浅草「捕鯨船」いつか売れると信じて・・・
新年明けて
2018年”酒場始め“は浅草で決行する事にした。
浅草で昼から呑んだくれるプランもありだが、まずは浅草の昭和レトロな遊園地「花やしき」にて遊ぶ事にした。
【酒場ナビ酒訓第10条】に
「いつ潰れるか分からない古い酒場は潰れる前に訪問を済ませろ」
という掟がある。
この掟は酒場だけではない思っていた筆者(カリスマジュンヤ)は
いつ潰れるか分からない「花やしき」をこのタイミングで行くしかないと思い、乗り込む事にした。
全ての乗り物に年季、歴史、哀愁を感じた。
いつ壊れてもおかしくないアトラクションに
違う意味の恐怖を感じ、最初で最後だろうと思う「花やしき」を全力で楽しんだ。
無心に遊び続け・・・
気づけば、日もとっくに暮れ
閉園時間の18時を迎えようとしてた。
始まりがあれば、終わりがある
最後の最後まで一人でも多くの人に笑顔を与えて欲しいものだ。
「花やしき」を出たあと
2018年1発目の酒場を
酒場人なら誰もが知る「捕鯨船」で渋くキメる事にした。
看板には
くじらの店
鯨を喰って 芸を磨けっ!!
と書いてある。
酒場人なら誰もが知る【浅草酒訓】である。
隣に書いてある”十六”という数字は浅草酒訓第16条という事なのだろうか。
数々の著名人のサインが書かれた店内へ飛び込むと
運よく待ち無しで入れる事が出来た。
「捕鯨船」と言えば
ビートたけしさん。
ビートたけしさんと言えば名曲「浅草キッド」だ。
「浅草キッド」の歌詞では
『夢を語ったチューハイの~・・・』
とあるので、迷いなく最初から決めてたチューハイ(480円)を注文する事にした。
氷がはみ出しグラスなみなみに注がれた濃い目のチューハイを見て
「お~これがあのチューハイか~!」
と一人テンション上がり、脳内BGMは勿論「浅草キッド」が流れた。
『煮込みしかない~くじら屋で~~』
その煮込みがよく見れる特等席に座れたのも
2018年酒場運を占う好調の出だしだ。
脳内BGMの「浅草キッド」が止まらず、爆音で流れる・・・
「ねぇちゃん!煮込みちょうだい!」
気持ちが高ぶった筆者は普段なら使わない口調で
明らかに年上の女性店員さんに偉そうにそう言い放った。
気分は間違いなくビートたけしさんだったはずだ。
泡のはじけたチューハイを呑みながら
まずはこの牛にこみ(630円)をすぐには手をつけずに〔おニラミ〕した。
この煮込みならビジュアルだけで、チューハイ1杯は吞めるはずだ。
しかしまぁ歌詞に出てくるくらいなので、そこまで味には期待してなくて
「言ってもどうせビジネス煮込みだろう」と思って食べたのだが・・・
これがまぁ絶品の本格派煮込みだったのだ。
心の底で少しだけバカにした煮込みに対して
店内に飾ってあるたけしさんを見つめ、心から懺悔をした。
これから「捕鯨船」へ訪問される方は
牛にこみ美味しいので、必須で頼んでください。
派手な店内は全く飽きず、この店内観察がまた立派な”酒のアテ”になり
チューハイをおかわりした。
せっかくなので、鯨料理も頂く事にし
「ねぇちゃん!追加でミックスちょうだいっ!」
と、またしても似てもないビートたけし風口調で
年上の女性店員さんに偉そうに注文した。
くじらの刺身が出来上がるまで、ひたすら店内観察。
脳内BGMで「浅草キッド」が流れるなかでの店内観察は全く飽きなかった。
皮とさしみのミックス(1600円)
くじらの皮と赤身の刺し身である。
皮は物凄く脂感が強くて、好き嫌い分かれる味であった。
赤身に関しては、さすが哺乳類だけあって
魚の肉っぽさはなく、動物系の肉で食べやすく、味も美味しかった。
新年早々、鯨を喰って芸を磨けたので、縁起も良い事だし
脳内BGMの「浅草キッド」が7周目くらいに入ったところで
お会計を促した。
待ってる間に目に入ったこの「捕鯨船皿」がどうしても欲しくなった。
酒場GOODSマニアのチーム酒場ナビメンバーにこの「捕鯨船皿」をお土産に持って帰ったら
一体どんな反応をしてくれるだろうか。
味論氏なら、興奮して写真を撮りまくりSNSに何度もあげるだろう。
イカ氏に関しては、おそらく最低5000円で売る事も出来るだろう。
思い切って店員さんに聞いてみた。
「ねぇちゃん、この皿くれねぇか?」
ここに来てまたしても偉そうに、ビートたけし風口調で聞いたのがまずかったのか・・・
「いや、これはあげれないです。」
との事だった。
その後キャラを戻して、素の自分で
「お願いします!お金払うんで売ってください!」
とお願いしたのだが、思いは届かず売ってもらう事さえも出来なかった。
恐らく筆者だけでなく、色んな方が「売って欲しい」とお願いしてこられたのであろう。
諦めて帰りかけようとすると、店員さんが
「これ船長の名刺なんですが、良かったらどうぞ!」
と店主河野さんの名刺を頂いた。
「ねぇちゃん・・・ありがとな。」
そう店員さんに告げ、店をあとにした。
『そんな時代もあったね』
と売れた頃の思い出話に今日「捕鯨船」で呑んだ事は覚えておきたい。
鯨を喰って、芸を磨いた筆者は
『いつか売れると信じて』いつになく自信満々な夜になった。
いや、正確には酒とこんな自分に酔ってただけであろう・・・
捕鯨船(ほげいせん)
住所: | 東京都台東区浅草2-4-3 |
---|---|
TEL: | 03-3844-9114 |
営業時間: | [月・火・水・金] 17:00~22:00 [土・日・祝] 16:00~22:00 日曜営業 |
定休日: | 木曜日 |