千種「ぼん」教えたくない店を教えてもらったので名古屋へ
大阪生まれ兵庫県育ち
現在 東京在住の僕だが
まぁ 44年も生きてると
名古屋にも知り合いがいたりする
以前
というテレビ番組に何回か出させて頂いた
その番組が
中京テレビ制作だったので
収録はいつも名古屋までいっていた
スーパーチャンプルは
終わってしまったのだが
制作会社の
50歳ぐらいの男の人と
今でも連絡を取り合っている
「今度 三重の楠にいくんですよ」
「ふーん」
「せっかくなんで 名古屋でも呑みたいなと」
「ほう」
「どっかいい店教えて下さいよ」
「ってことは 酒場ナビとやらに書くんだろ~」
「まぁまぁまぁ」
「・・・あるけど ・・・あんまり教えたくにゃーんだよね」
「そこをなんとか 売れたら恩返ししますんで」
「おめぇいつ売れるんだわ」
「まぁまぁまぁまぁ」
「・・・お母さん一人でやっとる店だで 行儀ようしなせゃーわ」
「ありがとうございますっ!!」
千種にやってきた
今池にはいったことはあるが
この駅で降りたのは
生まれて初めてだ
歩くこと
3分・・・
出たっ!!
ぼん!!
ひらがなで
ぼん
て・・・
なんてわかり易い
店名なんだろう・・・
ぼん
の 文字もいいが
この
すがれたコカコーラの看板も
痺れさせやがる
お好み焼き屋さんなんや・・・
おでんもあるのか・・・
文字を右から書いてある暖簾に
見とれてしまう・・・
ぼん
に 入った
店内は
L字カウンターのみ
歴史を感じさせる
色合い
だが
何より目に入ってくるのが・・・
まず
おでんっ!!
カウンターの角に
これでもかっ!!
という存在感で鎮座している
そして
旨そうな
お惣菜が並んだ
寿司屋のネタケース
みたいなやつが有り・・・
その中には
旨くなる準備をしてる
肉やら魚介やらが
今か今かと
出番を待っている
眺めが良すぎる・・・
おでんの香りと相まって
幸せ感
が モノ凄い・・・
「いらっしゃ~い」
ママさんが
優しい口調でお出迎え
酔っ払ったフリをして
ドサクサで顔を埋めたくなる
推定Gカップ
の おっぱいが魅力的だ
「予約の電話させて頂いてた イカです」
「こちら座って下さ~い」
おでんの前に
腰を下ろした
「ママさん こちらはお好み焼き屋さんなんですか?」
「まぁ そうだけど言ってくれれば何でも作るよ」
「ぼん って凄い店名ですね」
「そうですか~」
「何で ぼん っていうんですか?」
「まぁ お兄ちゃん ちょっと落ち着きなせゃーわ」
「あっ!! すいません」
「お酒呑むなら そこの冷蔵庫から自分で取ってね」
「あっ!! はいっ!!」
ふうぅ・・・
ワクワクしすぎて
つんのめってしまった・・・
を 忘れていた・・・
お酒は冷蔵庫から
勝手に取るスタイル
ニューカヤバの酒の自販機だったり
さぬきうどんの自分で湯通しする感じだったり
自由に出来るって
何かの権利を得た気がして
大好きだ
瓶ビールで
火照った体と心を落ち着ける
「ふうぅ~」
一息つけた
となると
やはりおツマミ
目の前に
こんな旨そうな
おでんがある
これを頼まないなんて
目の前で
素っ裸で踊ってくれてる
土屋太鳳がいるのに
動画を撮らないようなもの
「すいません おでんの スジと豆腐 あと このピンクのやつなんですか?」
「これは 赤棒っていって魚のすり身」
「・・・あかぼう それも下さいっ!!」
出汁が優しくて美味しい
豆腐によくあっている
赤棒もいい
ピンクの食べ物って
人をゴキゲンにしてくれる
「スジは 今入れたばっかりだで硬いか~ 昨日のやつ温めるなぁ」
優しい・・・
ココのおでんは
出汁だけでなく
ママさんの人柄も
シュンでいる・・・
改めて
メニューを見てみる・・・
お好み焼きは
後にして
何かもう一品・・・
「あっ!! ママさん さっき何でも作るっておっしゃいましたか?」
「できるもんならね」
何でも・・・・・
「じゃあ ママさんのおっぱいに八丁味噌を塗って」
なんて言えるわけもないので
「そこに 赤ウインナーあるじゃないですか」
「はいはい タコさんにして焼こうか」
「わっ!! 今お願いしようと思ってたんです!!」
「ウチはいつもそうやって出しとるわ」
「そうなんすねっ!!」
「遊び心がにゃーとね」
「遊び心 好きな言葉です」
「ちょっと待ってね 今作るでね」
やった!!
