浅草「果処屋-KADOYA-」これが浅草のスタバだっ!!!
今年2月
まだまだ肌寒い時期にボクは浅草に居た。
なぜかと言うと
最近浅草に行ってなかったのと
この日特に予定がなかったからだ。
理由はシンプル
ボクが浅草へ行く理由なんてそんなもんだ。
浅草に行けば、何か面白い事に出会える。
何度来てもそう思わしてくれる浅草はやはり日本を代表するジャパニーズタウンだ。
この日は雨だったが
そんな事関係なく浅草のネオンライトは
新宿渋谷とはまた違ったドキドキ感で照らしてくれる。
今回目的の酒場は
言問橋西(ことといばしにし)交差点の角にあるこちら
「果処屋-KADOYA-」
「果処屋」と書いて、”かどや”と読む。
交差点の”角”にあるから、それももじってるのだろうか。
外観を見るからに、『呑める八百屋』さんってとこか。
『呑める八百屋さん』って
なんて良い響きだろう・・・
『一人暮らしのOL』に筆頭するくらい良い響きだ。
かつて呑める肉屋さん、呑める魚屋さんは訪れた事があるが・・・
呑める八百屋さんは初めてじゃないだろうか。
ドキドキが止まらない・・・
今回も酒場ナビっぽい酒場で心が躍る。
営業中の看板を確認し、早速店内へライドオンしようとすると・・・
「すみませ〜〜ん、蕎麦はもう終わったんですよ〜」
と店員さんに言われた。
蕎麦!?
ボクが蕎麦目当てではない旨を伝えると・・・
「あ〜それは19時からです!もうすぐ入れ替えなんで、ちょっと待ってくださいね。」
との事だった。
外に貼ってある貼り紙を見ると
「※そば〜19:00まで ※生フルーツジュース&カクテル19:00スタート」
と記載してあった。
そう、ボクはこの果処屋に生フルーツジュースカクテルを呑みに来たのだ。
あと5分ほどだったので、店前のベンチに座って待って居たのだが
店内から香るカツオだしの匂い・・・
恐らく蕎麦も美味しいんだろう。
19時になり、店員さんが入れ替わり
生フルーツジュースの部がスタートした。
生フルーツカクテルを呑むなんて
「ターゲットは若者であろう」
「きっとギャルが来るに違いない」
なんて思ってのだが・・・
店内を見渡すと
ボクを含めおじさんオンリー。
まさかの店員さんまでおじさんと言う始末。
なんならボクがだいぶ店内の平均年齢を下げてるんじゃないだろうか。
下町のおじさんはお洒落に敏感であるのが身を持って分かった。
まぁ何はともあれ、無事目的の生フルーツカクテルが呑めるのであるから
文句など一切ない。
・・・
しかしやはり今回も期待は裏切られ、酒場ナビっぽい客層に
喜べない安心感だ。
マスターに「果処屋ミックス01」を告げ、ワクワクしながら一人待つ事に。
作り置きではなく、注文が入ってから
マスターがミキサーで作ってくれるのが嬉しい。
目の前で自分のドリンクが出来上がるのを見てると
ワクワクが止まらない。
ちなみにこれらの生フルーツジュースはデフォでアルコール入りなんで
飲兵衛の方はご安心ください。
勿論アルコール抜き、濃い目も承ってるので
そちらもご安心ください。
「果処屋ミックス01」
キウイ+パイナップル+りんごを
マスターオリジナルの配合で作られた特製ジュースだ。
色もふまえ、ややキウイ感が強めだが
この3種類の果物が混ざると足し算ではなく、掛け算になっているような気がする。
焼酎ではなく、ウォッカベースなところもお洒落で酔い。
喉が乾いてたのもあって、一瞬で飲み干してしまった。
こんな生ジュース、六本木のBARなんかで呑むもんなら
1杯1500円、下手したら2000円くらいするんじゃないだろうか。
しかも細すぎるグラスに入れられて、一口で飲み干せるくらいの量で・・・
しまった、もっと味わって呑むべきだった・・・
とは言ってもこの店はジョッキで1杯400円〜500円という安さなので
