前回

ユナちゃん

という女の子と

三角公園で呑んだという

記事を書いた

 

今回はそのつづき

 

ご覧になられてない方は

是非とも

そちらから見てやって下さいませ

↓

２３歳の女の子と西成の三角公園で外呑みしてみた

 

 

 

 

ユナちゃんは

西成の

下調べをしていたらしく

僕がいったことのない

いい店

に　連れてってくれると言う

 

 

「どこなんその店？　はよ行こうや」

「まぁまぁまぁ　そう慌てなくても」

「へ？」

「多分まだ開いてないと思うんですよね」

「・・・そうなんや」

「せっかくだし　この辺プラプラしてみたいです・・・」

 

 

 

 

三角公園を出た

僕とユナちゃんは

西成の街を

散歩することになった

 

 

 

 

実は

三角公園よりも

香ばしい

と　噂される

萩之茶屋中公園

に来てみた

 

 

「わー　ワンちゃん　いっぱいですねー」

「ワンちゃんとなっ？」

「はい　ワンちゃん」

「特殊先輩の　お犬様　そう表現するかね」

「ワンちゃんはワンちゃんですよ　カワイイ」

「ふーん」

「走り回って　カワイイ」

「ふーん」

 

 

「・・・この　特殊ドッグランで」

「特殊　って言うてもうてるやん！！」

「・・・この　特殊ドッグパークで」

「特殊ドッグパークってなんじゃい！！　ってか　なんで倒置法やねん！！」

「なんで倒置法やねん　って言われたかったんです」

「思うツボやったみたいやな！！」

「あはっ　あはははっ」

 

 

 

 

それにしても

この環境で

ビール片手に

ケタケタ笑えるもんだ・・・

 

 

２３歳の女の子が・・・

 

 

 

「路上でモノ売ってるところいきたいです・・・」

「福祉センターのほう戻ってみよか」

 

 

 

特殊ドッグランを

後にした

 

 

 

 

西成といえば

路上販売

 

それを眺めながら

二人で歩く

 

 

あれっ？

 

 

ふと気付くと

ユナちゃんの姿がない

 

 

 

 

振り返ると・・・

 

 

 

 

嘘ーーん

 

ガチ見してるやーーん

 

 

 

 

「いや　何を本気で見てんねん！！」

「このハット　可愛くないですかっ？」

「っていうか　スカート地べたに　バキバキに触れとるやないかい！！」

「別にいいですよ　これぐらい」

「西成の地べたナメんなよ！！　スカート溶けるぞ！！」

「まさかですー」

 

 

 

 

「これ２００円ですよ　買おうかなー」

「やめとけっ！！」

「ええー　可愛いのにー」

「そんなん　志茂田景樹でもかぶらんぞ！！」

 

 

 

 

「わー　原田知世のレコードありますよー」

「ブレンディー！！」

 

 

 

 

こんなやりとりをしていると

若い女の子が珍しいのか

一人の先輩が

近寄ってこられた

 

 

 

 

僕は

ちょっと距離を取り

先輩をユナちゃんに

任して

みた

 

 

「オネエちゃ～ん　どっから来た～ん？」

「あはっ　東京ですー」

「何探してんの～？」

「あははっ　なにかいいモノあればー　と思ってー」

「ワシ　３００円で泊まれる宿　知ってんで～」

「あはっ　すごーい」

「１０円でジュース買える自販機　知ってんで～」

「あははっ」

「あそこでピカピカの１０円玉　２０円で売ってたで～」

「あはっ　あははっ」

「うふふ～」

「お父さん　物知りだー」

「ぐふふふ～」

 

 

 

 

 

なんじゃ

この会話っ！！

 

 

まぁ

お互い楽しそうなんで

暖かく見守った

 

 

 

 

「お父さん　スーパー玉出ってどこですかー？」

「あっぢ～」

「ありがとうございます　お父さん　じゃあまたー」

 

 

僕らをずっと

見つめている先輩に

若干の

後ろ髪を引かれながら

スーパー玉出の前にやってきた

 

 

 

 

「わー　これがスーパー玉出なんですねー」

 

 

ユナちゃんは

ラベンダー畑でも見てるような

テンションで仰る

 

 