ママさんの可愛さプラス
タコさんの可愛さまで味わえる
欲を言うなら
ママさんの胸の谷間に刺して
1列に並べて出してくれへんかなぁ・・・
残り70軒
「はーい お待たせー」
タコ5匹
鉄板で焼くバージョン
足4本
股の開き控えめタイプだ!!
ただでさえ
ほっこりする
ぼん なのに
タコさんウインナーに尚癒される・・・
自分で
冷蔵庫から
缶ハイボールを出して
グラスに注いだ
時刻は
19時前
常連さんだろうお客様が
どんどん入ってこられる
皆様 50代以上のスーツ族の方々だ
各々が勝手にお酒を取り出し
「あっ 僕もタコさんウインナー」
「ママー ハンバーグに目玉焼きのっけてー」
「くにこちゃん 俺もハンバーグ ポテサラのっけてー」
と ご注文
どうやら
ママさんのお名前は
クニコさんらしい
それにしても
いい大人が子供っぽい注文をなさるもんだ
会社では
管理職だったりするのだろう
仕事中は威厳ある行動をし
ぼんに来たら
気を許し
ちょっとだけ童心に反る
くにこママ・・・
素敵です・・・
まぁ
お好み焼きか焼きそばは
食べときたいなぁ・・・
と 思っているところに
なかなかのメニュー発見!!
むむっ!!
蕎麦焼き??
焼きそばのことか・・・?
いや 焼きそばは お好み焼きのメニューのところにも書いてある・・・
あえて このスペースに書く必要はない・・・
間違い・・・?
いや これは・・・
くにこママの遊び心・・・
「すいませーん 蕎麦焼き下さいっ!!」
くにこママは
「あー よう見つけたね~」
と 言うと
鉄板にキャベツをのせ
その上に
日本そばを置いて蒸し始めた
常連の先輩方が
ざわざわし始める
「なんだよそれ!!」
「ママ 蕎麦を焼くのかわ!!」
「俺 何十年もこの店通ってっけど知らなんだよ~」
何となく
鼻高々な僕がいた・・・
蕎麦なんで日本酒やろ
ということで
冷酒をスタンバイして
焼き上がりを待つ
「はーい 蕎麦焼きで~す」
皆の注目の的で
出てきたのが・・・
こちらっ!!
キャベツと日本そばを焼いて
刻み海苔を
かけただけのシロモノ
見た目は悪くない・・・
ソースの味だろうか・・・
一口・・・
旨いっ!!
味付けが絶妙だっ!!
「ママさん この味付けなんなんですか??」
「これは ウチのオリジナルの和風ダレなの」
「旨いっス!!」
「これ以外にも使っとる まぁ万能ダレね」
「旨いっス!!」
先輩方が羨ましそうにしている
「ママー なんでこんなメニューあんの?」
「賄いでね アタシいっつも汁蕎麦食べてたのよ」
「うん」
「なんだか飽きてまってね」
「うん」
「思いつきで焼いてみたらね」
「うん」
「お客さんに見つかってまってね」
「うん」
「俺にも食わせろって言うんで 差し上げたらね」
「うん」
「旨い!! メニューにしよう!! って言われて それからねー」
「そういや 九州のどっかにこんなん出す店あったなぁ」
「ママー 次来た時 絶対頼むがねー」
蕎麦焼きキッカケで
皆様の会話が盛り上がっていることに
やはり
鼻高々な僕がいた・・・
「お兄ちゃん そういや さっきの話ね」
「何でしたっけ?」
「なんで店名が ぼん かって聞いたじゃにゃー」
「あっ はいっ!!」
「知り合いにね 最後に ん が付く名前がいいって聞いたの」
「 ん ですか」
「それで わかりやすう ぼん ってしたの」
「そうなんですか」
「最初はカタカナにしよう思ってたんだけどね」
「はい」
「和食が多いで 平仮名にしたのよ」
「そうなんですね」
ずいぶん前に聞いたこと
覚えててくれてた・・・
ママさん・・・
いや くにこさん・・・
好きです・・・
「有難う御座いました また来ます」
帰り際
先輩にこう言われた
「お兄ちゃん ママいい女だろ」
「はい!!」
「実は 前は凄い仕事してたんだぜ」
「えっ? 何されてたんですかっ?」
「またここで会ったら 教えてやるがねー」
お好み焼き
焼きそば
ママさんの前職
おっぱいの八丁味噌塗り
宿題
沢山出来てもうたなーー
ぼん(ぼん)
住所: | 愛知県名古屋市千種区内山3-17-12 |
---|---|
TEL: | 052-731-7490 |
営業時間: | 11:30~13:00/17:00~22:30 |
定休日: | 日・祝 |