 

栄寿司が暖簾を下すかわりに

ぽつぽつと仲見世商店街に

灯りがともりだす

 

 

 

 

説明不要の総菜屋

仲見世の入り口に鎮座する

トリゼン

 

えっ？

 

そのお隣に・・・

 

 

 

 

ビニシー酒場がっ！！

 

こんなとこあったっけ・・・

 

宇ち多゛の出口の斜め向かいなので

そっちばっか見て

気づかなかったのだろうか・・・

 

 

1軒目は

東京屋台　多じ満

 

 

それにしても・・・

 

黒帯男の巣窟の匂いがプンプンと・・・

 

入った瞬間

 

「ほざけっ！！タイガーショットだっ！！」

 

っとキックをお見舞いされやしないか・・・

 

手のひらに

日向小次郎は弟妹には優しい

と書いて飲み込み

勇気を出してビニールシートをめくった

 

 

 

 

嘘んっ！！

 

女性陣っ！！

 

 

カウンターには

狂暴罵倒とは無縁であろう

美しどころが

 

ふう・・・

 

胸をなでおろすことができた

 

 

 

 

店内には

テーブルも二つある

 

座らせて頂くと

アレに見えるは宇ち多゛じゃないか

 

いつも思う

 

あの位置で呑んでるお客さん

隙だらけだよな

 

ケツポケットの財布

スられた人とかいないのかしら

 

 

 

 

マスターは

コージさん

と呼ばれてらっしゃる

 

女性が多い理由はコージさんか・・・

 

会話のテンポが心地い

 

立石の瀬戸内寂聴

なんて異名があるんじゃないか・・・？

 

知らんけど

 

 

 

 

壁のメニューをチラリと・・・

 

おんやっ！！

 

 

 

 

素敵っ！！

 

タコさんウインナー発見っ！！

 

これがある酒場の

お客さん笑顔率

は100パーと言っていい

 

 

 

 

ケチャップと粒マスタードと

優しさが添えられて300円

 

原作者

尚道子

も天国で微笑んでいることでしょう

 

 

 

 

案ずるより産むがやすし

 

入ってしまえば

僕のようなイチゲンな客にも

あたたかいマスターと常連さん

 

トマトの天ぷらなんてあるのか・・・

 

通わなきゃ

 

 

 

タコさんウインナー巡礼

残り44軒

 

 

 

 

2軒目は

こちらもまぁまぁ入りにくい

鳥勝

の斜め向かいでやってやっしゃる・・・

 

 

 

 

キッチンフジ

 

 

ガラス越しに

中に人がいるのは確認できるが

暖簾も出ていない・・・

 

トイメンの

サクライの餃子屋さん

の店主さんに聞いて

酒場であることは確認できた

 

 

 

 

おおよそ

ハンバーグやハヤシライスが

出てくるとは思えない

 

キッチンフジという屋号は

前の店の名前を受け継いでいるのか・・・？

 

 

入った瞬間

内藤大助に

 

「亀田興毅のヤロウッ！！」

 

っと左ボディを

入れられたりしないか・・・

 

手のひらに

いじめられっ子のチャンピオンベルト

と書いて飲み込み

勇気を出して扉を開いた

 

 

 

 

カウンターだけの店内は

4人も座れば満席か

 

お母サマがお一人でやられてるご様子

 

ふぅ

 

その優しそうな笑顔に

胸をなでおろす

 

 

チューハイをお願いした

 

 

 

 

おツマミのメニューは見当たらない

 

その日は

カワキモノだけだったが・・・

 

 

 

 

2回目の時は

カワキモノからの・・・

 

 

 

 

冷しゃぶを出して頂けたっ！！

 

 

3回目はステーキ

4回目はキャビア

5回目はツバメの巣

とステップアップしていきそうな気がして

通うのが楽しみでならない

 

 

 

 

あっ

店名の由来聞くの忘れた・・・

 

まぁ次回で・・・

 

泥酔してなければ思い出せるでしょう

 

 

 

 

最後3軒目は

焼肉食材店ふじた

の向かいにある・・・

 

 

 

 

中なかみっちゃん

 

 

中みっちゃん中が見えないじゃん

 

 

 

 

入った瞬間

LiLiCoリリコに

 

「歓びを歌にのせての　感動するところはー」

 

っと知らない映画の良さを

延々と説明されやしないか・・・

 

手のひらに

実は肉食系ではなく考え方が古風な女性

と書いて飲み込み

暖簾を押した

 

 

 

 

年齢層高っ！！

 

 

ご夫婦で

切り盛りされているご様子

 

お客様含め

皆様70代ではなかろうか

 

 

萎縮・・・

 

してしまう

 

 

 

 

「あら初めてだねお兄ちゃん　隣おいでよ」

 

 

一人酒なされているお姉サマに

お声がけ頂き

足の震えが止まる

 

その愛くるしい笑顔を見て

胸をなでおろす

 

ふぅ

 

 

 

 

メニューは豊富だ

 

もち入り豚キムチ・・・

温奴・・・

やきそばカレー味・・・

 

選びかねていると

ママさんが

 

「肉じゃが作ったけど食べるかい？」

 

それこそ食い気味で

 

「いただきますっ！！」

 

 

 

 

うわぁぁぁぁぁ

 

実家色じっかいろぉぉぉぉ

 

 

 

 

思春期に父親が再婚相手を家に連れてきたら

反発して

目も合わせないだろう

 

その再婚相手が

この肉じゃがを出して来たら

「ご馳走様お母さん」

と言ってしまうだろう

 

それぐらい

優し旨い

 

 

 

 

玉子焼きの仕上がりに心が安らぐ

 

この

すべてを受け止めてくれそうな

包容力はどうだ

 

食べるより・・・

 

もう巻かれたい

 

 

 

 

お隣のお姉サマは

 

「これ　バレない様にお食べ」

 

と　オヤツをどんどんくださる

 

コソコソとソレを食べる僕

 

その一連を

にこやかに見ている

店主ご夫婦

 

 

癒ししかない

 

 

全ては入る勇気

 

怖さを補って余りある

歓びを頂ける

 

 

 

 

ココも気になるなぁ

 

 

 

 

 

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