どんどん呑めば良いと思う。
隣席のおじさんグループから乾き物をいただいた。
「この店はね、おつまみがないんだよ。マスターが料理苦手でね・・・良かったらこれどうぞ!」
「ありがとうございますっ!!」
「ごめんね、おじさんばかりで。お兄さん、どこから来たの?」
乾き物をエサに自然と話しかける技術・・・
1日2日で習得したとは思えない話術・・・
「逆にボクの方こそ、若い女の子ですみません」なんて思った。
さすが浅草のおじさんたちはお洒落だ。
それこそもっと若い頃は1杯2000円くらいする高級BARで
お洒落なカクテル呑みながら女性を口説いてたに違いない・・・
今は年齢も年齢だし・・・
けどやっぱりお洒落なカクテルも呑みたくなって、この生フルーツジュースカクテルが呑めるここに行き着いたのだろうか。
今の嫁さんも恐らくカクテルが大好きで・・・
「・・・お、お兄さんっ!?!?」
「・・・は!すみません!」
「で、どこから来たの・・・?」
どうやら人間観察が行き過ぎてしまって全く話を聞いてなかったようだ。
「ねぇ〜マスター!このジュース凄く美味しいのに、なんで昼からやらないの?」
「だって昼から営業してしまうと酔っ払って仕事出来なくなるじゃん?」
常連のおじさんとマスターの会話である。
『飲兵衛の店主さんが居る酒場にハズレない説』
あると思いますっ!!!
すぐ近所に住んでらっしゃると言う先輩。
「ボクはね、近所に住んでるから呑みに行く前とか二日酔いの日に、一旦身体をリセットする為に果処屋に寄るんだよ。」
「それで1杯呑んで、すっきりしてまた呑みに行くルーティンがあるんだけど・・・」
「でもよく考えたら、この生フルーツジュースはアルコール入ってるんだよね(笑)」
オチもしっかりあって、実に聞きやすいトーク術だ。
「あとさ、マスター!昼は営業しないの分かったけどさ、ジュースのテイクアウトはやらないの?」
「ほら、あの・・・スタバみたいにさっ!」
「お酒の入った生フルーツジュースのテイクアウトなんて、なんか浅草っぽくて良いじゃん!!」
「若者がタピオカみたいにインスタに上げてくれて話題になりそうっ!!」
盛り上がる店内。
マスターめんどくさそうな顔してるが
まんざらでもない様子だ。
おじさんグループたちはこの場を全力で楽しんでいる。
誰にも構わずしっぽり自分の世界で呑む大人もカッコいいが
ボクはやっぱりこんなお茶目なおじさんが好きだし
将来自分もこうなってるんだろうなと毎度思うばかりだ。
おじさんオンリーのこの空間を純粋に楽しめてる自分がいる。
テンション上がって、マイステッカーをあげてる自分がいる。
挙げ句の果てにLINE交換までしちゃってる自分がいる・・・
やはり浅草は裏切らない。
雨の中浅草までやってきた甲斐があった。
「果処屋ミックス02」
グレープフルーツ+りんご+レモン
で作られた果処屋ミックス2号機。
こっちはこっちで当たり前に美味い。
何度でもおかわりしたくなるし、これならお酒だけど身体にも良さそうだ。
ちなみに冒頭では『呑める八百屋』と言ったが
九州からの運送費が高くなってしまって、今は野菜の販売はしておらず
昼は蕎麦屋、夜は生フルーツジュースオンリーのスタイルとの事。
このご時世なので
今現在「果処屋」さんが
スタバみたいにドリンクのテイクアウトやUbereatsを始めてるのなら
それはボクとこのおじさんたちの手柄と言っていいでしょう。
果処屋 -KADOYA-(かどや)
住所: | 東京都台東区花川戸2-16-11 |
---|---|
TEL: | 090-1766-3150 |
営業時間: | ※そば〜19:00まで ※生フルーツジュース&カクテル19:00スタート |
定休日: | 木曜日 |