ある日

職場の休憩室でスマホをいじっていると

 

 

「イカダツさんって　酒場ナビのイカさんですよね」

 

 

と　小声で話しかけられた

 

 

イカダツとは僕の苗字

話しかけてきたのは

ユナちゃんという女の子だ

 

 

ユナちゃんは昼　この会社で働き

夜は服飾の学校に通ってる頑張り屋さんらしい

 

らしいと言ったのは

僕とユナちゃんは挨拶程度しか交わしたことがなく

なんなら目があったこともない・・・

 

あくまで周りの噂で聞いてたぐらいの情報だからだ

 

ただその橋本愛に似た可愛らしさと

凛とした雰囲気を

時折　横目で盗み見てはいた

 

 

 

「えっ？　知りませんけど・・・」

 

 

 

なんて僕は答えてしまった

 

 

なぜなら

昼休み呑み

なんて企画をやっている事情で

職場では酒場ナビのことを

何が何でもバレないようにやってきたからだ

 

 

 

「大丈夫ですよ　誰にも言いませんから」

 

 

 

ユナちゃんは

事情はわかってますからの表情でそう言ってくる

 

 

 

「誰にも言わないかわりに　今度どっか連れてってもらえませんか」

「えっ？」

「アタシもああいう感じのところ好きなんですよ」

 

 

 

なんかドキドキしていた・・・

 

 

おそらく僕の半分ぐらいの年齢の女の子に

操られている・・・

 

ユナちゃんの放つ　

その静かなトーンが

悪いことをしようとしてる感を煽る

 

 

 

「えっ？　ユナさんってお幾つなんですか？」

「アタシ２２歳です」

「そうですか・・・　立石でもいきますか」

「いいんですか」

「ただ・・・　記事にはさせてもらいますよ」

「あはっ　望むところです」

 

 

 

 

 

 

 

 

ドキドキしていた・・・

 

 

 

 

 

 

 

待ち合わせは立石の駅にした

 

お互い東京の西側に住んでいるのだが

正直　二人きりの電車で会話がもつか不安だったからだ・・・

 

 

 

それにしても

女の子と二人で呑みに行くなんて何年ぶりだ？

 

ましてや相手は２２歳

 

通い慣れてるはずの立石で

ドッシリ構えられないのは

それらのせいだろう・・・

 

 

 

 

１軒目はド直球

宇ち多にした

 

 

「あんまり派手にならないように　あえてマダム服にしたんですよー」

 

 

そういやユナちゃんは

いつもはTHE服飾学生の装いだが

たしかに今日はおとなしいカッコだ

 

 

 

 

それでもやはり２２歳

 

開店前の宇ち多に

先輩方に混じり並んでいる光景は

違和感しかない

 

 

 

 

入店してからもその違和感は続く

 

この日はユナちゃん以外全員男性客

 

店員のお母サマを含めても

おっぱいが４個しかない宇ち多

 

 

ユナちゃんは

その雰囲気に

 

「わー　わー　わーーー」

 

と　オーロラを見たかのような声を挙げている

 

 

 

 

まずは素晴らしすぎるネーミングの

瓶ビールを貰う

 

 

 

 

酒ゴングを鳴らし

喉を掃除する

 

ユナちゃんは

グラスを一気に空にして

 

「クゥーーー　　幸せです」

 

なんて口から洩らしやがる

 

 

 

 

宇ち多で呑まれたことのある方は

ご存知だと思うが

この店は

人と人との距離感が狭い

 

隣同士に座った僕とユナちゃんの距離も

勿論狭い

 

動くたびに腕や膝が触れ合ったりする

 

ドサクサで宇ち多で数少ないおっぱいを

肘に当ててみても

許されそうな距離感だ

 

 

 

 

 

ドキドキしていた・・・

 

 

 

 

タンナマアカイトコ

を貰ってみる

 

 

 

 

２２歳の女の子が

豚のベロをベロで舐めている

 

 

僕はなんとなく

以前カリスマジュンヤが書いた記事

幡ヶ谷　萬月　ディープキスに燃えた夜

を　思い出していた

 

 

 

 

僕が

 

「焼酎にエキス入れた　ウメ割とか葡萄割りとかありますがいきますか？」

 

と　尋ねると

 

「望むところですっ！！」

 

と　ユナちゃん

 

 

嬉しい・・・

 

 

自分が薦めたモノを

喜んでくれる快感・・・

 

 

 

 

しかもそれを

見せつけんばかりに

口から迎えに行くこの感じ・・・

 

 

 

エロいことを

想像するなってほうが難しい・・・

 

 

 

 

煮込みもツマみつつ

折角なんで焼きもとなり

まぁ　これはダメもとで

 

「アブラいってみますか？」

 

と　聞いてみた

 

「アブラって脂身のことですかっ？」

「うん　ほぼほぼ脂身」

「はいっ　望むところですっ！！」

 

 

 

 

アカン・・・

気持ちよすぎる・・・

 

 

 

 

 

アブラとカシラをタレで貰う

 

 

「アタシ好き嫌いないんですよー」

 

と　

口のまわりタレがついても

気にせず頬張るユナちゃん・・・

 

 

 

 

僕は思わず

 

「その　望むところです　っていうの好きですわー」

 

と　言ってしまった

 

 

 

 

 

 

 

「あはっ　じゃあ今日はあと何回も言わせて下さいね」

 

 

 

 

 

 

若干２２歳でこんな言い回し

どこで覚えたのだろうか・・・

 

 

 

ほろ酔いとドキドキのまま

宇ち多を出た

 

 

 

 

完全に手のひらの上状態の僕は

 

望むところです

 

が聞きたくて

すかさず向かいの栄寿司に

ユナちゃんを誘い込むのだが

 

 

それは

また次回に・・・

 

 

 

 

つづく

 

 

立石「栄寿司～しらかわ」２２歳の女の子と呑んべ横丁のスナックにいってみた

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