「中入る？」

「後のお楽しみにしときます」

「えっ？」

「そろそろ　お目当ての店　開店すると思うんで」

「ここらへんなんや？」

「道路わたって向かいです」

 

 

「えっ？　もしかして・・・」

 

 

 

 

出たっ！！

 

おでん深川

 

 

 

細い路地に

隠れるかのように潜む

看板もない店

 

 

 

開いてるの

初めて見た・・・

 

 

 

 

「イカさん　ココきたことないでしょ」

「うん　来たい来たいとは思ってたんやが」

「開いてて良かったですね」

「うん　でもなんで　僕がココ来たかったって知ってんの？」

「誰かに聞いたかなぁ」

「味論かジュンヤか？」

「どうかしらー」

「まぁ　とにかくユナちゃん有難う」

「あはっ」

「そして　ピュアさん　有難う御座います」

「ピュアさん？？」

「まぁまぁまぁ」

 

 

 

 

店頭でお母サマが

大きな鍋で

おでんを炊いてらっしゃる

 

「呑めますか？」

 

そう尋ねると

 

「もういけんでー　ビールやったらそっから取ってー」

「はい」

「寒いし中入りー」

 

 

 

 

 

どうやら外で

立ち呑みも

アリのようだが

お母サマの優しさに甘え

中に

お邪魔することにする

 

 

 

 

店内は

小さなテーブルを囲む様に

５人も座れば満席の

狭い空間

 

薄暗く

ゴチャゴチャとしており

正直不気味だ

 

既に

２人のゴリゴリの先輩が

呑ってらっしゃる

 

僕らを

睨む

ように迎えて下さった

 

実は

ちょっと　たじろいでしまったが

その表情は

ユナちゃんには見えないように

やり過ごした・・・

 

 

 

 

テーブルの

角と角の席を頂戴し

本日二度目の

喉掃除

をする

 

 

 

 

隣の先輩方を

気にしながら

小さく洗う僕に反して

ユナちゃんは

 

「カーーッ　おいしっ！！」

 

などと

気になる

ボリュームで放つや否や

 

「おでん見てきマース」

 

などと

バタバタしやがる

 

 

 

僕は

先輩方への

会釈で忙しい・・・

 

 

 

 

「こんなチョイスにしてみましたー」

「おっ　渋いねぇ」

「この今川焼きみたいなやつ　可愛いから入れてみました」

「梅焼きな」

「梅焼きっていうんですか？」

「東京にはないと思うわ」

 

 

 

 

「あはっ　甘くて　あっ！！　間違えたっ！！」

「えっ？」

「あもうて　美味しいですね梅焼き」

「関西人バカにしてるやん！！」

 

 

 

 

「スジも玉子も出汁が染みて　あっ　間違えた」

「・・・」

「シュンで　美味しいですね」

「・・・」

 

 

 

先輩方への

会釈で忙しい・・・

 

 

 

 

「アタシもっと食べたいです」

「よう食うなあ」

「あはっ」

「ええけど　絶対残したらあかんぞ！！」

「望むところでーす」

 

 

 

 

「こんなん出ましたけどー」

「泉アツノやっ　しょうもなっ」

 

 

 

 

「イカさん　ご用意させて頂きました」

「は？」

「ほらっ」

「ああ・・・　イカ・・・」

「アミちゃんにお願いするように　アタシにもしますかー？」

「アミちゃんって　酒場ナビでは　お馴染みの美人で　よくモノ咥えさせられてるアミちゃんかいな」

「あら　丁寧説明ですね」

「うーん」

「どうしますか？」

「ユナちゃん・・・」

「はい」

 

 

「イカ咥えて・・・　イカ大好きって言ってもらえますか・・・」

 

 

 

 

「アタシ・・・　イカ・・・　大好き」

 

 

「・・・」

 

 

 

 

 

「キャッハッハッハーー」

「ほたえなっ！！」

 

 

 

 

 

 

 

先輩方に

土下座をして

深川を後にした

 

 

 

 

「ユナちゃん　この後は考えてんの？」

「次はあんまり・・・」

 

「まぁまぁまぁ　西成やし　なんとかなるでしょう」

「酒場の神様　お願いします・・・」

 

 

 

 

 

 

つづく

 

 

西成「山本酒店直売所」２３歳の女の子と特殊先輩にご馳走になった話

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