八王子「広小路」西東京の”小歌舞伎町”にある老舗酒場は是非とも夏に訪れて欲しい
この日は別件の用事があり、八王子まで。
八王子にくるのなんて、何年振りだろうか・・・
何か用事がないと、わざわざ電車に1時間揺られて来る場所ではない。
せっかく八王子に来たのだから
酒場ナビの一つでもして帰らないと勿体ない。
しかし八王子の酒場事情なんて知るわけもなく
行きの電車でネット検索するのだが、気になる酒場がヒットせず
ノー情報で八王子に着いてしまった。
小雨の降る中、そして限られた時間・・・
なるべく早く酒場へ駆け込みたいが故に
いつも以上に〔酒場センサー〕をビンビンに張ってると・・・
渋い呑み屋街を発見。
さすが日々の鍛錬によって研ぎ澄まされた〔酒場センサー〕である。
どうやらこの辺を「中町商店会」と言うみたいだが・・・
中でも一際異彩を放ってた酒場がこちらっ!
「広小路」
外観も看板も申し分ない余裕のK点超え。
「今夜はここだっ!」
と即決で決め、ライドオンした。
店内も落ち着く感じの渋さ・・・
先客はカウンターに女性お二人がいらっしゃった。
が!
そのカウンターに座ってらっしゃったお二人さんが口を合わせて
「いらっしゃい!何名さん?」
とボクに問いかけたのだ。
「店員か〜い!!」
と心の中でツッコミ、一人だったので
カウンターに座らせてもらった。
ちょっと怖そうなマスターに
恐る恐るホッピーを告げると
物凄く丁寧に注文を受けてくださった。
「人は見かけによらないねぇ〜」
なんて思いながら、いつものように店内観察。
「ホッピー黒(480円)」
焼酎は別で出される
セパレート式の珍しいタイプだ。
そして焼酎の量も結構多いので
これだけで2杯分は余裕で作れる。
つまみには何にしようかと
考えた末・・・
せっかくなので『串焼き人気ランキング』1位に輝いた「ヤミツキホルモン」をチョイスする事にした。
お通しの白菜の漬物を食べながら、ひたすら店内観察してると
女性店員さんがガスバーナーで何かを炙ってらっしゃるのがうかがえた。
店内のお客さんはボクのみ・・・
と言うことは恐らくボクが頼んだ「ヤミツキホルモン」を炙ってくれてるのだろう。
でも焼き場で焼いてる行程はなかったはずだ。(もしちゃんと焼かれてたのならすみません)
しかも炙りにしては
随分と長い時間炙ってらっしゃる。
と言うことは
炙ってるのではなく
ガスバーナーで焼いてると言うことになる。
なんとも新しいスタイルの「串焼き」だ。
恐らく1本だけだったからわざわざ焼き場で焼かれなかったのでしょうか。
※普段は豪快に焼き場で焼かれてるとの事です。
そしてガスバーナーで”焼かれた”「ヤミツキホルモン(400円)」がこちら。
見た目だけで
「これでもかっ!」ってくらいに脂が乗ってるのが分かる”ぷりっぷり”さだ。
特製タレもクドくなく
脂の良さを引き立ててくれる。
とにかく脂感が素晴らしいヤツなので
〔アブラー〕な方にはオススメだ。
後半は一味をかけて最後まで美味しくいただけた。
せっかくなので、ママさんに話しかけてみて
この酒場の情報を聞き出す事にした。
「(壁のサインを見て)ママさん、ここ『女酒場放浪記』も来られたんですね!」
「そうよ、倉本康子さんも吉田類さんも来られたのよ。」
「結構この店長いんですか?」
「東京オリンピック年に開店したからねぇ〜もう創業55年になるのかしら。」
「じゃあ2020年東京オリンピックでは何かイベントでも出来たら良いですね!」
「そうねぇ〜閉店でもしようかしら。アハハ〜」
話してみると
随分と親切に喋ってくれる愉快なママさんだ。
「お兄さん、この辺は『小歌舞伎町』って呼ばれてるの知ってる?」
「しょうかぶき???」
「昔からこの辺は呑み屋が多くて、更にちょっと治安が悪い事から”歌舞伎町の小さい版”と言う事で『小歌舞伎町』って呼ばれてるのよ。」
「へぇ〜知らなかったです。勉強になります!そんな治安悪いんですか?」
「すぐ近くでドンっ!って物凄い音がして、外出てみると女の子が飛び降り自殺してた事もあったし〜」
「え〜〜〜!!」
「地元で同じ店のホスト同士の喧嘩が殺害にまで発展した事件もあったわよ」
「・・・・・」
「中でも一番怖かったのはねぇ〜」
「・・・はい。」
「この辺ね、”あっち”関係の事務所もいくつかあって、昔お客さんとしてこの店に来られたのよ。」
「緊張が走りますね。」
「そうなのよ、私まだ若かったから、緊張して料理で出すはずだった蟹を滑らせて、お客さんの灰皿にぶちまけちゃったのよ(笑)」
「豪快にいきましたねぇ〜」
「そしたら子分さんが激怒して、大声で怒られたんだけど、親分さんがね」
「はい」
「『おねぇちゃん、気にすんな。オレは灰ぐらいじゃ死なねぇからよ!』って言われたのよ。」
「さすが親分ですね!!!」
その後もボクに
『小歌舞伎町』を裏話を続けてくれた。
結局その恐怖話が最高の酒のツマミになり
あっという間に用事の時間になってしまった。
本当はもっとママさんに刺激的な話を聞きたかったのだが
渋々お会計をお願いした。
恐らく怪談話も豊富にお持ちだと思うので
これから夏にかけて、そんなネタが欲しくなった時は是非ともママさんに話聞いてみてください。
あと写真はないのですが、ここのもう一人の店員さん(ご夫婦さんの娘さんとの事)が
良い意味でかなりパンチある方なので
八王子で呑まれる際は、是非とも訪問して確認してみてください。
広小路(ひろこうじ)
住所: | 東京都八王子市中町10-13 |
---|---|
TEL: | 042-622-5735 |
営業時間: | 17:30~0:00 |
定休日: | 日・祝 |