えっ？？

 

生保レディーが

顧客から１９億円だまし取って

刑事告発されたとなっ！！

 

 

 

記憶に新しいこの騒動

 

 

驚いた・・・

 

それは１９億という金額ではなく・・・

 

生保レディーが８９歳だということ・・・

 

 

 

 

 

なんというか・・・

 

 

たくましいな

 

 

 

 

三田

と言っていいモノか

 

もう少し歩けば浜松町ではないかという路地裏に

鹿島屋

はあった

 

 

 

 

店頭にあるスペースが気になる

 

どうやら焼き台のようだ

 

 

お近くには

有名もつ焼き屋の

秋田屋

 

 

店頭の焼き台

と

言葉は同じだが

秋田屋のそれとは違い

まぁこじんまり

 

 

 

 

扉を引くと

ちょっとしたカオス

 

 

テーブルが物置になって機能してない・・・

 

床に段ボールが重なっている・・・

 

奥の子上がりは

夜逃げ前夜かっ！！

との表現がしっくりくるほど

荷物が並んでいる

 

 

 

 

おそらく

お二人の女性が店員さんだろう

 

 

 

カウンターに腰かけ

 

「瓶ビールありますか・・・？」

 

と　

どちらの女性にも届くように放つと

右側に座られてるお母サマが

 

「はい」

 

と　答えながら

吸っていたタバコを灰皿に押し付けられた

 

 

 

お母サマ・・・

 

 

天龍源一郎みたいなお声でらっしゃいますね・・・

 

 

 

 

ビールで

喉を掃除しながら

尚キョロキョロしてしまう

 

 

 

カウンターに座ってのこの眺め・・・

 

 

味わい深過ぎるぞ・・・

 

 

 

 

飴色の戸棚に

ゴチャゴチャに置かれている食器やら

請求書らしき書類やら

 

なんでも鑑定団の鑑定士に探させたら

お宝が見つかるんじゃなかろうか

 

 

 

 

そして

手前のお総菜の並びに

心を揺さぶられる

 

 

 

 

煮魚　焼き魚　キンピラ　揚げ浸し　酢の物　らっきょ

 

 

魅力的な品々が

無造作

に置かれている

 

 

 

 

小料理屋によくある

大皿

に盛ってあるのではない

 

タッパだ

 

 

この飾りっけの無さが

堪らない

 

 

酒場百景

に加えよう

 

 

 

 

どれを貰おうか・・・

 

お総菜を選びかねていると

 

「煮込みもあるよ」

 

と　お母サマ

 

「煮込みっ！！　頂きますっ！！」

 

 

 

 

 

お母サマ・・・

 

 

本間朋晃みたいなお声でらっしゃいますね・・・

 

 

 

 

「串なんや・・・」

 

思わず声が出てしまった

 

 

「屋台だったからね」

「えっ・・・？」

「串の数でお代計算してね」

「なるほど・・・」

 

 

 

 

意外と・・・

と言っては何だが

お話して頂けて嬉しい

 

 

 

 

世の中に

これ以上ギトギトした物体はないだろう

 

テッポウと思しき部位の

脂っこさはどうだ

 

肺の肉のフワもある

 

 

甘めの味付けでうめぇ

 

 

同じく串煮込みの

美味ぇ津よりうめぇかも・・・

 

 

 

 

そういや表に焼き台があったな・・・

 

伺うと

もつ焼きもあるとのこと

 

うめぇモツとわかっているのに

頼まない手はない

 

 

「レバシロハツをタレでいいですか」

 

と　お願いをすると

背中から

 

「はいー」

 

と　可愛らしい声が聞こえた

 

 

 

 

焼きは

もう一人のお母サマ

が　担当だそうだ

 

 

注文が入る度に

わざわざ外に出られるとのこと

 

 

 

 

夏場は・・・

 

 

地獄だろうな・・・

 

 

 

 

炭火で仕上げられた

焼きも絶品

 

 

お母サマの

外に出て外から持って来て頂けた

ご苦労を

拝見しているので

旨さもひとしお

 

 

 

肉の仕入れ鮮度がいいのが

伝わってくるシロモノ

 

こりゃ

もつ焼きもう何種類か・・・

 

 

 

 

 

いや・・・

 

 

煮込みか総菜にしとこうかな・・・

 

 

いやいや

お元気そうだし

頼んでもいいだろう

 

 

 

 

お店も落ち着き

また腰を下ろされたお二方

 

軽く質問させて頂いた

 

 

「このお店・・・　歴史ありそうですね・・・？」

「うん　今年で９０年」

「きゅ　きゅうじゅうねんですとっ！！」

「昭和５年からやってるからね」

「凄いですねっ！！」

「それ　あるでしょ」

「えっ　この茶色いヤツですか？」

 

 

 

 

「それが　当時使ってた焼き台だよ」

「これ焼き台なんですか！！」

「右んところにお酒いれてね」

「お燗もできるってことですか？？」

「そう」

「優秀ですね　この方」

 

 

 

 

「９０年ってことは・・・　３代目・・・？　いや」

「２代目ってことになるかな」

「素敵ですっ！！」

 

 

 

 

「お二人は　姉妹とかですか・・・？」

「そう　アタシが姉でね」

「天龍さ　いやお姉サマがっ！！」

「２人で長々やってるね」

「失礼ながら　お姉サマはおいくつに・・・？」

「まだ１００はいってないよ」

「素敵ですっ！！　跡継ぎとかいらっしゃるんですか？」

「姉の孫がやりたいって言ってくれてるけどさ」

「はい」

「当分２人でやっていくよ」

「よっ！！　三田の広瀬すずアリスッ！！」

「へっ？」

「広瀬すずとアリス姉妹だから・・・」

「へっ？　へっ？」

「あの　女優の二人の・・・」

「へっ？　へっ？　へっ？」

「・・・」

「・・・」

 

 

 

「よっ！！　三田の倍賞千恵子美津子っ！！」

 

 

 

 

 

「あはは・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

お気を使わせて申し訳ありませんでした

 

 

 

 

それにしても・・・

 

 

 

 

たくましいな

 

 

 

 

外に出ると

東京港醸造のテイスティングカーに

若い女性たちが立ち呑んでらっしゃった

 

 

 

 

 

今はまだ

無垢な雰囲気漂うあの娘たちも

 

 

 

たくましくなるのかな

 

 

 

 

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