
生麦「大番」横浜三大立ち飲み その1
生麦事件
江戸時代の終わりぐらいに
ヒサミっちゃん
という鹿児島らへんの
偉い武士のおやっさんが
東京から
「あーしんど はよ 家 かーえろっと」
と 大名行列をして入る時
「あれっ? 前から外人が 馬に乗ってコッチ来るやん」
「うわー アイツら 全然避ける感じないやーん」
「うそーん 行列の前の方 ワシャワシャしてるやん」
「えっ? ちょっと待って オレ ナメられてんちゃん?」
「もー バリムカつくわー ちょー後輩っ!!」
「あの外人たち 刀で斬り殺しといてーー!!」
みたいな感じで
イギリスの方を
コロしちゃった事件だ
結果
鹿児島らへんとイギリスの
戦争にまで発展してしまう
いや
いくらなんでも
殺さんでええやん・・・
っていうか
「ヒサミっちゃん!! まぁまぁまぁまぁ そんなカリカリしなはんなや~」
って
なだめる人とか
おらんかったんかいな
と 僕は思うが・・・
大番は
そんな事件が起きた
鶴見区の生麦にある
京急生麦駅から
歩いてスグのところに・・・
出たっ!!
この入口が2つあるところが
堪らない
それぞれに
大衆酒場 大番
と かかれた暖簾が掲げられている
看板やテントと合わせると
大
の文字が多すぎて数えたくなる
いつも通り
駅から見て
手前
の方の暖簾をくぐった
店内は
大きなコの字カウンターと
ちょっとだけテーブルもある
カウンターの真ん中が
壁で仕切られており
2フロアある感覚だが
結果
入口も奥も繋がっているので
Oの字カウンター
と いっていいかもしれない
そのカウンターに
まぁ ウジャウジャと
多種多様の方々がひしめきあう
サラリーマン
ご隠居さん
近所のお兄ちゃん
若いカップル
一人で来ているお姉チャマまでいらっしゃる
この
カオス感
好きやーー
大番には
もう何回も来ているが
僕は
手前のフロア
のほうに行きがちだ
なぜなら
比較的こっちのほうに
お母サマがいらっしゃる
確率が高いからだ
その日も
お母サマの前に陣取った
「いらっしゃ~い」
立ち呑み猛者たちの
デカイ声が飛び交う隙間に
可愛らしい声が
すり抜ける
お母サマ好きやーー
大番は
毎朝市場で仕入れる
魚介が売りだ
ご覧の通り
まぁ 安い
ビールを貰い
喉を掃除しながら
何ツマもかなぁ~
なんて考えてると・・・
お母サマが
品切れになったおツマミを
どんどん消していかれる
急がねばっ!!
「すいませんっ!! シメサバとカキ酢くださいっ!!」
脂の乗った
シメサバがうまいのなんの
ふう・・・
間に合った・・・
そして カキ酢
どーですか
このプリップリの
牡蠣たち
うわっ!!
エロッ!!
十代の女性の肌のような質感
はちきれんばかりの肉感
フェロモン全開のコイツらを
今から口に近づけると考えてだけで
もう!!
もはや
おツマミではなく
だ
こんな牡蠣が7つも入って
400円
大番
恐るべし・・・
「ママひゃん こないらのアレ なんらっけか~」
お隣のサラリーマンの方はベロベロだ
ロレツもしっかりなさってない
「ほら 酎ヒャイの レロンのにゃつー」
聞き耳をたてると
お隣の方は
大番に来たのは今日で2回目で
前回の時
常連さんが頼んでたモノが
気になっているみたいだ
僕は
アレだな
と 思い
お母サマに
「すいません ハンハン下さい」
と 言ってみた
これが
ハンハン
要は
酎ハイなのだが
焼酎とレモンのエキスが
5対5の割合のモノ
これがまた
スッキリして美味しい
これですよね
みたいな顔でお隣を
見てみると・・・
まさかの・・・
「コラー!! オレが頼みたかったにょにーー」
と大声で叫ばれてしまった!!
うせやん・・・
思い出させてくれてありがとう
的なセリフ貰えると
思ってたのに・・・
「コラー!! 調子コイてんじゃねーにょ!!」
「あっ すいません!!」
「若造がー!! イキがるんじゃねーにょ!!」
「すいません!! 僕43歳ですけど・・・」
「うるせー!! 俺のハンハン返せにょー」
なんだか
何に怒られてるかわからないが
どうやら
お隣のプライド的な部分を
刺激してしまったのだろう・・・
「おめえ マジ ムカつくにゃー!!」
「すいません!!」
どしたどした
と 周りの先輩方も
ザワザワし始めた
「おいっ!! 表出るかコリャーー!!」
「わーー!! すいません!!」
その時・・・
また
お母サマの
可愛らしい声が
隙間をすり抜けた
「まぁまぁまぁ お兄ちゃんら 酎ハイは笑って呑んだほうが美味しいよ~」
お隣は
静かになられた・・・
お隣は
「俺もハンハンちょうだい」
と
冷静な口調で
お母サマに告げられた
出てきたそれを
一気に呑み干し
「お会計!! 大番汁このお兄ちゃんにあげてー」
と 支払いを済まし
店を出ていこうとされた
僕は
えっ? えっ??
と 戸惑ってしまい
出口近くの
お隣の背中に
「ご馳走様です!!」
と
声をかけるぐらいしか
出来なかった・・・
激ウマの
大番汁をすすりながら
お母サマの方を見みると
お母サマは
僕の視線に気づいてくれて
ニコッ
と 笑を下さった・・・
お母サマが
156年前に
あの現場に居てくれたらなぁ
なんて
思ってしまった
大番
横浜三大立ち呑みに
させて頂きます
残り2つは近日中に・・・
大番(おおばん)
住所: | 神奈川県横浜市鶴見区生麦3-6-5 |
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TEL: | 045-521-6800 |
営業時間: | [月~土] 17:00~22:00 |
定休日: | 日・祝日 |