熊谷「甲子園第二球場」日本一暑い街の”甲子園酒場”は本当に色んな意味で熱かった!!!!
埼玉県熊谷市・・・
知る人ぞ知る『日本一暑い』と言われてる街だ。
去年の夏には国内最高気温の41.1℃を記録し
再び「日本一暑い街」の称号を奪還したのである。
「暑い街には熱い酒場があるはずだ」
そう予想し、都内から電車に揺られて
熊谷CITYまでやってきた。
駅を降りて、数分・・・
リサーチしてた”熱そうな建物”が姿を現した。
「甲子園」
甲子園と言えば、兵庫県西宮市にある「阪神甲子園球場」の略称で
『日本一熱い球場』である事は皆さんご納得していただけるであろう。
そんな「甲子園」が何故ここ熊谷市に!?
と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
よく見ると「第二球場」とも書いてある。
この佇まいを見ると、あまり野球の事を知らない方だと
「え!?甲子園ってもう一個あったん!?」
と勘違いされる方もいらっしゃるでしょう。
誤解を招かないように最初にハッキリ言っておくと・・・
もう少し駅から歩いたところに
「居酒屋甲子園」という酒場があって
その二号店がここ「甲子園第二球場」なのである。
なので勿論ではあるが
「阪神甲子園球場」の第二球場ではなく
れっきとした酒場なのである。
野球の事を全く知らない系の”カープ女子”だったら
「知ってる?ここあの甲子園の系列の球場なんやでぇ~」
とギリギリ騙せそうなくらい本格的な佇まいだ。
早速そんな居酒屋の「甲子園」へ
ライドオンをかまそうとするのだが
店前に書いてあるコメントがこれまた”熱く”て、ついつい全部読んでしまう。
『本気』の格言に心が打たれる・・・
風邪が一発で治るもつ煮って一体・・・
いつも以上に興奮気味に
扉を開けると・・・
「いらっしゃぁぁあいいっっ!!!」
今まで聞いた中で一番気持ち良い「いらっしゃい」を言ってくださったこの方が出迎えてくれた。
見るからに”熱そう”だ・・・
「お一人?だったらオレの横の席で呑んでください。”特別席”ですよ!」
「あ、ありがとうございますっ!」
甲子園グッズがぎっしりと詰め込まれてる店内を見回してると・・・
「お、もしかしてお客さん“初出場”ですか?」
・・・
この質問に一瞬戸惑ったが
野球経験者の血が騒ぎ
「はい、初出場の東京都渋谷区代表です!」
と、多少反応は遅れたものの、上手く返す事が出来た。
(※ここでいう初出場というのは初来店の事である。)
「お客さん~一流選手ですねぇ~」
「初回の流れは大事ですからねぇ~~」
「その通りっ!飲み物はどうしますか?ウチは生ビールが350円、酎ハイが250円という安さで勝負してますよ~!」
「やすっ!酎ハイでお願いします!!」
「酎ハイ(250円)」
酎ハイで
プレイボールの〔酒ゴング〕ならぬ
〔酒サイレン〕が鳴らされた。
まだサイレンが止みならない状態で
店員さんにたたみかけられる・・・
「はい、木製バットどうぞ」
そう言いながら割りばしを手渡された。
「色々と細かいですね・・・(笑)」
「先制攻撃は基本中の基本ですよ。」
「勉強になりますっ!」
「煮込みはどうしますか?ウチの名物ですよ。」
「そうなんですね、じゃあせっかくなんで煮込みを一つ・・・」
