糀谷「万福」酒場炭水化物探偵がいく チャーハン編 その1
酒場で
炭水化物のメニューがあると
気になりませんか・・・?
隣のお客さんが
焼きうどんだの
ナポリタンだの
特製牛すじカレーだのを
食らっているのを見ると
羨ましくてしょうがない
時折
「俺は カレー食いにココ来てるようなモンだからよう」
なんて
セリフも聞こえてくるもんだから
辛抱ならない
何人かで呑んでいれば
「あっ すいません コッチもソレひとつ」
なんて
を することもあるが
問題は
一人
の時・・・
食べきれるのか・・・?
食べきったとて
お腹いっぱいになって
今日一日終わってまうよな・・?
という思いに
怯まされ
なかなか注文には至らない
一人の時の
酒場炭水化物は
ほぼ 諦めがちなのだが・・・
品川から京急に乗り
糀谷(こうじや)
にやってきた
酒友に
いい塩梅の食堂があると
聞いたからだ
滅多に来ない京急空港線・・・
以前にお隣の
大鳥居には
という食堂を目指し
味論といったことはあるが
糀谷の街に降り立つのは
初めてだ
心が躍って仕方がない・・・
駅を出て
糀谷商店街を歩くこと
しばし
魅力的な建物が見えてきた
遠目からでも
あそこが
幸せ製作所
だな
というムードが漂っているのがわかる・・・
正面に立って
幅の広い外観を眺めると
万福
の文字が3つも目に入ってくる
定食中華の横に
酒呑みを安心させてくれる
清酒白鹿の主張
看板と暖簾の間のテントの
黄色オレンジの縞々も
いい味出している
うわっ!!
食品サンプルまで候う
引きで良し
寄りでも良し
ずっと眺めてられる
佇まいだ・・・
時刻は15時
まだ太陽が出てはいるが
おそらくでは中は
先輩方が群れをなして
煽りに煽ってらっしゃるのだろう
胸を弾ませながら
暖簾を押した
意外や意外
予想に反して
店内にお客さんはゼロ
それどころか
お店の方もいらっしゃらない
「すいませーん」
と 放ってみると
奥の方から
「はいはーい ちょっとまってねぇ~」
と これまた意外
女性の声が聞こえてきた
「いらっしゃ~い お一人さん?」
「はい 呑めますか・・・?」
「大丈夫ですよ~」
「じゃあ・・・ ビール大瓶下さい」
「はーい ちょっとまってねぇ~」
癒し系の
お母サマにビールを
お願いした
勝手に
無愛想なお父様が
切り盛りなさってるんじゃないかと
決めつけていただけに
拍子抜けやら悦ばしいやら
テーブル席に
腰を下ろした
あそこから
ビールを取るのか・・・
お母様を眺めていると
「はい お待たせ~ これお通し」
と
ビールと
ポテサラを
僕の前に置いて下さった
このポテサラが
ボリューム満点
お通しの域を超えた
量の多さだ
一口いってみると
優しすぎる味付け・・・
醤油を
ひと回しかけたところに
お母サマが
「これかけてごら~ん」
と
クリーミー胡麻ドレッシングを
持ってきて下さった
ゴマドレを
敷かれた生野菜達にかけ
醤油ポテサラと共にツマむ
わっ!!
素晴らしく美味しい!!
に 入学させたいぐらいだ
しかも
量感があると来た日にゃ
これだけで
大瓶空いてしまうだろう
嬉しい悲鳴だ・・・
でも
せっかくなんで何か一品・・・
壁のメニューには
ニラ炒め ハムエッグ 餃子 煮魚
などがあるが・・・
おっ!!
黒板メニューを発見
むう
よく見ると
あじ丸やき あじ刺
ちょいと離れて
あじフライ
とある・・・
「すいませーん アジフライ下さーい」
刺身でもいける
新鮮なアジを
贅沢にフライにしてくれると見た!!
これまたデカいっ!!
そして
めちゃくちゃ旨いっ!!
さっきの僕の予想が
必ずや正解だろうという
アジ自体の美味しさ
シットリとサックリとホックホクのピッチピチだ
先日記事にした
を
ここに来た後に開催していたら
優勝が変わっていたかもという逸品
万福・・・
凄く美味しい店なんや・・・
そこそこ
お腹もいっぱいになってきたが
このまま万福を後にするのは
もったいない
おそらく
どのメニューも
超絶品に間違いないだろう
やおら
メニューを見てみると・・・
うむむ・・・
チャーハンがある・・・
量が多いのは十分承知・・・
でも・・・
万福のチャーハンで満腹・・・
韻も踏んでる・・・
まだ16時前だが
今日が終わったっていい・・・
「すいませーん チャーハン下さいっ!!」
おそらく
チャーハンが出てくるのだろう・・・
楽しみだ・・・
「はーい チャーハンお待たせ~」
ゴクリ・・・
えっ??
えっ??
えっ?? えっ??
嘘ーーん
ウチの実家のオカンが作る
ハムピーマンニンジンチャーハンやーーん!!
ウチの母親は
野菜を嫌う僕を含めた兄弟たちに
よくこのチャーハンを作っていた
細かくして
食べやすいようにはしてくれているのだが
僕はコイツが大嫌いだった
大人になっても
チャーハンを頼む際
ピーマン ニンジン グリンピースの
有無を確認するようになるほど
コイツらが
チャーハンに入ってるんじゃないかと
トラウマになっている
むう・・・
ココで再会するとは・・・
まぁコレも運命か・・・
サカバーとして
頼んだモノを
残すなんて行為が出来るはずもない・・・
いったらんかーーい!!
あ・・・
旨い・・・
当時嫌いだったのは
野菜の苦さやエグみだったが
少しも感じることはない
よく考えたら
ピーマンもニンジンも
他の調理法では
食べているのだから
当然といえば当然
昨今の野菜自体が美味しくなったのか・・・?
僕のベロの守備範囲が広くなったのか・・・?
そして
お母サマの味付けもあるだろう
ハムのしょっぱさと
胡椒のバランスが
炒めた米にドンピシャだ
そこに野菜達の
甘み
もいい感じにマッチして
絶妙だ
ネギのシャキシャキ感もいいが
ピーマンニンジンのコリコリ感も
これはこれでいいと思わされる
ガツガツと
あっという間に
平らげてしまった・・・
なんか・・・
長年嫌いあった友と
仲直り出来た気分だ・・・
万福
いい酒場だ・・・
もう一つ印象的だったのが
一人で入って来られた
先輩のこと
先輩は
店に入るやいなや
勝手にグラスを持っていき
勝手に
例の場所でゴソゴソし
勝手に
自分のお酒を作って
新聞に目を通しだした
この店・・・
通えば
オモロイこといっぱいありそうやな・・・
今度は
何人かで夜にでも来るかな
万福食堂(まんぷくしょくどう)
住所: | 東京都大田区西糀谷4-10-6 |
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TEL: | 03-3743-3916 |
営業時間: | 15時半頃~23時頃 |
定休日: | 不定休 |