先日

三ノ輪の森島屋で

クリスマスイブに一人寂しく呑んだ

という記事を書いた

 

今回は

その続きのようなモノ

 

 

 

森島屋を後にした僕は

まだまだ

帰る気分になれず・・・

 

 

 

 

ジョイフル三ノ輪を

ぷらぷら

と彷徨っていた

 

 

 

もう少し呑みたい・・・

 

ビールや酎ハイはもういいな・・・

 

心身ともに温まる酒・・・

 

熱燗なんかがどこかで呑れれば・・・

 

 

などど思い巡らせながら

歩みを進めていると

一つの

建築物

が目に入ってきた

 

 

 

 

むう・・・

 

これは・・・？

 

 

 

 

昭和レトロな商店街に

馴染みすぎている佇まい

 

 

木造建築の店先に

竹などの植物が植えてある

 

 

料亭か・・・？

 

 

 

 

お　

そ　

ば

 

お蕎麦屋さんかっ！！

 

 

こいつはいいぞ・・・

 

熱燗は必ずあるだろう・・・

 

砂場・・・？

 

砂場って老舗ではなかったかしら・・・

 

老舗の蕎麦屋・・・

 

そういえば

やりたいこと

も思い出せた・・・

 

よしっ！！

 

 

迷うことなく暖簾を押した

 

 

 

 

店内は

小上がりもある

それなりのオオバコ

 

印象的には

街蕎麦屋

とでも表現すればわかりやすいか

 

 

 

 

おおっ！！

ミスターもいらっしゃる

 

立教大学時代のミスター・・・

 

店主さん・・・

 

相当なジャイアンツファンだろうな

 

 

 

 

ロマンスグレーの

蝶ネクタイの似合う

優しそうな店主さんが

お出迎えしてくれた

 

僕が

タイガースファンであることは

内緒にしておこう

 

 

 

 

さあ

本題の注文の品

 

 

僕が老舗の蕎麦屋さんで

やりたいこととは

 

ヌキ

 

である

 

 

これも以前の記事で

神田のまつや

で粋に呑む

なんてのを書いたのだが

 

蕎麦屋での粋を探っていくと

どうしても

避けて通れないのが

この

ヌキ

だそうで

 

温かいお蕎麦の

具だけをツマミに酒を呑むという

アレだ

 

 

 

 

一度

街蕎麦屋で

 

「天ヌキ下さいな」

 

と　放ったことがあるのだが

若い女性の店員さんに

 

「はぁ？　なんですか？」

 

と言われ

挙句の果てには

下ネタを言ってくる変な客扱いをされ

諦めた

 

 

 

 

この店ならいけるんじゃないか・・・？

 

老舗だし・・・

 

店主さんもベテラン感あるし・・・

 

何より優しそうだし・・・

 

勇気を振り絞り・・・

 

 

「すいませんっ！！　熱燗と天ヌキ下さいっ！！」

 

 

言ったぞ・・・

 

言ってやったぞ・・・

 

店主さん・・・

 

あなたはサンタですかデビルですか・・・？

 

 

「はーい　熱燗と天ヌキ　少々お待ち下さいませ」

 

 

 

 

サンタさんやぁーーー

 

 

 

 

ホッとしている・・・

 

食い逃げでもしない限り

今宵

怒られることははいだろう

 

 

メリークリスマス　ミスター長島

 

 

 

 

蕎麦味噌をなめながら

 

 

 

 

熱燗を啜り

天ヌキを待つ

 

もはや

祝杯といっていい

 

 

そこに・・・

 

 

 

 

出たっ！！

 

 

 

これが天ヌキか・・・

 

天ぷらそばの蕎麦が入ってないヤツ・・・

 

 

 

 

エビ天が何本か

と　思いきや

かきあげなんだな

 

 

早速

箸で切り分け

一口いってお酒を・・・

 

うん・・・

 

美味しいのだが・・・

 

少し物足りないというか・・・

 

 

ならばっ！！

 

 

 

 

丼に口をつけ

おつゆもろとも

天ぷらをジュルルと流し込み

お酒を・・・

 

 

これだっ！！

 

 

出汁の旨味が

天ぷらのこってりさを引き上げ

お酒を欲する

 

これか・・・

 

粋な先輩方は

この味を楽しんでらっしゃったのか・・・

 

天ぷらのサクッと感を潔く忘れ

出汁のシュンだ衣が主役だ

と頭を切り替えれば

なんて旨く

しかも長持ちするツマミなのでしょう

 

あっ

だからかき揚げなのかっ！！

 

 

 

このお店・・・

 

相当沢山のお客さんを

ヌイてきたんだろうな・・・

 

他のヌキも試してみたいな・・・

 

やはり鴨南蛮のかもヌキか・・・

カレー南蛮のヌキは違った魅力があるな・・・

 

究極は・・・

 

かけそばのかけヌキか・・・？

 

 

いやいや

店主さんに

 

「はぁ？」

 

と　言わすわけにはいかない

 

 

 

 

蕎麦も食いたいが

酒も呑みたい

 

天ぷら蕎麦だと

呑っている間に蕎麦が伸びてしまう

 

そんな

食いしん坊の呑兵衛の先輩が

考えたのがヌキだろう

 

 

せっかくなら

いくところまでいってみよう

 

 

 

 

お銚子もう一本と

ざるそば

を頂戴した

 

 

コイツを

サササッと手繰って

粋にお暇だ

 

 

 

 

とはいっても

 

まずは蕎麦だけ・・・

 

蕎麦の先の方だけツユにつけて・・・

 

などの

粋先輩みたいな手繰り方はしない

 

 

ワサビもネギも

全部ツユに放り込み・・・

 

 

 

 

ジャブジャブに

泳がせ

ズルズルズーー

 

 

 

先輩すいません・・・

 

 

絶対この食べ方のほうが旨いっスっ！！

 

 

 

 

少し残っていた

天ヌキの出汁にもジャブジャブ泳がせ

ズルズルズーーー

 

 

下品な食べ方のほうが旨味が増す

って

誰か偉い人が言ってた気がする

 

 

 

いや・・・

 

 

言ってないか

 

 

 

 

クリスマスイブに

何かから逃げるように

やってきた三ノ輪

 

 

来る前とは違い

身も心もあったかだ

 

 

 

 

だから僕は

酒場を巡るのだろう

 

 

 

 

砂場を出ると

隣の八百屋の

糠の香りが心地よかった

 

 

 

 

三ノ輪「森島屋」これが４５歳独身男のクリスマスイブひとり呑みだっ！！

淡路町「神田まつや」粋をやってみた

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