「はいよぉぉぉおお!!煮込み一丁っ!!!」
恐らく今世紀最速で煮込みが出された。
あまりの速さに厨房の店員さんに
「ちょっとフライング気味ちゃいますっ!?!?」
と抗議をしたが
「スピードが命なんで」
そう言い残し、奥の厨房へ消えていったのである。
“リプレー検証“ならず・・・
しっかり教育の行き届いた”チーム“だ・・・。
そしてその教育の行き届いた、煮込みは200円という安さながら
とても本格的な味付けで
フライング注文でも全く後悔しない一品だ。
これはマストで注文すべきである。
隣席に座ってる店員さんに一番大事な事を聞き忘れてたので
質問してみた。
「もしかしてこの店のオーナ・・・いや、”監督さん“ですか?」
「はい、そうです!私が『居酒屋甲子園』の監督をやっております、橋本哲夫と申します。」
そしてご丁寧に名刺までいただいた。
こちらも名刺をお渡しした。
「酒場ナビのカリスマジュンヤっていうんだね~~。よし、ジュンヤっ!今日は沢山呑んでくれっ!」
哲夫監督、体育会系のノリが何ともカッコいい。
店内に飾ってある、多数の高校野球グッズを眺めながら
酎ハイともつ煮を堪能した。
目の前のオリジナルボトルが気になったので聞いてみると・・・
「これ全部オレの写真なんだ。昔球児として『熊谷商業高校』で甲子園にも出た事あるんだよ。」
「すごっ!!!(ただの野球好きなおっちゃんちゃうかったんや・・・)」
「ところで元巨人の監督『堀内恒夫』は知ってるかい?」
「勿論知ってますよ!批判されたあの『史上最強打線』、ボクはかなり好きでした!」
「オレ、高校球児の時に甲子園で堀内と対戦して、ホームランも打ったんだよ!」
「えーーーーーっ!!!」
「ほら、あの写真を見てごらん。」
「哲夫監督っ!これホンマにすごいですやんっ!!!」
「しかもね、今でも仲良くて、たまにこの店にも来てくれるんだよ!」
そう言い、奥からわざわざ大きな記念写真を持ってきていただいた。
とても素晴らしい写真ではあるが
それ以上にこの写真を持ってる哲夫監督のハチマキに書かれた「仕事の鬼」も気になる・・・
さすが仕事の鬼だけあって、読売新聞にも取り上げられてる。
特集されてる記事を
よく見てみると・・・
哲夫監督、相変わらず絶好調の様子だ。
哲夫監督は弾丸トークでボクを攻め続ける。
「ジュンヤ!『ゴルゴ松本』って知ってるか?」
「勿論知ってますよ!」
「ヤツはオレと同じ『熊谷商業高校』出身でね、教え子でもあったんだけど、とにかく当時からよく喋るやつだったんだよ。」
「あの芸風は当時から健在だったんですね・・・」
「とにかく気合いだけは超一流だったぜ。会話も2秒以上沈黙した事はこれまでに一度もなかったよ!」
「に、2秒っ!?ゴルゴさん、やっぱり野球も上手かったんですか!?」
「・・・ジュンヤ、お腹はもう空いてないか?」
「何で濁すんですかっ!?」
最初は空席があった店内も
どんどんお客さんが入ってこられ、すぐに満席状態。
哲夫監督から
「ジュンヤ!隣の席へ”盗塁“してくれ!」
「はいっ!」
「あれ?椅子が一つ足りないなぁ~。・・・ジュンヤっ!二つの椅子占領してるじゃないか。」
「あ、すみません。」
「この球場は”隠し玉“禁止だぞぉ~!!」
もうそれ”隠し玉”ってワードが言いたいが為に
わざとボクに二つの椅子座らせてたんちゃうん?
