博多「クリヤ酒店」婚前旅行呑みは”酒場ナビ酒訓”にのっとって
話は5か月前に遡る
「ユナちゃん 酒場ナビ酒訓って知ってる？」
「・・・知ってるような 知らないような」
「酒場ナビ酒訓第７条にな」
「・・・」
「47都道府県で呑め ってのがあってな」
「・・・」
「今現在 45都道府県やねん」
「・・・」
「残ってんのは 佐賀県と福井県でな」
「・・・」
「今度 佐賀攻めようか思てんねん」
「・・・」
「絶品の海の幸」
「・・・」
「鍋島」
「・・・」
「透明なイカ」
「・・・」
「結婚したら フットワーク重くなるかもやろ」
「・・・」
「せやから・・・」
「・・・」
「結婚する前に・・・」
「・・・」
「いってくるわ」
「誘わんかいアタシをっ！」
っと
結婚準備段階のユナちゃんと
はるばる来たぜ
福岡空港
佐賀は夜に攻めるとして
一旦博多で下地を入れなきゃ
朝から
アルコールを一切摂取してない
博多でシラフなんて
博多に失礼だ
「来たかってん この大衆食堂」
「お手本のような外観だね」
「まだ午前中やけど」
「呑んでいいんでしょうか」
「よかろうもんっ！」
朝8時半から呑れる
午前中泥酔者製作所
一膳めし 青木堂
エプロンにバンダナ姿のお姉サマ方が
「いらっしゃ～い」
と笑顔でお出迎え
酒場巡りこじらせ気味で
忘れがちだが
どんなに旨い酒よりツマミより嬉しい
この笑顔
僕たち今
肯定されてる
「スピーチとスカートは短いほうがいい」
「むっ！」
「呑むばい！」
「おー！」
「酔うばい！」
「おー！」
「3時まで？」
「いいや5時までっ！」
「乾杯っ！」
「カーッ！この掛け声やるとビールがっ」
「より一層美味しくなるね」
ってのもある
全て網羅まで
ちょっとずつちょっとずつ
スピードメニューってのが
OHS（オカズの入ったショーケース）
の魅力だ
別に冷えてていい
ハムエッグと玉子焼き
旅の解放感から
バカみたいな玉子被りも
なんのその
この
ニンテンドースイッチみたいなハムエッグ
ビジュいいじゃん
OHSに玉子ツマミがあれば
ついつい頼っちゃう
博多のお祭り感とお姉サマ方の笑顔が
酒を進ませる
うん・・・
いっちゃっていいでしょう
日本酒貰っちゃった
大衆食堂の日本酒は
銘柄不明で無問題
「今日のスケジュールはどんな感じ？」
ユナちゃんは
CCレモンハイをすすりながら
聞いてくる
「今日の酒ケジュールは・・・」
「言い直すんかい」
「佐賀呑みは 夜を予定しております」
「なんてお店いくの？」
「まぁまぁ 慌てなさんな」
「海鮮絡み・・・？」
「むぅ・・・太田和彦絡みとでも言いましょうか」
「先生っ！」
「それまでは どう過ごすの？」
「福岡の昼呑みと言えば・・・」
「角打ち・・・？」
「おっしゃるとおり」
「気になる博多の老舗角打ちが・・・」
「うん」
「2軒あって・・・」
「うん」
「ハシゴしてから佐賀へ向かおうかと」
「いいね」
ぶたたまのみそ汁も頂戴し
青木堂で３回目の玉子被り
バカを
お姉サマ方は笑顔で肯定して下さる
青木堂最高
おっと
ランチタイム突入か
長居は野暮だ
お会計して下さい
お店を後にした
ナウシカに見送られながら
福岡名物並ばないバス停から
バスに乗り込み
お目当ての角打ちへ
１軒目は
久芳酒店
おやおやっ！
昭和３年創業の老舗は
シャッターが下りたまま
昨今減少傾向の角打ち業界
今日
たまたま休みだったと願おう
また来ます
久芳酒店から
歩いてわずか５分
もう一つのお目当て角打ち
クリヤ酒店
「コッチはやっててくれ・・・」
「お店は開いるね・・・」
「角打ちは やってないパターンあるかも・・・」
「減少傾向角打ち業界・・・」
「店主さんが 1人で座ってる感じかな・・・？」
否っ！
カオスッ！
酔客たちが乱痴気騒ぎっ！
13時だというのにっ！
「店主さん 座ってるどころか・・・」
「忙しそうにバタバタと」
「減少傾向どこ吹く風」
「バリ盛り上がっとーよココはっ！」
飲食店様向け缶ハイボールをすすりながら
店内観察
ベテランダンディだけではなく
女性の常連さんも何人かいらっしゃる
名古屋から来たという男性二人組も
楽しそうに騒いでる
相当懐深いぞクリヤ酒店
ダンディ方は
獲物をみるかのような目付きで
コチラをチラチラ
ユナちゃんロックオンされたな
おやおやおやっ！
こっちにもあるじゃないの
嘘んっ！
刺身とか豚足とかあるやんっ！
勝手に
カワキモン酒場
と決めつけてたので嬉しい悲鳴
ヌレモン
頂きます
ハム寄りの焼き豚と
鯛のお刺身
想像を超えてきたぞ
クリヤ酒店のツマミ
鯛の刺身
バツグンに美味
そっか
柳橋連合市場の
目と鼻の先だもんなココの立地
新鮮な魚
仕入れてらっしゃるんだろう
えっ
マスター調理師免許をっ！
胃袋もガッツリ掴んでるんですね
常連さん達の
「お姉ちゃん どっから来たと？」
僕らを泳がせタイム終了
ハンターが獲物を仕留めに来た
「東京なんですよ」
「東京のどこばい？」
「葛飾区です」
「葛飾って言やあ・・・」
「はい」
「あんアニメん舞台ばいね・・・」
「はい」
「そうやっ！野良スコやっ！」
「こち亀とキャプ翼もありますよ・・・」
「あと あの有名な映画・・・」
「はい」
「そうやっ！この街と私やっ！」
「男はつらいよ！マイナーなヤツばっかり！」
「ガハハハハッ！」
「出身も東京ね？お姉ちゃん」
「秋田なんです」
「秋田って言やあ 美人で有名やけ」
「恐縮です」
「藤あや子 壇蜜 橋本マナミ・・・」
「おこがましいですが」
「何て言うたっちゃ 一番の極上ん美人が・・・」
「あの人ですね」
「加藤夏希やね」
「佐々木希！なんでマイナーなほうをっ」
「ガハハハハッ！」
「これプレゼントや」
「わっ アタシたちの似顔絵っ！」
「また遊びに来んしゃい」
「ありがとうございますっ！また来たいですっ！」
クリヤ酒店は
お客さんが作ってる
相当懐深いぞココ
博多ディープ角打ちを
十二分に堪能させて頂いたが
久芳酒店にいけなかった
隙間
が少し残ってる
それを・・・
ベタナマで埋めた
さぁ
佐賀へ向かいますか
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