幡ヶ谷「萬月」ディープキスに燃えた夜。
渋谷区幡ヶ谷近辺在住の方はこの『萬月』という酒場を知ってるであろうか。
この酒場・・・
ほとんど営業していないのである。
あれ?
もう潰れたのかな?
と思ってると、たまに営業されてたり。
かと思えばまたしばらくお店を閉めてたりするのである。
牛タン酒場とのことであるが
牛タンの仕入れが季節によって違うとか、そんな事を考えてみたりもしたが
牛タン事情でそんな事はどうやらなさそうである。
ずっと気になってはいたのだが、営業してる日に限ってその日は予定があったり
はたまた満席で入れなかったりで
近所にある酒場なのに、なかなか呑みにいけるタイミングがなかったのだ。
しかしついに先日、イカ氏といつものようにブラブラしながら
どちらかが誘うわけでもなく、自然と当たり前のように今宵の酔い場を探してたところ
なんと数ヶ月ぶりに『萬月』が営業してたのだ!
一応初めて行く酒場なので、奥義「暖簾引き」で店内を確認してみた。
すると運良く2席空いてるではないか。
これは酒場の神様が
我々に今宵の酔い場を与えてくれたのであろう。
何も迷うこともなく、早速入店することにした。
外観しか見た事がなかったのだが、店内もやはり酔い感じに渋い。
メニュー短冊もカッコいい。
そして何より店内が”激狭“なのである。
何はともあれ、まずはいつも通りビールで喉を洗うのだ。
ビールは珍しく瓶のハートランドであったのだが、何かこだわりがあるのであろうか。
ハートランドを飲みながら、何を食べるか慎重に品定めだ。
店内カウンターのみの8席くらいであったが、満席であったのと
店員さんが一人でとても忙しそうにしてたので
二人でじっくりと今宵のスターティングメンバーを品定めしたのである。
周りから見たら、我々の真剣な眼差しでメニュー表を見る姿はプロ野球の監督とコーチばりに緊張感があったであろう。
まずは王道の牛タンの”焼き”と”茹で”で様子を見る事にした。
すぐにナイスビジュアルの牛タン焼きが我々の前に姿を現した。
大きくて肉厚な牛タンで、食べ応えがあり
味も美味しく上質な感じがした。
牛の野郎・・・
良い舌持ってやがるじゃねぇか。
そしてゆでたんである。
牛タンは焼きでしか食べた事がなかったし、別にゆでたんに興味もなかったのだが
食べた瞬間あまりの柔らかさに驚いた。
まるで人生で初めてディープキスをしたときの気分になれた。
牛タン料理は女性に人気のイメージがあるのだが、その柔らかい舌触りを好んでるのであろうか。
酒も進み、イヤラシイ気分で創造は膨らむ・・・。
そんな時我々の隣の席に、一人の女性客が入店してきた。
その落ち着き加減と慣れてる感じからして
おそらく常連客さんであろうと一瞬で分かった。
席に座ると同時に店主さんへ
「牛タン定食お願いします。」と告げる。
すぐに運ばれてきた牛タンに勢いよくディープキスする姿が物凄くエロく見えたのは
ちょっと考えすぎであろうか。
イヤラシイ気分になってきたので、追い討ちをかけるために
ここでどぶサワーというものに切り替えた。
白濁であった・・・。
イヤラシイ気分は更に高揚する。
運ばれてきた白濁の真っ白い飲み物を見て
隣に居たお客さんが「それなんですか?」と不思議そうに質問してきたのだ。
店が狭い分お客さんとの距離も近いので、こういった些細なことで初対面の方と気軽に会話できるのは
狭いお店の良い所でもある。
「どぶサワーっていうのは多分、どぶろくを・・・」
と筆者が説明しようとしていたところを
隣に居たイカ氏がかぶせ気味で
「そこらへんのドブの水を炭酸で割ってるらしいっすよ!!!」
と、筆者越しに強引に答えたのである。
あまりの強引さに、筆者はツッコむ事が出来ず
隣のお客さんもポカーンとしてたのを
ほろ酔いであったが、これを書いてる今でも鮮明に覚えている。
気を利かしたボケを殺してしまった事を、この場を借りてイカ氏に謝罪したいと思う。
続いて追加で注文してたオススメの牛タンシチューが運ばれてきた。
先ほどの隣のお客さんに必須で頼むべきだ!と言われた「ぱん 150円」も一緒に頼んだ。
オススメの名に恥じない牛タンシチュー、いくらでも食べれそうな気がした。
このタンも舌にとろける柔らかさである。
(※タンの柔らかさを舌にとろけるという表現はややこしいので、これをみてる酔い子の酒場のみんなは絶対に真似しないようにしよう。)
先ほどのどぶサワーもそうなのであるが、『萬月』はいくつか気になるメニューがあるのだ。
例えば、この「ジャズ」というメニューなのだが
聞くところによると、じゃがいものを醤油バターで味付けしたものらしい。
なぜジャズと呼ぶかは謎である。
一際目立つ「アルバイト」は・・・
普通にアルバイト募集中との事であった。
ちなみに東京都のアルバイト最低賃金は時間額932円である。
このまま突っ走ってほしいものだ。
次いつこの酒場にこれるか分からないので、記念にこの「萬月Tシャツ」を買おうと思ったのだが、今は販売してないとの事なのでご注意を。
トイレはお客さんの後ろを「すみません~すみません~」と
狭すぎる通路を通っていくのである。
ドアを開けると、物置き兼トイレの通路が見えてくる。
こちらの通路も生活観が出てて、かなり狭いので気をつけて欲しい。
トイレで用を足した後は、節電の為に「消灯をお願いします」と
萬月オバケが可愛く注意喚起してくれるのだ。
ちゃんと電気を消すと、萬月オバケは「ありがとう!!」と可愛く礼も言ってくれる。
「トイレットペーパーは右上に”ウェイティング”しております!!」
と書いてある。
(ウェイティングとは”Waiting”という意味であろうか。)
なぜルー大柴ばりの口調で英語を使ってみたんであろうか・・・。
雨漏りもするみたいなんで注意すべき事が多いトイレといった感じである。
「酒場トイレナビ」わかりやすかったであろうか?
トイレから帰ってくると、大忙しからひと段落終えた店主さんが洗い物をしてたので話かけてみる事にした。
筆者「なんでこのお店いつも休んでるんですか?」
店主「体調が持たないんですよ。あと気分が乗らなかったら平気で半年休んだりもします。」
筆者「休んでる間は何されてるんですか?」
店主「家で寝てます。」
そんなちょっぴりだらしない店主さんであるが、牛タン料理の味は確かである。
ツーショットを照れる店主さんと無理やり酒場 de 2 Shot!!!!
「幡ヶ谷三大酒場」は筆者の独断で、すでに3つ決まってるが(参考:各駅三大酒場〜幡ヶ谷編〜より
この『萬月』の訪問で、もしかしたら入れ替えがありそうな気もしてきたんで、今一度しっかりと考えて更新していきたいと思う。
古いピンク電話と商売繁盛の福の神「仙台 四郎」の置物もあって
なんだか安心感が生まれた。
「店主さん、体調お大事に!」と告げ
次いつ来れるか分からない『萬月』を後にした。
美味しい牛タンを食べる(キスする)のも良いけど・・・
やっぱり酔いが回ってくると、可愛い女の子とキスがしたいなぁ。
萬月(まんげつ)
住所: | 東京都渋谷区幡ケ谷2-8-5 |
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TEL: | 03-3374-2474 |
営業時間: | 18:00~1:00 (多分店主さんはこう言ってた) |
定休日: | 不定休(結構休み) |