なんて不信感も多少感じたが
野球用語ならまだ心地よいし、笑える。
『甲子園看板メニュー』のひとつである「もつ煮」はいただいたが
もう一つの「甲子園ボール」が気になったので
哲夫監督に”大き目の声”で注文した。
ここは甲子園である。
小さな声などかき消されてしまうからだ。
“バックスクリーン“に書かれたカッコいいメニュー表を見ると
どれもこれも安い。
聞いてみると38年間1円も値段を上げてないとの事だ。
「甲子園ボール”1球“(200円)」
球状に丸く作られたメンチカツ。
「この甲子園ボールは甲子園の砂入りだぁぁあーー!!!アッハッハッハ!!」
とご機嫌な哲夫監督。
「それあんまりうまい事言えてへんで?」
と思ったが
間髪入れずに暴走モードの監督からは
「はい!甲子園ソース♥♥♥」
といつもの「ブルドッグ中濃ソース」を渡されたのだが・・・
よく見ると
「中濃」の部分に「甲子園」とマジックでデカデカと書かれてる。
ギリギリアウトかセーフなのか分からないネーミングに
この時、大爆笑だったのは事実だ。
肝心の味も手作りなのと、肉がしっかり詰まってたのもあって
とても200円とは思えないクオリティの高さであった。
さすが看板メニューだけある。
「串打ちも出来た事だし、次はベンチを温めてくるかぁ~!」
哲夫監督は席を立ち、そう言い放った。
隣の席からベンチ(厨房)へ行かれるのは少し寂しかったが
「か、監督っ!!一緒に写真撮ってください!!」
「いいぜ!忙しいから早くしてくれよな。スピードが命だぜ?」
と酒場de2Shot!!!!写真を撮らせていただいた。
ちなみに哲夫監督は
本店の「居酒屋甲子園」とこちらの「甲子園第二球場」を行き来してるみたいで
この日はたまたまこっちの店に居たとの事だ。
〔酒場の神様〕いつも本当にありがとう・・・
ベンチに入っても哲夫監督はフル稼働だった。
自分で串打ちした焼きとんを自分で焼いて、出来上がり次第・・・
「焼きとん食べる人居ますかぁ~~~???」
と半ば強引に注文を誘導していた。(もちろん押し売りではなく宣伝である)
さすが仕事の鬼である・・・
商人魂全開の哲夫監督の辞書に
「不可能」の文字はないのであろう。
「せっかくだし、ジュンヤも焼きとん喰えっ!」
「押忍っ!!」
と焼きたての焼きとんをいただいた。
「焼きとん(70円)」
1本70円という奇跡・・・
哲夫監督が自ら丁寧に串打ちしてくれた焼きとんが
70円と破格で提供されてるのだ。
特製味噌ダレをつけて食べると
ちゃんと美味しい焼きとんなので
こちらもマストで注文すべきである。
そしてここでまたドラマが起きたのである・・・
これまでのボクと哲夫監督とのやり取りを
隣の隣の席で呑んでらっしゃった『一人呑み女子』が
何やら監督にカウンター越しに話しかけている。
数秒後、哲夫監督が
「ジュンヤ、やったな!この子がジュンヤの隣で呑みたいって言ってるぜ!」
とこれまた大きな声で伝えてくれた。
どうやら、楽し気に呑んでる姿を気に入られたみたいだ。
〔酒場の神様〕・・・
いや、今回は〔甲子園の神様〕かな・・・
本当にありがとうございますっ!!!!
一人呑み女子がボクの席に華麗に”盗塁”してき、楽しいひと時を過ごしたのであった。
「ジュンヤっ!今日はダブルヘッダーだなっ!!」
「頑張ってホームラン打ってこいよっ!!」
“球場“にいらっしゃる”観客“の皆さんから
声援をいただいた。
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お会計を済ませると
帰り際に哲夫監督から直筆のメッセージをいただいた。
哲夫監督・・・
最初から最後までありがとうございました。
とても有意義で、勉強にもなった時間でした。
3月23日(土)
センバツ高校野球が開幕します。
高校球児の皆さん、こんなボクみたいな大人にならないように
今その瞬間を必死で頑張ってきてください。
甲子園第二球場(こうしえんだいにきゅうじょう)
住所: | 埼玉県熊谷市筑波2-70 |
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TEL: | 048-501-0540 |
営業時間: | 16:00頃~22:30頃迄(お客様の状況次第) |
定休日: | 日曜日 |